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ケースワーカーに必要な資格 | 取得方法やその他推奨資格などを解説

資格
ケースワーカーは、生活に困難をかかえている人の相談に乗り、さまざまな援助を行う福祉職です。ケースワーカーとして働くには、そのために必要な資格がいくつかあります。そのくわしい内容や、取得方法などについて解説していきます。
更新日

(1)ケースワーカーになるには、資格は必要?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2370965

ケースワーカーの仕事とは

病気や障害、高齢、貧困などによって生活に困難をかかえる人たちを個別にサポートしていくことを「ケースワーク」といいます。

ケースワーカーとは、そのような相談援助を行う職業です。

ケースワーカーの勤務場所

おもに

  • 福祉事務所
  • 児童相談所
  • 老人福祉施設
  • 養護施設
  • 精神保健福祉センター

などで生活指導員、相談員として働いています。

ケースワーカーの業務内容

業務内容は、面接員と地区担当員に分かれています。まず面接員が相談者の話を聞き、それに対して援助プランを作成します。それをもとに地区担当員が家庭訪問をして、実際の生活状況からより具体的な提案や、その後の経過観察を行います。

この間、ケースワーカーは福祉の専門家や医師、各機関などと連携したり、法律にもとづいた書類を作成したりします。

ケースワーカーの仕事に必要な資格とは?

これらの業務にあたる際には関係する専門的な知識が必要となるため、ケースワーカーとして働くには、「社会福祉主事任用資格」という資格が必要になります。

また、社会福祉主事任用資格の他にも、所属先や仕事内容によっては、以下3つの資格が必要になることもあります。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 児童福祉司任用資格

(2)ケースワーカーとは、多くの場合「公務員」として働く人を指す

ケースワーカーはソーシャルワーカーなどと重なる部分も多く、職業としてはっきりした定義があるわけではありません。

ソーシャルワーカーについて、より詳しい記事はこちら

→『ソーシャルワーカーになるには?仕事内容・必要資格・取得方法など

現在では、福祉施設で生活指導員や相談員として働く公務員のことを、そう呼ぶのが一般的です。

つまり、ケースワーカーになるには、まず地方公務員試験に合格する必要があるわけです。その後、各自治体の福祉事務所に配属されて、はじめてケースワーカーを名乗ることができるようになるわけです。

必ず希望先に配属される、というわけではありませんが、都道府県や政令指定都市、特別区などでは、あらかじめ一般職と福祉職の試験が別々に分けられています。そのため、合格すれば確実に配属されることになります。

ただし、先述したように、このときかならず必要となるのが社会福祉主事任用資格という資格です。

(3)ケースワーカーになるために必要な資格「社会福祉主事任用資格」とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

社会福祉主事という職種に就くために必要な資格

社会福祉主事とは、生活に困難をかかえた人に対して、面談や生活指導、家庭訪問などを行う福祉職のことです。

この社会福祉主事になるために必要なのが、社会福祉主事任用資格です。

もともとこの資格は、行政の福祉担当者などがより専門的な対応ができるように設けられたものでした。しかし現在では、福祉事務所に配属される者はすべて、この資格を取得していることと定められています。

したがって、ケースワーカーになるには社会福祉士主事任用資格が必要となるわけです。

ただし、この資格はあくまで任用資格なので、取得しただけではその効力はありません。公務員として福祉事務所に配属されたところで、ようやく社会福祉士主事と認められことになります。

(4)社会福祉主事任用資格の取得方法5つ

社会福祉主事任用資格を取得するには、以下の5つのコースがあります。

大学・短期大学

厚生労働大臣が指定する社会福祉に関する科目のうち、3科目以上を履修して卒業すると、資格が得られます。学部は関係なく、指定科目を履修していれば条件を満たします。

ただし、これまでに指定科目が何度か変更されています。すでに卒業している場合は、自分の卒業した年度の規定をよく確認しておきましょう。指定科目と名称が完全に一致しなくても認められる場合もあるので、目を通しておいてください。

