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療養通所介護とは|利用のメリットや費用、人員基準までを解説

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療養通所介護では、地域密着型サービスの一つとして、高度な医療ケアが必要なサービス利用者に対し、住み慣れた地域で自立した生活を送れるように、生活介助や訓練などを通じ、総合的なサービスが提供されます。本記事では、そんな療養通所介護について、具体的なサービス内容や利用のメリット、利用条件や利用をする際の注意点などを、詳しく説明していきます。
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(1)療養通所介護とは

高度な医療ケアや訓練を受けることができる通所介護(デイサービス)

「療養通所介護」とは、常時医療的な行為が必要な重度介護者や癌末期患者などを対象としたディサービスです。このサービスにおいては、常時看護師のケアを受けることができ、医師や訪問看護ステーションなどと連携の上、安全で的確なサービスを利用することができます。

このサービスは、重度介護者でも住み慣れた地域で自立した生活ができるように支援をする目的でに制定された「地域密着型サービス」の一つです。

地域密着型サービスについて確認ができる記事はこちら

→『 地域密着型サービスとは | 介護度別受けられる12種類と利用の流れ

詳しいサービス内容については以下で説明しますが、例えば

  • 自宅から通所介護への送迎
  • 経管栄養が必要な方への、適切な食事の提供
  • 全介助の利用者への入浴介助

などの、日常生活への支援を受けたり、生活機能や口腔機能の向上への機能訓練サービスについても日帰りで提供します。

(2)療養通所介護で受けることのできるサービス

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2281990

療養通所介護で受けることができるサービスには、主に以下の5種類のようなものがあります。総じて、基本的なサービス内容は、通常の通所介護とさほど違いはありません。しかし、療養通所介護では、より高度な医療的ケアやサポートが提供される点で、大きく異なるといえるでしょう。

1、送迎

療養通所介護は日帰りのデイサービスなので、利用者宅から施設まで送迎を行います。

2、食事

経口摂取が可能であれば職員が介助を行ない、経管栄養であれば看護師によって提供されます。

3、入浴

利用される対象者は常時看護師の観察と医療的ケアが必要な方のため、在宅では入浴ができないという現実があり、利用時の入浴となります。

4、健康チェック

一般的な健康チェックから、利用者の体調などの把握、服薬管理なども行ないます。また吸入や吸引、摘便や浣腸、褥瘡の処置なども看護師によって行ないます。

5、機能回復訓練

利用者個々のデーターを基に作成した、リハビリテーション実施計画書に基づき、生活機能向上の機能訓練や口腔機能向上サービスなどを、それぞれにリハビリテーションとして提供します。

(3)療養通所介護を利用するメリット

療養通所介護を利用するメリットで一番なのが、「スタッフの配置が手厚い」ということです。療養通所介護の人員基準は、利用者数1.5名に対し、介護士と看護師を1名以上、うち1人以上は常勤の看護師に従事する者と定められています。

通常の通所介護より人員配置が良いため、マンツーマンで手厚い介護を受けることができますので、利用者も安心してサービスを受けることができることになりますし、気兼ねなくスタッフにも話すことが可能になります。

また、看護師配置があるため、医療的なケアが必要な場合に適切な処置を行なうことや急変が起こった場合などの緊急時対応も安心です。そのため通常の通所介護では受け入れができない利用者も利用できることになります。

(4)療養通所介護の利用条件

医療ケアへのニーズが高い患者が主な利用対象者

療養通所介護の利用条件は次のようになっています。

常時看護師による観察および対応が必要となる難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度の要介護者および、がん末期患者(参照:厚生労働省『どんなサービスがあるの? - 療養通所介護』)

この利用条件に照らすと、療養通所介護の利用対象疾患は難病、認知症、脳血管疾患後遺症なのですが、これら3疾患の患者に限らず、広く「常時看護師による観察が必要な医療ニーズの高い要介護者」が対象となっています。

また、65歳以上でなくても介護保険が適用される条件を満たし、かつ医療的ニーズがある利用者であれば40~64歳の方でも利用することが可能です。

(5)療養通所介護の利用方法

「療養通所介護」は、介護保険の「通所介護」に含まれるサービスです。利用するには他の通所介護サービスと同じで、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づき、介護保険の流れで利用することになります。

