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カルボーネン法を使って自分に最適な運動を|計算方法、メリットなど

セルフケア
お医者さんから「適度な運動をしましょう」と言われてもどのくらいが適度なのかわからない人は多いと思います。そういった場合にカルボーネン法を使って目標心拍数を計算することによって運動をする際の運動の強度の度合いを見ることができます。 カルボーネン法の計算方法、メリット、カルボーネン法を用いる際のおすすめの運動また、カルボーネン法以外の運動強度を測る指標を解説していきます。
更新日

(1)カルボーネン法とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/443961

健康診断で「肥満や糖尿病の予防のために、少し運動をした方がいいですね」と言われたのと同時に「無理をしない範囲で」と言われたことがある人は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

では、「無理をしない程度で効果がある運動」の範囲はどうすればわかるのでしょうか。

カルボーネン法はそんな時に活用できます。今回は、運動するときの目安となる数値の出し方についてご説明します。

カルボーネン法とは、運動をする際の運動の強度の度合いとして目標となる運動時の心拍数(目標心拍数)を算出方法です。算出には、

  • 年齢
  • 安静時の心拍数

がわかれば誰でも簡単に計算することができます。

カルボーネン法の特徴として、予備心拍数という概念があります。これは、最大心拍数から安静時の心拍数の引いたもので、この数値が算出の基礎となります。

具体的な算出方法を(2)で説明していきたいと思います。

(2)カルボーネン法の計算方法

心拍数予備

カルボーネン法による目標心拍数の計算方法は次のような流れと計算方法で算出されます。

まず、心拍数予備を算出します。

心拍数予備=最高心拍数(220拍-年齢)-安静時の心拍数)

目標心拍数

次に、心拍数予備の50~85%を安静時心拍数に加え、目標心拍数を算出します。

例えば、65歳の方で、安静心拍数が70拍、運動強度を標準の50%の場合だと目標心拍数は以下のように求められます。

  • 心拍数予備=((220-65)-70 )=85
  • 目標心拍数は、(85×50%+70)=112

運動をする際は112拍前後を目標に行うのがベストです。

(3)カルボーネン法を用いるメリット

これよりカルボーネン法を使うメリットは次の3点があげられます。

自分の体力に合った運動強度を設定できる

カルボーネン法の特徴でもある自分の年齢と安静時の心拍数を使った計算式であること、また、運動強度の数値も幅があるので、自分の体力に合った運動強度を設定することができます。

心肺機能の向上を把握することができる

運動を始めた当初はすぐに目標心拍数に達してしまった人も、同じ運動を定期的に続けていくことで、次第に心拍数が上がりづらくなります。これは、運動を続けることで体力がつき、心肺機能が向上したからです。このため目標心拍数に達するためには、段々と運動の強さや量を増やす必要があります。

