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【2021年~】マイナンバーカードが保険証として使用可に?改正の背景も

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みなさんは、マイナンバーカードをお持ちでしょうか?今は会社の雇用関係の際の身分証明や、銀行口座を開設する際の身分証明の役割にとどまっているマイナンバーカードですが、今後は、みなさんがお使いになっている健康保険証の機能が付くことになります。マイナンバーカードに保険証の機能が付くことで、どんなメリットがあるのか、どんなデメリットがあるのかをご説明します。
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(1)2021年より、マイナンバーカードを保険証として提示できるように

2021年3月から、病院に行くときに保険証が無くてもマイナンバーカードがあれば、病院側はあなたの保険資格(名前や年齢、医療費の負担割合など)を確認できるようになります。

法案が可決、成立

今年(2019年)2月15日に、菅官房長官が会見で「マイナンバーカード普及に向け、消費活性化策や健康保険証と一体化する施策を取りまとめる」と明らかにしました。そして、会見から3ケ月後の5月15日、マイナンバーカードを健康保険証としても使用可能にするための改正健康保険法が参院本会議で賛成多数で可決し、成立しました。いよいよマイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けて動き出します。

(2)そもそもマイナンバーカードとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/403286

マイナンバーに関する今回の改正内容をお伝えする前に、まずはマイナンバーカードのおさらいをしておきます。

マイナンバーカード事業

マイナンバーカードとは、総務省が「社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用される」ために、2016年1月からスタートした事業です。

マイナンバーとは

この事業の特徴は、日本に住民票があるすべての国民に12桁の番号(マイナンバー)が付けられます。子供から高齢者まで年齢に関係なく番号が付けられます。当然、一人一人が違う番号です。

市役所、都道府県、国の各行政機関は、個人の情報(データ)とマイナンバーをリンクさせ、管理をしているので、行政機関同士の連携を図ることができます。

この番号は、家族は別として、自分以外の誰にも教えてはいけません。

マイナンバーカードとは

マイナンバーが記載されたプラスチック製のカードです。カードはお住いの市役所に行き、手続きをすれば無料で作れます。

マイナンバーカードには、マイナバーの他に顔写真、氏名、住所、生年月日、性別が記載されているので、公的な身分証明書として利用することができます。

マイナンバーカードの目的は

この事業をスタートした目的は、次の3点です。

①国民の利便性の向上

各行政機関が持つ個人情報(データ)をマイナンバーでリンクさせているので、いろいろな手続きの際に必要だった添付書類が省略することができるので、手間が省かれます。

②行政の変化

これまで行政間(引っ越し前に住んでいた市役所と引っ越し後に住んでいる市役所の間、市と都道府県の間、市と国の間など)が縦割りだったため、市民の情報に関するやりとりに手間と時間がかかっていました。

それが、マイナンバーをもって一括で整理できるようになるため、行政機関の間での情報のやり取りが正確に、そしてスムーズに行われるようになることが推測されます。

③公正・公平な社会の実現

所得状況がわかりやすくなる、また、税や社会保障などの不正受給を防止できる

マイナンバーカードのメリット

マイナンバーカードを持つ6つのメリットについて、ご説明します。

①身分証明書

カードに顔や氏名、住所、生年月日が記載されているので、公的な身分証明書になります。

②コンビニで証明書が取得できる

マイナンバーカードには、電子証明書の機能が搭載されているので、住民票や印鑑証明などの証明書を取得するのにわざわざ市役所に行かなくても、コンビニエンスストアや自宅にパソコンを使ってインターネットから取得することができます。

注意点:電子サービスを行っていない市区町村もあるため、利用の際にはまず市区町村のインターネットサイトなどを利用して、電子サービスの有無を確認してみましょう。

③オンライン申請ができる

市役所や税務署などへの申請や手続きは、これまで平日の昼間に市役所や税務署に行かなければいけませんでしたが、マイナンバーカードを使って自宅のパソコンなどからオンライン申請で申請や手続きが可能となります。最近では、税金の確定申告もオンラインでの申請(「e-tax」)などが増えています。

