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「2050年問題」は日本だけでなく世界でも | AIや医療はどうなる?

社会問題
日本だけでなく世界的にも様々な問題に直面すると予想されている「2050年問題」というものをご存じでしょうか。聞いたことがなかった方にも考えていただきたい「2050年問題」について紹介していきます。
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(1)日本だけでなく世界が向き合うであろう「2050年問題」とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1564944

「2050年問題」とは、2050年頃に日本や世界中で起こる可能性が高い問題のことを総称していいます。2050年問題には主に以下のものが挙げられます。

  • 人口減少
  • 少子高齢化
  • 社会保障費の増大
  • 労働力不足
  • インフラの老朽化

(2)2050年問題で起こると予想されている様々なシステム破綻

2050年には様々なシステムの破綻が起きると予想されています。2050年問題でシステム破綻が予想されているものは次のようなものです。

医療の諸問題

2050年問題となっている医療の諸問題とは莫大な医療費・医師や病院不足・認知症の増加などです。高齢者の人口が増えることで医療費は膨らみ、日本の財源で賄いきれない額になると予想されています。

また医師や病院が減少している中高齢者が増えることで、医師や病院不足も懸念されます。認知症の問題は日本だけではありません。世界的にみても2050年には1億人を突破すると考えられています。

社会保障制度の破綻

病気になったり失業したりしたとき、また老後の生活を支えてくれたりするのが社会保障制度です。社会保障の財源は保険料と税金であり、働く世代の減少により負担が大きくなってしまうため、大幅な負担アップは難しいと考えられます。

しかし現在でも日本の財政状況は悪化しており、2050年までには社会保障の財源も尽きてしまうといわれています。

コーヒーの生産半減

以前から地球温暖化などの気候変動が作物などに及ぼす影響が懸念されていますが、その中でもコーヒー豆については、異常な降雨と高温などにより生産に大きな打撃があると予測されています。

コーヒー豆の中でもアラビカ種については、生産は半減すると考えられており深刻な2050年問題として挙げられています。

(3)2050年問題では高齢化率が40%近くなるという予測

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/720358

現在でも問題になっている少子高齢化について説明していきます。2019年の日本の人口は、1億2600万人です。しかしこのまま少子化が続けば、2050年には日本の人口は1億人を切ってしまうと予想されています。

また第一次ベビーブームとなった団塊の世代が75歳以上となる2025年には65歳以上の高齢者が約3700万人となる予想です。2050年には約4000万人が65歳以上の高齢者となり、人口が減少する中高齢者の割合は増え、総人口の37.7%、実に4割にもなると予測されます。

(4)2050年に「働ける人」が減少する見込み

高齢者は増えても出生数は2050年には65万人まで減少すると考えられています。

また税金や社会保障を負担している働ける人は、人口の半数の5200万人ほどになる予測です。働ける人が減少することは社会保障制度の崩壊に繋がります。

1950年頃では働ける人12.1人で1人の高齢者を支えていました。それが2017年では働ける人2.2人で1人、2050年には高齢者は40%の4000万人と予想されるため、働ける人1.4人で1人の高齢者を支えなければいけないと予想されています。

(5)AIが働きたくても働けない人が増加する一因になる可能性

ここ最近のAI(人工知能)技術の発展にはめまぐるしいものがあります。そのため、AIが人間の代わりに仕事をしてくれ、人間の仕事がなくなってしまうと考える人も少なくありません。SFの世界だけと思っている方もいますが現実に2050年までにAI技術は更に高度になると考えられ、不安を感じてもおかしくはないでしょう。

臨機応変な対応が必要な対人業務などは、AIより人間の方が上手くできるはずです。しかし人間と違い疲れることがない機械であるため、人間以上の働きができると考えられます。同じ作業を繰り返し行う仕事は、確かにAIの方が正確にまた多くの仕事ができるかもしれません。

すべての職業がAIに置き換わるということはありませんが、AI技術の発展により働きたくても働けない人が増加する可能性は否めないでしょう。

AIに置き換わる可能性があるといわれているもの

  • 単純作業のデーター処理
  • 機械を使用して物を作る作業
  • タクシーや小型バスなどの運転
  • 掃除作業
  • 事務関係全般
  • 警備員などの監視業務

