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簡易浴槽とは | 介護の際の使い方・選ぶポイント・レンタルの可否

介護用品
お風呂場に行くのが難しい方でも入浴できるようにと作られた福祉用具に「簡易浴槽」というものがあります。今回の記事ではこの入浴を手助けする簡易浴槽について、使い方や注意点を解説します。簡易浴槽は購入だけでなく、レンタルもできるので、積極的に活用して入浴介助の負担を減らしましょう。
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(1)簡易浴槽とは

簡易浴槽とはポータブル浴槽ともいわれ、空気式・折りたたみ式・立て掛け式等で容易に移動でき居室等で入浴を容易に行なうためのものです。

浴室まで移動せずに、居室などで入浴でき、身体に障害があり入浴が難しい人でもできるだけ楽に入浴できます。

入浴を行うことで、身体を清潔に保つほかにも新陳代謝の促進やリラックス・安眠効果があるため入浴はできるだけ毎週行った方が良いです。

(2)簡易浴槽の利用対象者

簡易浴槽を利用する人は主に要介護度が高く、浴室での入浴が難しかったり、デイサービス等での外出が難しい人が多いです。

訪問入浴で簡易浴槽を利用することも多くそのような場合は、要介護1~5の認定を受けた方、または特定疾病が原因で介護を必要とする方を対象として簡易浴槽を利用します。

簡易浴槽のメリットは自宅で安全に入浴することができる点であり、どのような人も入浴を行うことができます。

(3)簡易浴槽の使い方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504414

簡易浴槽を居室にセッティングする際は、以下の手順で行ってください。

  1. 浴槽内から水が跳ねて床を濡らさないようにバスタブマットをひき、その上に簡易浴槽を置きます。*空気式は膨らます、組み立て式は組み立て簡易浴槽を作ります。
  2. 簡易浴槽に給湯口にホースを取り付けます。
  3. 浴槽内のお湯を吸い込む排水ポンプを取り付けます。
  4. お湯を張り入浴します。

(4)導入の際の注意点

導入の際に一番注意が必要なのは、以下の2点です。

  • 給水は可能か
  • 換気は可能か

給水と排水のホースがあまりにも長くなりすぎると、お湯の温度が簡易浴槽に届く前に温くなってしまいます。また換気の行える環境(換気扇や窓がある等)でなければ部屋に水蒸気が溜まりすぎるので注意が必要です。

また簡易浴槽を選択する際に、空気式の簡易浴槽を利用する場合は使用前に穴が開いていないかどうか確認する必要があります。

(5)簡易浴槽に入るまでの介助方法

浴槽への介助方法の手順を説明します。

ベッドに寝たまま移動する方法として、2パターンあります。

①ベッドからそのまま簡易浴槽へ(折り畳み式)

ベッドに寝た状態で移動する側のベッド柵を取ります。

スライディングボードを身体の下に敷き、上半身と下半身に分かれ2人介助で簡易浴槽に移します。(または抱きかかえて浴槽へ移動します)

その際、入浴時であり衣服もすべて脱いでいるため、プラスチック部などと擦れて皮膚が裂傷しないように気を付ける必要があります。

また高さによっては介助者の腰に負担が掛かるため気を付けてください。


スライディングボードについてくわしくは下記の記事で解説しています。あわせてお読みください。

介護用スライディングボードの使い方やおすすめ品 | 対象者や注意点も

②ベッドからそのまま簡易浴槽へ(空気式)

空気式の場合上記と同様の手順ですが、身体を簡易浴槽の上に移動させてから簡易浴槽を膨らまします。

どちらの方法も介助者への負担を減らすためには、簡易リフトの使用をお勧めします。

(6)簡易浴槽から出るときの介助方法

入浴が終わったらそのまま体をきれいに拭き、抱きかかえる・スライディングボードまたはリフトを利用しベッドに移ります。

出る・入るどちらにもおいて気を付けてほしいことが何点かあるので紹介します。

  1. 衣服を脱いだ際に異常がないか全身を確認する。
  2. バイタルチェックまたはフィジカルアセスメントを確認し急変しないように気を付ける。
  3. 食事直後や空腹時は入浴を控える。また水分補給をしっかり促す。
  4. 冬場はヒートショックを起こさないように気温に気を付ける。

