介護に関わるすべての人を応援します

2045年問題とは | 仕事がなくなる?対策や本を紹介

ニュース
人工知能の発展と絡めて議論される2045年問題について解説します。AI技術の進歩でなくなる可能性が高いといわれている仕事があるのをご存知ですか?シンギュラリティ(技術的特異点)やAIへの理解を深めて、2045年問題の対策を考えましょう。
公開日
更新日

(1)2045年問題とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1711259

コンピュータ技術の進歩は目覚ましいものがあります。その中でも特に発展が大きい人工知能は、音声や画像を認識するだけでなく、自分で物事を考え応用できるものになっています。この自分で物事を考え応用する汎用人工知能(AI)がこのまま進歩すると、2045年には人類を超える、シンギュラリティ(技術的特異点)がくると予想されています。シンギュラリティについては(6)でくわしく解説します。

シンギュラリティ後はAIがAIを作り、とてつもないスピードでテクノロジーが進歩するようになります。こうなってくると、人間の頭脳では太刀打ちできなくなるでしょう。このことから様々な問題が起こると予想されており、「2045年問題」と呼ばれています。SFの世界と思われていたような展開が、2045年に待ち受けているのです。

(2)2045年問題によりなくなる可能性が高い仕事

2045年に大きな問題となると予想されているのは、人間が行っていた仕事を代わりにAIが行えるようになり、その結果なくなる可能性がある仕事が出てくるということです。オックスフォード大学准教授の研究によれば、77%もの職種がAIに代替えされるとしています。AIに変ると予想される仕事を具体的に挙げてみましょう。

  • データ入力作業員
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 簿記・監査などの事務員
  • 保険やクレジットの審査員
  • 図書館員
  • レジ係
  • レストランや娯楽施設などの案内
  • ホテルの受付
  • 警備員
  • 電話のオペレーター
  • 検査や分類などを行う仕事
  • 測量士
  • 建設機械のオペレーター
  • 清掃作業員
  • 電気やガスの検針員
  • 電気器具・時計・カメラなどの修理工
  • 気象予報士
  • タクシーなどの運転業務
  • 電車の運転士

AIに代替えされる可能性が高い職種はたくさんあります。監視をする・計算をする・単純作業を行うなどの仕事は、早い段階でAI化するでしょう。特別なスキルや知識が必要なく、個別に細やかな対応が求められない職種が、なくなる可能性が高いと言えます。

(3)2045年問題によりなくなる可能性が低い仕事

2045年、AIによってなくなる可能性が高い仕事は多いですが、なくなる可能性が低い仕事もあります。まずAIが進歩してもなくなる可能性が低い仕事を具体的に挙げてみましょう。

  • 技術開発者
  • 研究職
  • コンサルティングアドバイザー
  • マーケティング職
  • 会社経営者
  • 会社役員
  • 弁護士
  • AIエンジニア
  • 整体師
  • タレント
  • ダンサー
  • 伝統工芸人
  • デザイナー
  • 声楽家や歌手
  • 小説家や画家
  • スポーツ選手
  • カウンセラー
  • セラピスト
  • 医師
  • 看護師や介護士

感性が必要な仕事や物を生み出す仕事、他人と協調性が求められたり、人を育てたりする仕事は残るでしょう。また知能的には人間を超えることができても、柔軟性をもった動きなどはAIやロボットには困難なはずです。そのため、ダンサーやスポーツ選手のような身体を使った職業もなくならないといえます。

(4)2045年問題への対策

AIが人間を超える2045年問題 に対策はないのでしょうか。今のところ、人工知能の開発をこれ以上行わないようにする、またシンギュラリティが起きても、人間がすべてをAIに任せてしまうことなく人間も進歩できるよう社会や人間を強化するといった考えがあります。しかし、人工知能の開発をこれ以上行わないというのは難しいといえます。

日本でも2045年問題は考えられており、2015年には「インテリジェント化が加速するICTの未来像に関する研究会」という会合が総務省により発足しています。この会合でもシンギュラリティは起こると考えられており、対策が考えられています。

AIにも、人間に服従するなどのロボット3原則をもっと具体化したものを打ち立てる・AIの行動を最終的には人間が制御できるようにするなどが考えられています。

(5)2045年問題は嘘?

2045年問題は深刻に捉えるべきですが、シンギュラリティが起こり、AIが人間より優位に立ったとしても、大きな問題は起こらず「2045年問題は嘘」とする意見もあります。AIによって人間の仕事が奪われてしまうのではなく、逆にAIによって市場が拡大し仕事が増えていくとの予想もあるのです。

また、AIが進歩しても、人間のように様々な事柄に対しての汎用能力が備わることはないと考える研究者もいます。人工知能は考えることはできても、感情を持ち柔軟な対応ができる「人間と同等の能力」を持つことは難しく、所詮は「マシンインテリジェンス(知能を持った機械)」でしかないとの考えです。

マシンインテリジェンスでは人間にとって代わることはできず、2045年問題も起こらないとの声もあります。しかし、まだ先の予測であるため、嘘であるとは言い切れません。

(6)2045年問題の核である技術的特異点(シンギュラリティ)とは

シンギュラリティは、人工知能の発展によってAIが人間を超える時であり、レイ・カーツワイル博士が提唱したものです。レイ・カーツワイル博士によると、シンギュラリティは2045年までには起こると予想されています。