④自分の情報を管理できる

国は、マイナンバーに関するポータルサイト「マイナポータル」を運営しています。マイナンバーカードがあれば、このサイトを利用して行政機関が持っている自分の情報や、市の公金(税金や保険料など)の支払いをクレジットでの決済、行政サービスの申請などができます。

⑤ポイントが貯まる

お住いの市で行っている事業(ボランティア活動や健康づくり事業など)に参加することで、マイナンバーカードに自治体のポイントが貯まります。溜まったポイントは、公金の支払いに使えたり、市の観光ブランド品などに交換、市が指定した商店街の買い物代金などに使うことができます。注:ポイント事業を行っていない市町村もあります。

⑥その他

現在、国ではマイナンバーカードの普及に向けた取り組みを検討しています。

普及率が高まっているスマートフォンに、マイナンバーカードの機能を搭載させることで、スマートフォンで市の申請や、公共施設の予約といった行政の手続きが可能になるなど、いろいろな行政サービスを手軽に利用することが可能になります。

マイナンバーカードのデメリット

便利な機能が多く、メリット感が強いマイナンバーカードですが、デメリットも3つあります。そのデメリットについて、ご説明します。

①変更の手続き

引越しによる住所変更や結婚による名前や戸籍などの変更など、これまでの個人情報の内容に変更が生じた場合は、変更があった日から14日以内に“記載内容変更”の手続きが必要です。手続きはお住いの市役所にマイナバーカードを持って、変更の手続きに行かなければいけません。

ただし、メリットの⑥でご説明しましたが、マイナンバーカードとスマートフォンの連動させる検討をしているので、いずれは、市役所に行かなくても自分のスマートフォンで変更手続きが可能になる日も、そう遠くはないでしょう。

②継続利用の手続き

今まで住んでいた市から他の市へ引越しする場合は、住所の内容を変更するだけでなく、引越し先でもマイナンバーカードが使えるようにするための“継続利用”の手続きが必要です。引越し先に市役所に「転入届」を提出してから90日以内に継続利用の手続きをしないと、マイナンバーカードが失効してしまうので注意してください。ただし、東京都の23区内での引越しと、同じ市内の中での引越しの場合は手続きが不要です。

③有効期限にご注意

マイナンバーカードには有効期限があります。19歳以下は発行から5回目の誕生日まで、20歳以上は発行から10回目の誕生日までがマイナンバーカードの有効期限です。ただし、証明書の発行に必要な電子証明書の機能は年齢に関係なく、発行から5回目の誕生日までとなっています。

5回目の誕生日の前までにマイナンバーカードの更新手続きを行っておくことをお勧めします。

どれもデメリットというよりも、カード特有の更新手続きがあるという程度のものです。

(3)マイナンバーカードに関する今回の改正の背景

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/424016

2021年にむけてマイナンバーカードに保険証機能を持たせるための整備を行っていきますが、なぜ、このタイミングで行うのでしょう。それには、主に4つの背景が影響していると考えられています。

①新規発行の伸び悩み

2016年にマイナンバーカード事業がスタートし、今年(2019年)で3年が過ぎますが、マイナンバーカードの普及率は12.8%に留まっています。今後、行政のオンラインサービスは拡大していきますが、利用者であるマイナンバーカード所有者が1割程度では、せっかく整備したシステムも宝の持ち腐れになってしまいます。

②更新の促進をするため

事業初年度である2016年にマイナンバーカードを作った19歳以下の人は、今年(2020年)の誕生日までに更新手続きが必要となりますが、カードを所有することに魅力を感じないと、カードを更新しない危険性があります。更新申請が少ないと、カードの普及率は今よりさらに下がってしまうかもしれません。

