介護に関わるすべての人を応援します

通所リハビリテーションとは | 費用・対象者・1日の流れなど

在宅介護サービス
通所リハビリテーションは、病院や診療所、介護老人保健施設に通ってリハビリ専門職の指導のもとリハビリテーション(機能回復)を行う介護保険サービスです。“デイケア”とも呼ばれています。この記事では、通所リハビリテーションについて、費用や対象者、1日の流れなどについて解説します。
公開日
更新日

(1)通所リハビリテーションとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3927

通所リハビリテーションは、病院や診療所、介護老人保健施設に通ってリハビリ専門職の指導のもと、主にリハビリテーション(機能回復)を行う介護保険のサービスです。通所型の介護保険サービスというと、集団で運動やレクリエーションなどの介護サービスを提供する“デイサービス”がありますが、通所リハビリテーションは“デイケア”とも呼ばれています。


デイケアとデイサービスの違いについてくわしくは下の記事で説明しています。あわせてお読みください。

デイケアとデイサービスの違い | 利用目的や料金を徹底比較

(2)リハビリテーションの種類

リハビリの専門職(作業療法士や理学療法士)によるリハビリテーションのサービスは、訪問型と通所型の2つがあります。

訪問型(訪問リハビリテーション)

主治医が訪問リハビリテーションの利用が必要と認められた方に、看護師やリハビリの専門職が定期的に自宅に来て、自宅にある生活用品を使ってリハビリを行います。訪問型のリハビリは生活するうえで必要な動きができるようにするためのリハビリです。

サービス提供時間は、20分1コマで、通常40分2コマとなります。通所型と違い、短い時間で、日常用品を使って、リハビリ専門職とマンツーマンで行うのが訪問型の特徴です。

通所型(通所リハビリテーション)

デイサービスのように送迎車でリハビリを行う施設へ定期的に行きます。施設では看護師やリハビリ専門職によるリハビリを集まった利用者が集団で行います。通所型の特徴は、利用者が集団であること、利用時間が3時間以上で長いこと、リハビリの施設なのでリハビリに特化した器具があることなどです。

(3)医療保険のリハビリと介護保険のリハビリの違い

介護保険におけるリハビリテーションには、訪問型と通所型があることを説明しましたが、リハビリテーションは、介護保険だけでなく医療保険のリハビリテーションもあります。

医療保険のリハビリテーション 

医療保険でのリハビリテーションは、病院に入院している時に、自宅への退院にむけて機能を回復させることを目的とし、リハビリ専門職(PT:理学療法士、OT:作業療法士、ST:言語聴覚士)から受けることができるリハビリテーションです。

介護保険のリハビリテーションとの違いは、リハビリを受けられる対象者は年齢制限がないことと、リハビリを受けられる日数が定められていることです。

介護保険のリハビリテーション

介護保険サービスでのリハビリテーションは、自宅または施設でできる限り自立した生活をおくれるようにするために、日常生活全般をリハビリとした機能維持を目的としています。

医療保険でのリハビリテーションとの違いは、介護保険サービスは対象者が要介護認定の要支援または要介護の認定を受けている人です。なお、リハビリを受けられる期間に制限はありません。


理学療法士や作業療法士、言語聴覚士については下記の記事で説明しています。あわせてお読みください。

理学療法士と作業療法士の違い(給料・仕事内容など)言語聴覚士も解説

(4)通所リハビリテーションの過ごし方

通所リハビリテーションでの1日の過ごし方について、説明します。通所リハビリテーションでは利用時間によって料金が異なる場合が多いですが、ここでは大まかに「1日タイプ」と「半日タイプ」に分けてまとめます。

通所リハビリテーションでの1日の流れ(1日タイプ)
①施設に向かう リハビリ施設から送迎者が自宅に来るので、その送迎車に乗ってリハビリ施設へ行きます。
②バイタルチェック 施設に着いたら、看護師からバイタルチェックを受けます。(体温、血圧、脈拍などの確認)
③準備体操

