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超高齢社会の定義 | 日本で浮上する問題・今後の展望・対策

社会問題
日本はすでに超高齢社会に突入しており、今後も高齢化によるさまざまな社会問題が浮上してくるとみられています。超高齢社会における課題や対策などについて説明します。
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(1)超高齢社会とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1032554

日本は先進国間でも稀に見るほどの超高齢社会に突入しようとしています。

超高齢社会とは、65歳以上である高齢者人口の割合が全人口の21%以上を占める社会のことを指します。

高齢者人口の割合が7%にあると高齢化社会と呼ばれ、14%以上になると高齢社会と呼ばれます。

一般的に先進国は高齢化率の割合が高くなる傾向があり、スウェーデンやドイツ、アメリカやフランス、イギリスなど多くの先進国で高齢化率が高くなっています。

しかし、そんな中でも、特に日本は他の先進国に先駆け、超高齢社会、すなわち高齢者が全人口の21%以上を占めるという、異常なまでの高齢社会に突入しています。

(2)高齢化の現状

先ほど、日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入していると述べました。日本の高齢化率の現状と今後の将来像についてさらにまとめていきたいと思います。

内閣府のデータによると平成29年10月1日の時点で日本の総人口は1億2,671万人となっており、そのうち65歳以上の数は3515万人にも上り高齢化率は27.7%で超高齢社会といえます。

高齢者を支える現役時代の数も大きく変遷している。1950年には高齢者1人にあたりに対して12.1人で支える計算だったものが2015年には2.3人で1人の高齢者を支える状況になっており、2065年には1.3人当たり1人の高齢者を支える計算になります。

また少子化も同様に起きているため今後は総人口も減少を続け2053年のころには1億人を下回っていると見込まれています。

(参考:内閣府『平成30年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)』)

(3)超高齢社会の原因

日本が超高齢社会と呼ばれる状況にあるその理由は、決して1つではなく、様々な要因が複雑に絡まった複合的な状況があるといえます。

そのあらゆる要因の中でも、主なものを、以下3つに分けて説明していきます。

戦後のベビーブームの影響

まず1つ目には第2次世界大戦後の高度経済成長で日本の暮らしぶりは格段に飛躍しました。その頃に出生率が大幅に上昇したベビーブームという時代があります。今現在、この団塊の世代と呼ばれる人たちが高齢者となる時代を迎えており高齢者の人口が増えています。

医療技術の発達

そして、そのベビーブームの時期に出生された方々の中で、現在も健康に過ごしている方が多いことも一つの理由です。医療技術等の進歩が飛躍的に向上したことなどもあり平均寿命が延びているということがあります。

現在の少子化の傾向

そして、2019年現在、ベビーブームとは反対に現在は出生率が低くなっており少子化が進んでいます。

これらをまとめると超高齢社会の要因としては、高齢者となる世代の人数が多く、その人たちの平均寿命も延びているが、新しく生まれる人や若者の数が少ないことで高齢者の割合が増えているといえそうです。

(4)超高齢社会の問題点① 労働者人口の減少

超高齢社会において、もっとも問題視されている問題の一つが、労働人口の減少です。

実際に、2030年を迎えるころには日本の人口の3人に1人が、仕事をすでに引退した高齢者になると予測されるほどの労働人口の減少が引き起こすであろう問題が、「2030年問題」と総称されているほどです。

2030年問題についてのより詳しい記事はこちら

→『2030年問題とは | 予想される問題3つと個々人に求められること

それに伴い労働力となる生産年齢人口は現象をたどり、労働力不足や経済成長の鈍化が発生します。

特に介護分野は高齢者の増加に伴いニーズが増えることが予想されますが、現時点でその労働人口は不足しています。

このままでは今後さらに介護分野の労働者人口の不足は深刻化することが予想されています。

介護分野のほかにも、航空業界、IT業界、観光業界などでも労働者人口の不足が顕在化しており、今後が懸念されています。

(5)超高齢社会の問題点② 高齢者貧困の深刻化

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2396508

超高齢社会の問題点をもう一つ上げると高齢者の貧困が深刻化する可能性があるという点です。それについて説明します。

高齢者の生活を支える年金制度は、賦課方式という方法がとられています。これは自分の年金を自分で積み立てるのではなく、現役世代の年金保険料で高齢者の年金支給が行われるという仕組みです。