③人口減少・労働力の低下の顕著化

ニュースなどで取り上げられているように、日本では、すでに人口減少による生産人口(15~64歳)の減少が深刻化しています。

このことで、様々な社会問題が近い将来起こると考えられているのです(詳細については、以下リンクを参照ください。)。

人口減少に関する諸問題についてはこちら

2030年問題についての詳しい記事はこちら

→『2030年問題とは | 予想される問題3つと個々人に求められること

2040年問題についての詳しい記事はこちら

→『2040年問題の全貌 |直面する3つの問題、危うい10の仕事など

社会システムのIT化を進めることは、将来的にこの生産人口の減少から生じるこれらの諸問題を解決するための一つの施策なのです。マイナンバーカードは、そのための政策だったのです。

刻一刻と迫るタイムリミットの中で、まずはこのマイナンバーカードの使用率を上げよう、という政府の考えも、今回の改正に関係していると考えられます。

④経済成長への影響

デジタル行政を推し進めることで経済の生産性を高めるために、各国でデジタル化が図られています。お隣の韓国でも、電子申請のシステムが整備されており、税のオンライン申告は9割の利用率と非常に高いものになっています。同じアジア圏内でこれだけの差が生じてしまうと、日本の経済成長への悪影響が懸念されます。

これらのことから、デジタル社会の構築のために、マイナンバーカードを普及させていく必要があります。今回の法改正には、マイナバーカードに魅力をもたせるための政策、という意味合いも込められているといえるでしょう。

では、このような背景を踏まえ、実際にマイナンバーカードに健康保険証機能が加わることで、どんなメリットがあるのでしょう。具体的なメリット3点についてご説明します。

(4)今回の改正がもたらすメリット① 医療費控除の手続きが楽になる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/781708

医療費の自己負担分の支払い額が基準額を超えた場合、税金の負担が軽減される「医療費控除」が受けられます。ただし、この医療費控除を受けるには毎年申請が必要となります。

現状の手続き

医療費控除を受けるには、毎年12月の年末調整の時に所定の用紙に必要事項を書き込み、税務署に提出をしていましたが、現在は、マイナンバーカードを使ってオンラインで申告することができます。

ただし、受診した病院の名称や医療費は自分で入力しなければいけないので、領収書などを残しておかなければいけませんでした。

医療費控除について改めて確認できる記事はこちら

→『医療費控除とは|利用条件/対象となるもの/手続き方法など

2021年3月以降

今後は、マイナンバーカードに健康保険証の機能が加わることで、保険に関するデータをもつ社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険中央会と、マイナンバーのサイトであるマイナポータル、そして国税庁のシステムが連携するので、医療機関名や医療費などが自動入力、自動計算され、簡単に手続きをすることができます。

(5)今回の改正がもたらすメリット② 患者の保険資格をその場で確認できる

医療機関は診療を受ける人がマイナンバーカードを保険証として提示してくれることで、すぐに、最新の、正確な情報を確認することができます。

現状の確認

医療費の本人負担分の支払い額は、健康保険証で確認した資格内容で負担割合を算出し、本人に請求します。しかし、その保険証が資格を失って本来は効力がない場合や、資格要件の内容が変更した場であっても、医療側は最新情報が分からないため、結果として誤った請求を行い、後でその間違いに気づくことがあります。これにより事務手続きが煩雑になったり、医療費の未回収が発生してしまいます。

2021年3月以降

今後は、マイナンバーカードに健康保険証の機能が加わることで、住民情報や課税情報、最新の資格要件などが、すぐに、そして正確にわかるので、誤った請求がなくなり、大幅な事務負担の軽減が見込まれます。

(6)今回の改正がもたらすメリット③ 保険情報が変わっても、新しく保険を保険証発行する必要がなくなる

引っ越しで住所が変わったり、結婚なので名前が変わると、保険証の個人情報にそれらの変更を反映させる必要があるため、そのための手続きを行います。

現状の確認

紙の保険証の場合、資格要件が変わると、市役所の窓口に行って手続きをしなければいけません。また、手続きをしても新しい保険証を発行し、自宅に送られてくるまで数日かかってしまいます。

2021年3月以降

今後は、マイナンバーカードに健康保険証の機能が加わることで、自宅のパソコンやスマートフォンから変更の手続きを行うことができ、すぐにカードの電子証明の機能に反映されるので、紙のような申請から発行までのタイムラグはありません。常に最新の情報となっています。