カルボーネン法を使うことで、自分の体力や心肺機能の向上した結果を把握することができます。

目的別に運動強度を設定可能

「(2)カルボーネン法の計算方法」では、標準的な運動強度(50~85%)を使用しましたが、目標別に最適な目標心拍数を算出することができます。

例えば、運動経験があまりない方や体力に自信のない方は、カルボーネン法の運動強度の数値を35~45%に設定することで、低めの目標心拍数を設定することができます。

その他にも、「ダイエットがしたい!」という方は、カルボーネン法の運動強度の数値を45~70%に設定することで、高めの目標心拍数を設定することができます。

(4)カルボーネン法を用いたシミュレーション

ここでは、具体的に5つのシミュレーションを紹介します。自分に近いケースを見つけて実際に計算してみましょう。

具体的な5つのシミュレーション

50歳の人で、安静時の脈拍が65拍、運動強度を標準の50%に設定した場合

  • 心拍数予備=((220-50)-65 )=105
  • 目標心拍数は、(105×50%+65)=117

50歳の人で、安静時の脈拍が65拍、運動経験があまりなく、運動強度を40%に設定した場合

  • 心拍数予備=((220-50)-65 )=105
  • 目標心拍数は、(105×40%+65)=107

50歳の人で、安静時の脈拍が65拍、ダイエットのために運動強度を60%に設定した場合

  • 心拍数予備=((220-50)-65 )=105
  • 目標心拍数は、(105×60%+65)=128

50歳の人で、安静時の脈拍が65拍、運動経験があり、さらに身体機能を上げるために運動強度を70%に設定した場合

  • 心拍数予備=((220-50)-65 )=105
  • 目標心拍数は、(105×70%+65)=138

65歳の人で、安静時の脈拍が60、拍運動強度を標準の50%に設定した場合

  • 心拍数予備=((220-65)-60 )=95
  • 目標心拍数は、(95×50%+60)=107

カルボーネン法は、年齢や運動強度によって目標心拍数が変わることが一目瞭然です。

(5)カルボーネン法を用いる場合のおすすめの運動

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/322737

世の中には、運動といっても色々な運動がありますが、そのなかでもカルボーネン法を用いる場合のおすすめの運動を2つご紹介します。

ウォーキング

1つ目のおすすめは、効果的にカロリー消費ができる有酸素運動で、肥満防止や高血圧の改善に最適といわれているウォーキングです。速度や歩く距離は、カルボーネン法で算出した目標心拍数を目安に決めることができるので、効果的であり、かつ無理のない運動が行えます。

また、新たな道具や専用の場所などが必要ないという点も、取り組みやすい運動の一つと言えます。

ランニング

2つ目のおすすめは、最近、人気が高まっているランニングです。走るペースや走る距離を、カルボーネン法で算出した目標心拍数を目安に決めて行えば、あなたに合った適度な運動が行えます。ランニングはウォーキングに比べ運動の負荷が高いので、ダイエットやストレス解消などの効果が望めます。

ただし、夏は汗を大量にだすこと、冬は寒さから心臓への負担があること、ひざや足首の筋を痛めやすいといったリスクがあるので、気温を考慮する必要があります。

(6)カルボーネン法以外の運動強度の指標

運動強度についてカルボーネン法のご説明をしてきましたが、運動強度の数値による表し方は他にもあります。

PRE(自覚的運動強度)

1つ目がPRE(自覚的運動強度)です。これは、運動のきつさを自分の感覚をもとに尺度で表したものです。このPREは、6~20の数値で表す“Borgスケール”と、0~10の数値で表す“カテゴリーレシオスケール”の2つがありますが、一般的には“Borgスケール”が用いられます。

METs

2つ目がMETs(メッツ)です。これは、安静時を1と表し、その1に対してどれだけ強い運動をしたかを倍数で表すものです。座って安静にしている状態であれば1METs、歩行であれば3.0METs、エアロビクスは6.5METsになります。

(7)PRE(自覚的運動強度)の測定方法

PREの測定方法についてご説明します。まず、先ほど挙げたBrogスケールから、自分が行おうとする運動の強さを選びます。選んだ数値に10をかけた数値が運動時の目安となる心拍数になります。

例えば、「ややきつい」運動であれば、「13」に10をかけた130が目安の心拍数になります。

(8)METs(メッツ)の測定方法

METsの測定方法は、運動の量(「エクササイズ」)を算出するときに使います。

例えば、3METsの運動を1時間行った場合は、3METs×1時間=3エクササイズ(METs・時)、6METsの運動を30分間行った場合は、6METs×1/2時間=3エクササイズ(METs・時)となります。

なお、厚生労働省が挙げている1エクササイズに相当する運動や生活での活動は次のとおりです。

3 METs 軽い筋力トレーニング20分、バレーボール20分、徒歩20分
4 METs ゴルフ15分、速歩15分、自転車15分、子どもと遊ぶ15分
6 METs 軽いジョギング10分、エアロビクス10分、階段昇降10分
8 METs ランニング7~8分、水泳7~8分、重い荷物運び7~8分

表:厚生労働省「健康づくりのための運動指針」をもとに編集部が作成

表で挙げているとおり、「徒歩」や「子どもと遊ぶ」といった生活の活動も、運動の一部なのです。

(9)最適な運動量はひとりひとり異なる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1814461

“運動”といっても、人それぞれの状況が違います。たとえ年齢が同じであっても、若い時から運動を続けてきた人と運動経験が少ない人では基礎体力が違います。

また、糖尿病などの病気をしているかどうか、体型の違いなど千差万別です。だからこそ個々の状況に応じた適切な運動量の数値が必要なのです。そして、その適切な数値を導き出せるのがカルボーネン法です。

(10)カルボーネン法の仕組みを理解して自分に合った運動量をこなそう

最近のプロスポーツ界は、自分専属のトレーナーを契約し、体調管理やトレーニングメニュー、栄養管理などを行っている選手が増えてきました。自分の体調面を知ってもらい自分にあった指導のもと、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしているのです。

しかし、一般の人は自分専属のトレーナーを契約することはできません。だからこそ、自分のことを一番知っている自分自身が専属トレーナーとなるのです。

さっそく自分に最適な運動量を計算し、運動をはじめてみましょう。

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