通信制

1年間の通信課程を修了すると資格を取得できます。ただし、すでに社会福祉事業に従事している人のみが対象です。

講座は以下の2校で受けることができます。

  • 日本社会事業大学通信教育科(東京)
  • 全社協中央福祉社会福祉主事資格認定通信課程(神奈川)

指定養成機関

厚生労働大臣の指定養成機関で、22科目、1,500時間の課程を履修すると資格を得られます。指定養成機関の多くは専門学校で、2~4年の期間となっています。

こちらも、すでに社会福祉事業に従事している人しか受けられません。

講習会

各都道府県が実施する講習会で、19科目、279時間の課程を履修すると資格を得られます。

すでに社会福祉事業に従事していることが条件で、さらに行政機関ではたらく人を限定、優先している場合も多いです。地域によっては開講していないところもあるので、それぞれ確認してみてください。

資格

社会福祉士、精神保健福祉士の資格は、同時に社会福祉主事任用資格ともみなされます。

したがって、いずれかをすでに取得している場合は、あらためて社会福祉主事任用資格を取得する必要はありません。

(5)ケースワーカーが「児童相談所」で勤務する際に必要な資格

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1381875

児童福祉司につくために必要な資格「児童福祉司任用資格」

児童相談所では、家庭や学校で問題をかかえる児童や保護者に対し、さまざまなサポートを行っています。

そこではたらく福祉職も、ケースワーカーと呼ばれることがあります。業務内容も通常のケースワーカーと同じように、児童や保護者からの相談を受け、専門家と連携して援助プランを作成、実施するといったことが中心です。

それにくわえ、近年大きな問題となっているのが、増加する児童虐待の相談への対応です。その対処として、ケースワーカーは保護者への指導や誓約書を提出させる、といった強力な措置を行なうことができます。そのとき必要となるのが、児童福祉司の資格です。

このことから、児童相談所にはかならず児童福祉司を配属することが定められています。

つまり、児童相談所でケースワーカーとしてはたらくには、社会福祉主事以外にも児童福祉司任用資格も必要となるわけです。

こちらも任用資格なので、社会福祉士主事と同じように、配属されてはじめて児童福祉司を名乗ることができるようになります。

(6)児童福祉司任用資格の取得方法5つ

児童福祉司任用資格を取得するには、以下の5つの方法があります。

1.養成学校+講習会

  1. 厚生労働大臣の指定する養成学校を卒業する
  2. 指定講習会で課程を修了する

以上の2つを満たすと、資格が得られます。

2.大学+実務

  1. 大学あるいは大学院で、心理学、教育学、社会学のいずれかを専攻して卒業する
  2. 指定施設で1年間以上の実務を行う

以上の2つを満たすと、資格が得られます。

3.専門資格

医師、社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格があれば、同時に児童福祉司の任用資格も認められます。

4.関連資格+実務+講習

  1. 関連資格を取得する
  2. 指定施設で一定期間以上の実務を行う
  3. 指定講習会を受講する

以上の3つを満たすと、資格を得ることができます。

なお、関連資格の種類と実務経験の期間は次のとおりです。

  • 保健師、助産師、教員(専修・1種)…1年間以上
  • 看護師、保育士、教員(2種)、児童指導員…2年間以上

5.社会福祉主事+実務

まず、大学や短大で指定科目のうち3科目以上を修了して卒業し、社会福祉主事任用資格を取得します。

その後、以下のうちいずれかの実務経験があれば資格を得ることができます。

  • 社会福祉主事としての児童福祉事業の実務が2年間以上
  • 「社会福祉主事としての児童福祉事業の実務」と「児童相談所の所員としての実務」が合わせて2年間以上
  • 児童福祉事業での実務が3年間以上

(7)その他、ケースワーカーとして取得しておくとよい資格

社会福祉主事任用資格のほかにも、以下の資格があるとケースワーカーとして役に立ちます。

社会福祉士

ソーシャルワーカーになるために必要な資格です。

ソーシャルワーカーの仕事は、身体や経済などにハンディキャップをかかえる人たちの生活をサポートすることです。業務内容がケースワーカーともかさなる部分も多く、この資格を取得すれば同時に社会福祉主事任用資格も得られます。