(7)今回の改正に対する不安の声も

マイナンバーカードに保険証機能が加わると、カードを使う人も、医療機関や行政機関も便利なことが増えますが、一方で今回の改正に対して不安視する声もあがっています。

プライバシーの問題

1枚のカードですべての手続ができるというのは便利ですが、すべてが1枚のカードで管理されているという考え方もできます。成人や高齢者だけでなく、子どもや外国人も管理が一元化されてしまうのです。

紛失した時のリスク

マイナンバーカードに保険証機能が付くので、マイナンバーカードを持ち歩くことが増えてきます。もし、そのカードを盗まれたり、紛失してしまったら、、、、カードには、名前や住所、生年月日の他に、結婚や離婚などの戸籍情報や、所得などの税情報、医療情報などが集約されているので、悪用されてしまうと大変です。管理は自己責任なので、マイナンバーカードを持つことはリスクを持つことになります。

そもそも政府に対する信頼が十分でない

マイナンバーカードの所持率は12.8%です。約9割は「必要ない」と考えている人です。にもかかわらずあの手この手の方策でマイナンバーカードの所持率を上げようとするのは、なぜなのか、と疑心暗鬼になってしまう人も多いようです。

マイナンバーカードから得られる情報が増えていっても、それを管理し、活用する政府に対して国民が信頼を置いてさえいれば、利便性向上などの適切な目的においてのみ、マイナンバーカード利用に対するハードルは低くなるでしょう。

しかし、昨今報道されているような様々な問題を通し、国民の信頼を失っている部分も指摘できるのではないでしょうか。政権争いに使用されるくらいなら、マイナンバーカードなど持たなくていい、という声は残念ながらかなり大きくなっているといえるでしょう。

(8)もしマイナンバーカードを紛失してしまった場合、どうすればいいのか

マイナンバーカードは、身分を証明する大切なカードです。もしもマイナンバーカードを紛失してしまうと、誰かに悪用される危険性があります。まずは、利用の停止に関する手続を行ってください。手続きは次の3点です。

  1. 個人番号カードコールセンター(0570-783-578・平日8:30~22:00、土日祝9:30~17:30*年末年始除く)に電話をして、一時的に利用の停止を依頼します。
  2. 警察署に遺失届をだします。
  3. お住いの市役所のマイナンバーカードを取り扱っている部署(「市民課」や「住民課」など)に紛失届を提出します。

マイナンバーカードの再発行には、警察署の遺失届の受理番号と市役所に設置してある紛失届、再交付申請書、身分証明書、再交付が2回目以降の場合は手数料がかかります。再発行の手続から再交付までは3~4週間程度かかります。

(9)もし保険証を紛失してしまった場合、どうすればいいのか

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2370965

保険証も医療サービスを受ける際には、なくてはならない大切なものですが、マイナンバーカードのように単体で、身分を証明するまでの効力はなく、マイナンバーカードに内蔵されている個人情報が詰まっているチップもありませんが、もし紛失した場合は速やかに次の手続を行ってください。

  1. 警察署に遺失届をだします。
  2. お住いの市役所の保険証を取り扱っている部署(「保険課」など)に紛失届を提出します。
  3. 保険証がないと医療サービスを受けたときの医療費の自己負担が全額になってしまうので、速やかに再発行の手続きをしましょう。

提出書類

再発行には、次の物をもって市役所に行き手続きを行います。

  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • マイナンバーが確認できる書類(通知カードなど)
  • 認印

なお、理由があって市役所に赴くことができない場合は、代理人が再発行の申請を行うこともできます。その際には委任状や代理人の身分証明、印鑑が必要です。

(10)今回の改正をきっかけに、用途が広がるマイナンバーカードの利用を考えてみよう


出典:https://www.photo-ac.com/

マイナンバーカードは、どんどん便利な機能を持つようになります。しかし、便利の裏側には紛失や悪用などのリスクもあります。しっかりカードを保管、そして管理をしてデジタル社会で活用していきましょう。

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