体をほぐすための準備体操をします。

体操は、ラジオ体操を行う施設もあれば、リハビリ向けに考案された体操やご当地体操、施設が考えたオリジナルの体操など、いろいろあります。

④リハビリ 個別のケアプランに従って、リハビリ専門職の指示を受けてリハビリを行います。
⑤休憩・入浴

途中で、水分補給やトイレ休憩をします。

デイサービスによっては、入浴サービスをするところもあります。

⑥リハビリ 再び、リハビリを行います。 
⑦昼食

1日単位のケアプランの人は、昼食をとります。

昼食も、病気や口、歯の状態に合わせて、減塩食、きざみ食、とろみ食などが用意されます。(有料) 

⑧口腔ケア 歯科衛生士などから口腔ケアを行います。
⑨リハビリ・休憩 リハビリ、休憩、おやつタイムなどを行います。
⑩ストレッチ・マッサージ 最後にストレッチやマッサージを受けて終了です。
⑪帰宅 送迎車で自宅に帰ります。

半日タイプの流れもも途中までは1日タイプの流れと同様です。半日タイプではお昼前に帰宅するタイプで、要支援や要介護1など軽度な人は、半日単位でのリハビリでケアプランが作成されている方が多いです。

通所リハビリテーション1日の流れ(半日タイプ)
①施設に向かう リハビリ施設から送迎者が自宅に来るので、その送迎車に乗ってリハビリ施設へ行きます。
②バイタルチェック 施設に着いたら、看護師からバイタルチェックを受けます。(体温、血圧、脈拍などの確認)
③準備体操

体をほぐすための準備体操をします。

体操は、ラジオ体操を行う施設もあれば、リハビリ向けに考案された体操やご当地体操、施設が考えたオリジナルの体操など、いろいろあります。

④リハビリ 個別のケアプランに従って、リハビリ専門職の指示を受けてリハビリを行います。
⑤休憩・入浴

途中で、水分補給やトイレ休憩をします。

デイサービスによっては、入浴サービスをするところもあります。

⑥リハビリ 再び、リハビリを行います。
⑦ストレッチ・マッサージ

半日(3時間程度)単位のケアプランの人は、最後に、ストレッチやマッサージなどを受けて終了となります。

⑧帰宅 送迎車で自宅に帰ります。

*食事やおやつは、施設によって内容や料金が違います。

*施設によって設置されている器具が違うので、体操やリハビリメニューなどはそれぞれ違いがあります。

*入浴サービスは、施設によって行っている所と行っていないところがあります。また、入浴サービスが有料の所と無料の所、機械浴があるところ、無いところ、様々なので、サービスの契約をする前にケアマネジャーを通じて、サービス内容やリハビリの利用料の他に係る費用を確認しておきましょう。

(5)通所リハビリテーションの対象となる人

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

通所リハビリテーションの対象者は、要介護認定(要支援1、2、要介護1~5)を受けている人に限られます。

このため、実質的には原則として65歳以上の方となります。ただし、64歳以下であっても40歳以上で、国が定めた特定疾病を患っている場合(第2号被保険者)も、サービス提供を受けることができます。

(6)サービスを受けられる場所

通所リハビリテーションは、次の施設でサービスを受けることができます

①病院

複数の受診ができて、外来や手術、入院などができる、いわゆる総合病院で、リハビリ病棟やリハビリ施設がある病院でサービスを受けることができます。

設備やリハビリスタッフが充実していること、サービスを受ける方が大人数というのが特徴です。

②診療所・クリニック

外科や整形外科など外来を中心とした診療所やクリニックで、サービスを受けることができます。

病院に比べ、施設やスッタフの規模は小さくなりますが、通院先とリハビリ先が同一というパターンが多いので、医師とリハビリスタッフの連携がとりやすいのが特徴です。

③介護老人保健施設

介護老人保健施設(いわゆる“老健”)は、介護保険サービスの施設としてとして、自宅での生活のために、短期間入所し、介護と医療の両方の面からリハビリを行う施設です。このリハビリ施設で、日帰りの通所リハビリテーションのサービスを提供しています。