年金を収める現役世代の人数が充実していれば、その分年金制度も安定します。

しかし超高齢社会の日本においては受給対象である高齢者の人数が多いうえ、その年金を支える現役世代の人数が少ない状況になります。

2014年で高齢者1人を2.2人で支える計算になっていますが2025年には1人の高齢者を支える人数は1.8人になる見込みです。

受給対象者の増加とそれを支える現役世代の人数の減少は、そのまま支給される年金減額などの可能性にもつながっていきます。

年金の開始が遅れたり、減額されるということは、年金以外の収入がない高齢者にとっては生活費がままならなくなるということであり、貧困の深刻化が予想されます。

(6)超高齢社会の問題点③ 老老介護と認認介護の増加

老老介護や認認介護の増加

超高齢社会の問題点として、他には老老介護や認認介護の増加ということが挙げられます。

老老介護について、より詳しい記事はこちら

→『増えている老老介護 | 認認介護に発展する危険性も・原因や対策

その課題の背景には超高齢社会と合わせて、少子化・核家族化という影響もかかわってきています。

老老介護化が進むとどのようなことが起きるか

老老介護とは65歳以上の高齢者の介護を同じく65歳以上の高齢者が行うことを指します。

老老介護の問題点としては、介護者への肉体的な負担はもちろんのこと、体の自由が利かなくなっているため事故などのリスクも高まっています。

その他、その身体的なストレスから要介護者への虐待のような行為に結びつく可能性などもあります。

無理がたたって二人とも要介護状態になる共倒れ状態へとつながる危険性をはらんでいます。

老老介護の先、認認介護とは?

老老介護の中でも、認知症の要介護者の介護を、同じく認知症の介護者が行っている状態と認認介護といいます。

認知症により認知機能の低下が引き起こされている状況下では、記憶障害や判断や認識する力の低下しているため、食事をしたかどうか排せつの介助をしたかどうかなどがわからなくなることなどが起きます。

その他、金銭の管理能力や公共料金の支払いが滞ってしまうことで、生活の維持や悪徳商法の被害にあう危険性が高まります。

他にも火の不始末や徘徊などに加え、認知症が原因で介護を受けることを強く拒む要介護者に対し力づくで介護することで事故などを引き起こしてしまうなどといった問題点も考えられます。

このような介護の課題の背景には核家族化が進み、高齢者世帯の孤立が起きることにあります。

合わせて、要介護者の年代の方にはほかの方に助けてもらうということに抵抗感を持っていることも少なくありません。その他金銭的な余裕がなく福祉サービスを利用できない状況も見受けられます。

超高齢社会ではさらに老老介護や認認介護といった問題が顕著となっていくことが予想されます。高齢者世帯が孤立しないように家族間で連絡を取り合ったり、福祉サービスについて調べておくといった対策が必要といえます。

(7)超高齢社会への対策① 介護サービスの充実

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2400366

サービスを受けることのできる「場所」と、サービスを提供できる「人(職員)」の数を増やす

超高齢社会に対する対策として、介護サービスを充実させることが挙げられます。

それには福祉サービスを受けられる場所を増やすことそれに携わる介護職員を増やしていくことが必要です。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年に介護や医療分野の労働力不足はさらに深刻化されるとされていて、2018年5月の厚生労働省の発表では2025年に介護職員が34万人不足するとありました。

現在では、資格制度の見直しや外国人労働者の受け入れを増やすなどの対策を行っています。

「介護サービスを充実させる」ということの難しさ

上記のような取り組みから、以前に比べると介護職員の数は格段に増えてはいます。しかし、サービス利用者それと同等以上の勢いで増加しているため、それでも職員の数のほうが不足している状態です。

介護職員の賃金は他業界よりも低く、離職率も高いです。

また介護職員の割合としては40歳以上の女性スタッフが多い状況もあります。

賃金体系などの抜本的なあり方の見直しの他、働き続けやすい労働環境を作っていくことが対越といえます。

(8)超高齢社会の対策② 定年の引き上げ

労働人口を増やすために、定年を引き上げる

その他の対策として定年の引き上げということがあります。

健康寿命も延びてきている背景の中、定年を引き上げ、働くことのできる高齢者を生産人口とカウントするというものです。

そのメリットは、社会的に見ると生産人口を確保し年金などの社会保障を抑えるということがあります。

その他には、今までは定年を過ぎて退職した後は、低い賃金で再雇用され働くということが多くありました。それは高齢者の貧困にもつながるので、高齢者になっても年収を維持できるというメリットもあります。

また働きたいと思っている人も多く、やりがいをもって仕事ができるということで本人の生きがい・健康にもつながっていくのではないでしょうか。

(9)超高齢社会への対策③ 地域包括ケアシステム

その他の超高齢社会の対策として、地域包括ケアシステムというものがあります。

地域包括ケアシステムとは高齢者が住み慣れた地域で最後のときまで過ごせるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援といったサービスが包括的に提供される仕組みのことを指します。

都市部や町村などで高齢化の進み方や特徴・傾向などは異なります。

市区町村や都道県などが主体性をもって特色ある地域包括ケアシステムを作っていくことがその地域をよりよくするために必要なことといえます。

地域包括ケアシステムについて、より詳しい記事はこちら

→『地域包括ケアシステムとは | 仕組み・市区町村ごとの違い・課題など

(10)超高齢社会にどんな問題が起こるのかを理解することが大切

超高齢社会を迎えるにあたって、個人や社会、ひいては日本という国全体として今後様々な課題に直面していくことは、自明といえるでしょう。その際、個人や社会レベルでの適応や対策が必須になります。

悲観的になるのではなく、どのような問題が起きるのかをしっかりと見据え、準備などを進めていくことが大切です。

安心して地域生活を最後まで続けるために、情報やつながりを得ておくことも重要です。

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