(6)食料分野における破綻

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/366906

2050年問題は日本だけに留まりません。2019年の推定人口は75憶ですが、世界的にも人口は膨れ上がり2050年には90憶を超えると予想されています。そのため増えた人口に対して食糧が供給できず食料分野において破綻し、2050年問題として世界的な飢饉に陥る可能性が示唆されています。

また人口増加だけではなく、温暖化や異常気象による作物の不作も食料破綻に繋がります。

日本は食料の輸入に頼り食料需給率が38%しかないにも関わらず、食品ロスが多いのが現状です。2050年問題で世界的な飢饉が訪れる可能性を考え、日本ももっと危機感を持って対策を考えなければいけません。

(7)住宅分野にて、空き家率が大きく上昇する可能性

また人口の減少により家が余り、空き家が増えると予想されます。

日本最大のシンクタンクである野村総合研究所が発表した総住宅数、空き家数および空き家率では、2033年には全国で全住宅の30%に当たる2150万戸が空き家になると予測されています。総務省の住宅・土地調査においても、2040年には空き家が全戸数の40%になると予想しています。(参考:野村総合研究所「2030年の既存住宅流通量は34万戸に増加」総務省「平成31年度 空き家対策に関する実態調査」

マンションの空き家は大きな都市に多くなるとされ、将来マンションなどの新築は制限がかかるようになり、マンションの資産価値も下がる可能性が高いでしょう。空き家が増えると、管理が困難となり生活環境・治安・衛生面での悪化が起こり深刻な問題となると危惧されています。

(8)2050年問題で進む地方の過疎化

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/306562

人口の減少だけでなく働ける人の都市部流出が増え、ますます過疎化が起きます。

野村総合研究所顧問である増田氏が2014年に発表した資料によると、2040年には896都市が消滅可能性都市になるとされています。消滅可能性都市として80%以上の割合があるのは秋田・青森・島根・岩手・山形の順で5県でした。また北海道や奈良・和歌山も70%台となっています。(参考:国土交通省「消滅可能性都市」

過疎地域では高齢者が多いことだけでなく、近くに病院がなくまた救急搬送にも時間がかかる・食料や日用品が変える店がない・公共交通機関がないなどの問題点が挙げられています。子供の学校も遠く支援も少ない、仕事がないなどの理由で過疎化が進むのを止めるのは難しいといわれており、深刻な2050年問題として早急に対策を考える必要があります。

(9)成長が予測される分野は?

 2050年問題では様々な分野で衰退していくことが考えられますが、AIと共存できる分野であれば成長が可能といえるでしょう。また高齢化社会のニーズをくみ取っていくことで成長が期待できる分野もあります。高齢者が増えることは、マイナスな面だけではありません。

高齢者でも旅行や趣味にお金を使う人も多いはずです。車椅子や介助者が必要な状態でも旅行に行けるとなれば、お金を使う人も多いでしょう。車椅子でも利用可能なバリアフリー旅行プランは、高いリピート率になっています。日本は諸外国と比べバリアフリーに対し遅れをとっていると言われていますが、高齢者のニーズに答えていくことで、成長が期待できます。

また元気であっても加齢による体の衰えをなくすことはできません。大きな病気はなくとも、体調不良や目や耳などの加齢による機能低下のために病院に行くことが必要になるはずです。そしてやはり介護が必要な人も増えるのは必須です。そのため病院や薬局、介護の分野は高齢化しても成長できるといえます。

人生100年時代とも言わるようになっていますが、元気で長く生きたいと健康を気遣う人が増えており、サプリメントや健康食品などの市場は拡大すると見込まれています。

高齢化に伴い意識を変え、高齢者のニーズに答えられる分野であれば2050年問題に悩まされることなく成長できる可能性があるのです。

(10)2050年問題に関し情報の感度を高めよう

2050年問題は自分には関係のない問題だといえる人はいないはずです。日本だけでなく世界的な問題ですから、どこで住んでいても必ずこの問題が待ち構えているといえます。

しかし嘆いていても始まりません。社会保障制度の基盤を再構築する・人生100年時代をチャンスと考え生涯活躍できる社会を作る・病気や介護の予防に努めるなど対策は始まっています。

働けなくなるような病気にならないと断言できる人はいないでしょうし、また誰もが年を取っていきます。他人事ですますことなく2050年問題を考え、新聞やネットで情報を取り入れるようにしましょう。2050年問題について関心が高まることで、最悪の事態を回避することができるかもしれません。

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