なお、東京都や特別区では社会福祉士の資格がないと福祉職に就くことができません。そのため、ケースワーカーになるためにも必須となります。

詳しい取得方法については、以下の記事をご参考ください。

社会福祉士の資格取得方法に関する記事はこちら

【徹底解説】社会福祉士の国家試験 | 受験資格、試験科目、申込み手順

精神保険福祉士

精神科ソーシャルワーカーになるために必要な資格です。精神ソーシャルワーカーの業務は、精神障害を持つ人の生活をサポートすることです。

この資格があると、社会福祉主事任用資格も同時に認められます。

取得方法

いずれの資格も、1月下旬〜2月上旬に実施される社会福祉国家試験に合格することで取得できます。

試験を受験するための資格は、福祉系の大学や短大、社会福祉主事養成機関、一般大学などでの履修や、相談援助業務の実務経験で決まります。学歴や科目、期間によって全部で12通りのルートがあります。

資格取得後、登録申請を行うことで肩書として使用できるようになります。

取得方法に関する詳細について確認されたい場合は、以下の記事をご参考下さい。

精神保健福祉士の資格取得方法についての記事はこちら

→『11パターンある、精神保健福祉士の受験資格|取得方法などを解説

(8)ケースワーカーに必要な資格を持つ人は、企業により雇用される場合も

年々高まる、ケースワーカーの持つ能力・知識に対するニーズ

一般的に、ケースワーカーというのは公共の福祉施設ではたらく公務員のことを指します。

しかし、最近では民間企業でも生活相談員を雇用するケースが増えてきました。たとえば、病院によっては専用のケースワーカー室があり、そこで受診や入院、退院後の生活、介護、さらに医療費などのさまざまな相談に乗っています。

このように、福祉関連の企業がケースワーカーを採用するようになった背景には、高齢化による需要の高まりが考えられます。また、精神科の病院でも患者との共生を目指す方針に変わりつつあり、よりケースワーカーの役割が重要になっています。

企業による雇用がキャリアアップにつながるケースも

企業に雇用される場合、多くは正社員となります。しかし、なかには契約社員やアルバイト、パートといった雇用も少なくありません。このように、より自由なライフスタイルに合わせてはたらけるのも特徴のひとつです。

最近では、まず企業で実務経験を積んでおき、社会福祉士やケアマネージャーへのステップアップとする人も増えています。

(9)ケースワーカーの今後

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/972869

こえれからもケースワーカーの需要は高まっていく

先述したように、高齢化社会をむかえ、日本ではケースワーカーの需要が年々高まっています。

すでに、これまでの公共の福祉施設だけではなく、民間の医療や介護などにも活躍の場が広がりつつあります。

なかでも、

  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 障害者支援施設

といった介護施設では相談員不足から、さまざまな雇用形態での求人が増えています。

また、現代人のライフスタイルはとても多様なため、個人の抱える問題はより複雑で難しいものとなっています。これらにうまく対応していくには、今まで以上に幅広い知識と深い専門性がもとめられるようになるでしょう。

このような状況で、今後ケースワーカーの重要性が高まっていくことはまず間違いありません。高いスキルを身につけていけば、さらなる収入や地位のアップにもつながるはずです。

もともと、福祉職は景気などの影響を受けにくい安定性の高い職業です。その意味でも、とても将来性の高い職業のひとつといえるでしょう。

(10)ケースワーカーに関連する資格は様々にある。積極的に取得して、活躍を目指そう。

大前提ではありますが、ケースワーカーになるには、まず公務員試験に合格して福祉事務所に配属されなければいけません。そのために必要となる資格が、社会福祉主事任用資格です。

ほかにも、児童相談所ではたらくなら児童福祉司任用資格が、東京都や特別区ではたらくなら社会福祉士の資格なども必要となります。これらの資格は、その取得自体がケースワーカーとしてのスキルや知識の向上にもつながるでしょう。

ケースワーカーはとても難しい仕事ですが、その分、人を助けるやりがいや達成感に満ち溢れています。自分はケースワーカーとしてどのようにはたらきたいのか?具体的なイメージを持って、必要な資格取得にチャレンジしてみましょう。


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