上記の点もしっかりと注意して安全な入浴介助をしましょう。

(7)簡易浴槽の選び方

簡易浴槽はどのように選べばよいでしょうか。簡易浴槽を選ぶポイントを2つ紹介します。

ポイント①まず浴槽の収納のため浴槽タイプを考える

訪問入浴等でその都度持ってきてもらうのであれば、収納は必要ありませんが購入となると収納が楽なものでなければ、購入後片づけに困ります。

そのため収納スペースに合わせ、一番コンパクトな空気式から硬い素材の折り畳み式まで選択する必要があります。

一度自宅の収納可能スペースを確認し購入タイプを検討してみましょう。

ポイント②お湯の供給方法と排出方法

簡易浴槽を使用するには、お湯の供給が必須になります。

購入しても供給と排出が可能な場所に簡易浴槽を設置できなければ使用することができません。

購入前に自宅のどの場所で入浴するか検討し購入を考えましょう。

ポイント③簡易浴槽の形状

簡易浴槽の形状ですが、介助にて入浴・洗体する際は介助者に負担のない高さに設定する必要があります。

簡易浴槽が低すぎて前かがみでの介助を行うと腰痛を引き起こす可能性が高いです。

また浴槽が深いと浴槽からの出入りに労力が伴います。

入浴介助は環境が整っていても体への負担が大きいため、できるだけ高さの設定や浴槽の深さ、手すりの設置などを検討し、負担を軽減しましょう。

(8)購入方法

ではそのような簡易浴槽ですが、どこで購入することができるのでしょうか。

簡易浴槽は、福祉系の販売店・インターネットでも購入でき様々なところで販売しております。

インターネットでは比較的安価なものが多く、インターネットであるため比較的簡単に購入することができますが、実際に商品を見ることができず思っていたものと違う場合もあるので注意が必要です。

その点福祉系の販売店では、値段はインターネットより高いですが福祉の専門員と相談し、その人にあった簡易浴槽を購入することができます。

また、償還払いという制度というものがあり、購入者が費用を全額支払ったあと、自治体に福祉用具購入費の申請をし、審査の通過後に支給を受ける償還払いが適用されることがあります。

しかし都道府県の指定する事業者以外から購入した場合 は、償還払いが適用されないため注意が必要であるため、販売者への確認を行う必要があります。

どちらの方法もメリット・デメリットがありますが、長期にて使用する場合は福祉用具店で購入することをお勧めします。

(9)簡易浴槽のレンタルは可能?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1597360

簡易浴槽は直接肌に触れて使用するものなので、レンタルではなく、購入が推奨されています。介護用品を扱う多くの業者が簡易浴槽をレンタルではなく販売しています。

簡易浴槽の購入には介護保険が適用される場合が多いため、購入の前に介護保険対象の商品かどうか確認しましょう。

購入が厳しい場合や、どうしてもレンタルしたいという方はケアマネージャーやお近くの地域包括支援センターに相談してみましょう。

デイサービスショートステイなどで入浴介助を頼むという方法もあります。

(10)簡易浴槽を安心・安全に利用しよう

このように簡易浴槽は身体が不自由な方が、家で入浴することを簡単にする福祉用具ですが、利用の際には様々な注意点があり気を付ける必要があります。

入浴介助は介助者にも負担が大きいため、安易に購入せず自分の身体面を考慮しましょう。

もし自宅にて自己にて簡易浴槽での入浴が困難であれば、介護保険を利用し訪問入浴を使うという手もあるのでしっかりと購入を検討しましょう。

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