シンギュラリティが起こったあとは、AIがより優れたAIを加速して作り出していくようになります。AIが人間の知能を超えて進歩を続けるとなれば、その先に起こることを人間の知能では予測できなくなると考えられます。このことから、人間がAIを制御できなくなる・AIに支配されるのではないかなどと、脅威に感じる人も多いのです。

なぜ2045年に起こるのかというと、「集積回路(IC)の集積度は約18か月で2倍になる」というムーアの法則に従って計算されたからです。1年半あれば、今の電子回路より2倍の性能になるということになり、この計算でいくと2045年にはシンギュラリティが起きてもおかしくない状態になるということです。

(7)技術的特異点(シンギュラリティ)が人類に与える影響

シンギュラリティが起これば、間違いなく人類に影響が出ます。良い影響・悪い影響どちらも起こるでしょう。ここでは2045年問題ともなる、シンギュラリティが人類に与える影響について説明していきます。

良い影響

  • 危険な場所などで行う仕事をAIやロボットが代わり負担が減る
  • 製造業では、生産性が上がり売り上げが拡大する
  • 人件費のコストが下がり、人手不足がなくなる
  • ロボットを用いた遠隔手術が可能になる
  • 病気を今以上に早期発見できるようになる

悪い影響

  • AIやロボットに仕事が奪われ失業者が増える
  • 格差の拡大に繋がる
  • 人間に反逆するまたは人間を排除しようとするAIやロボットが現れる可能性がある

シンギュラリティが起こっても生き残れる仕事であれば、AIの活用は労働の負担が減るなどメリットが多いかもしれません。しかし、なくなってしまう仕事であれば、生活が困窮する恐れがあります。なくなってしまう仕事が77%もあるのであれば、個人的に悪い影響ととらえる人が増えると考えられます。

(8)そもそも人工知能(AI)とは

2045年問題で起こるシンギュラリティについては説明しましたが、ではその問題にある元であるその人工知能(AI)についても説明していきます。

人工知能、Artificial Intelligenceはその名のとおり、人工的に作られた知能です。

AIには特化型AIと汎用人工知能(AGI)があります。

特化型AIは、ある一つのことに対し特別に能力が強化された人工知能です。例えば、1997年にチェスの特化型AIである「ディープブルー」が世界チャンピオンに勝利、2012年には将棋でも「ボンクラーズ」が永世棋聖の称号をもつ米長邦雄氏に勝利しています。

また、2016年には、対局のパターン数がけた外れに多い囲碁でも、「アルファ碁」が韓国のトップ棋士と対戦し勝利して世界から注目されました。

AGIは、応用ができ自己学習し判断することで複雑な問題でも対応できる人工知能となります。SFの世界などで描かれているAIはこちらでしょう。

iPhoneに搭載されたSiri、その他Amazon Echo・Google Homeなどは、AIアシスタントと呼ばれていますが、日常生活をサポートできるAIです。

その他、ワトソン(watson)という名前を聞いたことがあるでしょうか。AI同様にデータや状況を理解して学習し成長する、IBMによって開発されたコンピュータです。AIアシスタントと違い、医療や金融機関などのビジネスをサポートします。

また機械学習(マシンラーニング)というものがありますが、これもAIの一種です。機械学習とはデータから規則性や判断基準を学習し、それに基づき未知のものを予測、判断する技術です。

例えばPCで、あるサイトにアクセスすると、端に商品が表示されることがあります。これは購入履歴やアクセス履歴などから、PCを操作する人間が好む商品を予測しおすすめとして表示しているのです。

(9)2045年問題に関する本

2045年問題に関する本は、いくつも販売されています。おすすめできる本を紹介していきますので、2045年問題についてもっとよく知りたい方はぜひ一度読んでみてください。

2045年問題 コンピュータが人類を超える日 (廣済堂新書)

(2012年発売)

著者:松田卓也

値段:864円(※)

2045年問題やシンギュラリティについて書かれています。人工知能について初心者にもわかりやすく書かれた本です。

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

(2016年発売)

著者:レイ・カーツワイル

値段:1,620円(※)

シンギュラリティを提唱したカーツワイルの本です。シンギュラリティについて詳しく書かれています。2007年に発売された「ポストヒューマン誕生」の重要部分を抜き出したものです。

AI2045

(2018年発売)

日本経済新聞出版社編集及び出版

値段:980円(※)

人間の仕事の半分がAIやロボットに代わってしまう未来を不安に思いながらも、AIとの共存への道を模索する人の姿を描いています。

※値段はAmazonを参考にしており、変動の可能性があります。

(10)2045年の人類はどうなる?

2045年はまだ先の未来です。シンギュラリティが起こるとは言い切れません。また起こったとしても、それによってすべて悪い方向に向かうとは限りません。生産性の拡大や医療の進歩など、良い影響がある可能性もあります。

しかし人間の知能を超えたAIが出現しなくても、現段階で少しずつ人間からAIやロボットに仕事が移り変わっているものもあります。AI技術が少し進歩するだけで、仕事を奪われ失業する人が増えることは間違いないと言えます。

今から2045年問題を理解し、AIと共存できる方法を模索していきましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!