利用料は要介護度に関係なく、3~6時間の利用で1000単位/回、6~8時間の利用で1500単位/回です。通常の「通所介護」は、要介護5で6~8時間の利用で1320単位ですから、この利用料で看護師がほぼマンツーマンで関わるので、利用者にとっては、「お得なサービス」といえます。

また療養通所介護は、訪問看護のように1時間という短い時間ではなく時間がありますので、家族にとって看護師に医療の相談がゆったりした時間の中でできるというメリットがあります。

(6)療養通所介護でのと通常の通所介護(デイサービス)との違い

療養通所介護と通常の通所介護との大きな違いは、「利用者の医療ニーズが高い」ということです。つまり医療面でのサービスに重点を置いて、看護師を中心としたサービスになるということです。

しかし通常の通所介護と同じように、入浴や食事、健康チェック、送迎、機能回復訓練などのサービスも実施するので、医療面のサービスばかりを実施しているわけではありません。

通常の通所介護と同じように、利用者が過ごしやすいよう、レクリエーションなどを通じてコミュニケーションも取りながら、医療の色合いが強いケアも充実している点から、「要介護度に関わらず、できるだけ利用者が住み慣れた地域から離れることなく過ごしやすいように生活ができる」ための支援を目的とした、地域密着型サービスであることが、通常の通所介護と比較した際の療養通所介護の特徴であるといえるでしょう。

(7)療養通所介護の利用にかかる費用はどれくらい?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1262515

療養通所介護は、「地域密着型通所介護」に含まれる通所介護ですので、地域密着型通所介護の料金が適用されます。地域密着型通所介護の料金は次のとおりです。

・735円~1332円/日(介護度、負担額、利用時間によって変動)

地域密着型通所介護は、利用定員が18名程度の小規模サービスですので、きめ細かな介護の対応が求められます。そのため利用料金は通常規模の通所介護よりも割高に設定されています。

(8)療養通所介護を利用する際の注意点

療養通所介護はコストパフォーマンスが低い介護事業です。そのため「入浴や送迎などや処置料の加算がない」「人件費が通常より高くなる」「介護度が関係していない」などのマイナス要因があります。

療養通所介護事業所を行なっているのは、営利法人が最多の40%ですので、介護報酬が大幅に見直されないと、経営的にも困難になってきますので、療養通所介護の現在の状態は改善されることはありません。

その上利用者数が9名以下に設定されていますので、申し込んでも定員がいっぱいだと、利用できない場合も発生しますので、まず利用できるかどうかを確認しなければなりません。

(9)療養通所介護の人員基準は

療養通所介護サービスを提供する場合の人員基準は、看護師または介護士が利用者の数1.5人に対して、提供時間帯を通じて療養通所介護の提供者を1人以上確保するために必要と認められる人数以上が基準となります。

また、そのうち1人以上は常勤の看護師であり、療養通所介護の職務の従事者となります。そのため利用者数が9名だった場合には、看護師1名以上、介護士が4名の配置基準となります。

この配置基準は通所介護において多い人数になるので、療養通所介護サービスは人員配置においても手厚い介護になり、利用者にとっても嬉しいサービスになると言えます。

(10)地域密着型サービスの一つである療養通所介護の利用を検討してみては

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2284825

療養通所介護は地域密着型サービスの一つで、通常の通所介護とは違ったサービスとなりますが、療養を目的としている人にとっては、最適な通所介護と言えます。

病気を持ってしまうと、どうしても出かけることに対して引いてしまうようになりますが、「病は気から」というように、気持ち次第で病気の進行なども改善されてくるようになってきます。

療養通所介護は、病気がある人に対しての通所介護なので、他の利用者に対して気兼ねすることもありませんし、お互いに情報交換もできるようになってきますので、気分転換にもなりますし、「また出かけたい」と思えるようになってきます。

そんようなメリットのある療養通所介護ですので、ぜひ検討をして利用することをおすすめします。

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