介護と医療が一体となっていること、リハビリに特化した施設であること、介護に必要なバリアフリーの施設であることが特徴です。

④その他-整骨院

そもそもは整骨院(接骨院)として、柔道整復師がマッサージや針治療などを行っていた施設が、リハビリに必要な設備を整え、リハビリのサービスを提供しています。

介護予防・日常生活支援総合事業(いわゆる“総合事業”)で、事業所設置規準が市町村ごとに定められるようになり、実質的に規制緩和の効果で、新しく参入してきました。

介護老人保健施設に比べれば規模は小さいものの、少人数制で、きめ細やかな対応や、リハビリ以外のサービス(入浴やおやつ、レクなど)がないのが特徴です。要支援などの経度な方や、必要最低限のサービスを望む方に向いています。

⑤その他-リハビリ特化型施設

ビルの一室やコンビニエンスストアの跡地を利用したデイサービスのような規模で、リハビリに特化したサービスを提供する施設です。特に最近では、全国的にチェーン展開をしている事業所も増えているので、引っ越ししても同じ系列の事業所からサービスを受けられることも可能です。若いスタッフが多く、店構えも明るい色を使っており、若々しいのが特徴です。

(7)通所リハビリテーションの費用

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1896829

サービス提供してくれる施設の種類が豊富で、生活に必要な身体機能を維持するための通所リハビリテーションですが、気になる費用について説明します。

費用に関係する項目

費用は、体の状態やサービスを受ける時間、サービスを受ける際の目標など、いくつかの項目から積算しています。要介護1~5は、国の統一基準となっていますが、要支援1、2は国の統一基準を使っている市町村と、独自の基準を設けている市町村があります。ご利用の際には、ケアマネジャーやお住いの市役所にご確認ください。

要介護認定

認定区分(要支援1、2、要介護1~5)によって、費用が変わってきます。

要支援1が一番低く、要介護5が一番高くなっています。

サービス提供時間

要介護は、3時間以上4時間未満、4時間以上5時間未満、5時間以上6時間未満、6時間以上7時間未満、7時間以上8時間未満と細かく設定されています。

要支援は、市町村によって基準が違いますが、半日(1時間以上3時間未満)と1日(3時間以上)に分けている市町村が多くなっています。

事業所規模

サービスを提供する事業所の利用者の規模(通常規模、大規模Ⅰ、大規模Ⅱ)によっても、費用が変わります。通常規模は費用が低く、大規模Ⅱは費用が高くなっています。

加算の有無

初めの3つは、サービスを利用するにあたり負担する固定費用ですが、④の加算はサービスを受ける人の身体状況によって変わる費用です。

①入浴介助 入浴サービスを提供する際の加算
②理学療法士等体制強化加算 理学療法士などリハビリ専門職を手厚い配置をしている事業の加算
③短期集中個別リハビリ加算 身体機能の課題があり、短期的・集中的に個別のリハビリを提供する場合の加算
④認知症短期集中リハビリ加算 認知症を患っている方へのサービスを提供する場合の加算で、利用開始から一定期間のみ加算
⑤栄養改善加算 栄養面に課題があり、課題の改善をするためのサービスを提供する場合の加算
⑥口腔機能改善加算 口腔機能に課題あがり、課題の改善をするためのサービスを提供する場合の加算
⑦リハビリテーションマネジメント加算 リハビリの成果や評価を定期に行い、サービスを提供する場合の加算

以上のように、サービスを提供する事業所の規模とサービスを受ける人の身体状況、提供時間、各種加算によって、サービスの費用(総額)が決まります。サービスを受ける人は、この総額の自己負担分(所得に応じて1~3割)を月単位で支払います。

シュミレーション

要介護3、通常規模の事業所、週2回利用、利用時間は3時間以上~4時間未満、東京都新宿区在住、リハビリテーション加算あり、自己負担2割の場合

要介護3で3時間以上4時間未満の1回の単位(596単位)×週2回×月4週×級地(新宿区は1級地:10.90)=51,971.2円  

これにリハビリテーションマネジメント加算(月330単位)×級地(新宿区は1級地:10.90)=3,597円を足すと、月の総額が55,568円となります。

このうち自己負担2割負担なので、利用者が払う金額は月11,114円となります。

なお、施設で食べる食事台やおやつ代は全額自費になります。

*単価は数年おきに改定されます。

*級地は、お住いの区市町村によって変わります。

*食事代やおやつ代は施設によって変わります。

後から、支払う金額が思った以上の金額で驚かないように、予め、ケアマネジャーに確認しておきましょう。

具体的な料金

要介護の場合の基本金額や加算の金額は、国が定期的に定める基準表をご覧ください。

厚生労働省のホームページ

要支援の場合の基本料金は、お住いの市役所か、担当のケアマネジャーにご確認ください。   

(8)通所リハビリテーションのメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2366515

通所リハビリテーションのサービスについて、メリットを3つご紹介します。

専門職がいる

通所リハビリテーションには、国が定める設置基準(人員基準)に従って、リハビリの専門職が配置されています。身体機能のうち、起きる、立つ、歩く、といった基本動作の機能を回復させるための理学療法士や、食べる、歯を磨く、服を着るといった生活に必要な機能を回復させる作業療法士、噛む、飲む、話す、といった口の機能を回復させる言語聴覚士、医療知識を持った看護師または保健士が配置されているので、安心してリハビリに専念でき、また、いろいろなことが相談できます。

設備が充実している

通所リハビリテーションは、リハビリに特化した器具などの設備が充実されているので、一人一人の状況に合った、安全で、効率的なリハビリができます。

PDCA(計画、行動、チェック、改善)で効率的なリハビリができる

介護保険における通所リハビリテーションは、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、事業者が毎回、リハビリの成果、効果を測定し、評価します。

上手くリハビリが進んでいれば、サービスを継続しながら目標値を高め、上手くリハビリが進んでいなければ、関係者間で検討し、リハビリ内容の変更や目標値の変更をします。このため、一人一人の状況に合ったリハビリメニューが可能になります。

(9)通所リハビリテーションのデメリット

通所リハビリテーションのデメリットを2つ紹介します。

リハビリが終われば卒業

通所リハビリテーションは、送迎があり、体の機能回復ができ、仲間も出来て、楽しみに通う人も多いですが、大原則として、リハビリは通うことが目的ではなく、機能回復のための手段です。

このため、課題がある機能が回復すれば、目標に達したという事でサービスは卒業となります。その後、自宅でも介護予防のための運動などを継続できればいいのですが、残念ながら運動不足や体力の衰えから、再びリハビリに通うことが少なくありません。

事業者によって考え方が違う

リハビリテーションのやり方、考え方は、事業所ごとに違います。けが予防のためになるべく少ない負荷でリハビリを行うところ、少しきつめの負荷でリハビリを行うところ、若いスタッフとベテランのスタッフの経験値の違いなど様々です。

いかに自分のスタイルに合った事業所を選べるかが、リハビリを継続していけるかのカギになります。

(10)通所リハビリテーションで専門家の指導を受けて身体機能を回復しよう

昔のリハビリは、「同じことの繰り返しで、辛い作業」というものが多く、途中で投げ出してしまう人もいましたが、最近では、ゲーム感覚でできるリハビリ器具や遊びの要素を取り入れたリハビリ、日々の成果が分かる数値化、入浴サービスやマッサージサービスなど、プチ・スポーツスジムのような楽しみ方や、やりがいが得られる施設が増えてきました。

「年だから、もう治らない」、「リハビリは、つまらない」とあきらめずに、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。

そして、いくつかの施設を見学してみて、自分に合った通所リハビリテーションで専門科の指導を受けて、身体機能を回復しましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!