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【徹底解説】社会福祉士の国家試験 | 受験資格、試験科目、申込み手順

資格
福祉分野の専門家である社会福祉士になるためには国家試験に合格する必要があります。ここでは社会福祉士を目指している人に向けて、国家試験の受験科目や試験科目、申し込み手続きなどについて詳しく解説していきます。
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(1)社会福祉士になるには

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/610817

福祉関連の資格として有名なものの1つに、「社会福祉士」というものがあります。社会福祉士の仕事は福祉分野全体を対象としているため、仕事の幅が広いことが特徴の1つです。

社会福祉士が行う仕事の中には、社会福祉士資格を持っていなくてもできる仕事もあります。しかし、社会福祉士は名称独占資格であるため、「社会福祉士」の名の下で仕事をする際には資格を保持していなければなりません。

資格を取るためには、まず受験資格を取得し、社会福祉士国家試験を受け、合格する必要があります。

本記事では、その社会福祉士の試験に関して、受験資格の取得方法や試験内容などの情報を説明していきます。

(2)社会福祉士試験の受験資格

社会福祉士の資格を取得するためには国家試験を受けなければなりませんが、その試験を受験するためには、先述したように受験資格を取得している必要があります。

受験資格を満たすためには、大きく分けて次の3つのパターンがあります。

  • 福祉系の大学や短大を経るパターン
  • 一般の大学や短大を経るパターン
  • 大学や短大を経ないパターン

こららをさらに細かくみていくと、次のようにそれぞれ複数の進み方があります。

福祉系の大学や短大を経るパターン

  1. 4年制の福祉系大学で「指定科目」を履修する
  2. それ以外の福祉系大学や短大で「指定科目」を履修し、相談援助の実務経験を積む
  3. 4年制の福祉系大学で「基礎科目」のみを履修し、短期養成施設へ通う
  4. それ以外の福祉系大学や短期大学で「基礎科目」のみを履修し、相談援助の実務経験を積み、短期養成施設へ通う

一般の大学や短大を経るパターン

  1. 4年制大学を卒業後、一般養成施設へ通う
  2. それ以外の大学や短大を卒業後、相談援助の実務経験を積み、一般養成施設へ通う

大学や短大を経ないパターン

  1. 社会福祉主事の養成機関を経て、相談援助の実務経験を2年積み、短期養成施設へ通う
  2. 児童福祉司、身体障害者福祉司、査察指導員、知的障害者福祉司、老人福祉指導主事の実務経験を4年積み、短期養成施設へ通う
  3. 相談援助の実務経験を4年積み、一般養成施設へ通う

なお4年制大学以外の大学や短大を卒業した場合、在学年数と相談援助の実務経験の年数が、合計4年以上なければなりませんので注意が必要です。

短期養成施設は6ヶ月以上、一般養成施設は1年以上通う必要がありますが、通信教育を行なっているところも多くあるので、働きながら受験資格を得ることも可能です。

社会福祉士の一般養成施設に関して、より詳しい記事はこちら

→『社会福祉士一般養成施設とは | 通信もある?実習免除や費用も解説

(3)社会福祉士の試験の難易度はどのくらい?

分野の広さが難関のため、受験資格を取得する過程で学ぶ内容の反復復習が肝要

社会福祉士の国家試験を受けるにあたって気になるのは、試験の難易度です。

先ほども少しお話ししましたが、社会福祉士の仕事は福祉分野全体を対象としているため、非常に広い分野にわたる知識が求められる点が、社会福祉士において最も難しいポイントといえるでしょう。

しかし、社会福祉士の受験資格を取得する過程で学校もしくは養成学校にて専門科目を勉強し学んだことをきちんと復習していれば、それほど難易度が高いとは言えないでしょう。

日々努力していることの積み重ねに加え、計画的に国家試験対策としての参考書や過去問題を繰り返していれば資格習得も夢ではありません。

社会福祉士の国家試験試験申し込み者数や合格率などをみてみましょう。

<第30回社会福祉士 国家試験>

受験者数 43,937人
合格者数 13,288人
合格率 30.2%

社会福祉士の国家試験は毎年42,000~45,000人前後の人が受験し、合格率は30%弱を推移しています。

受験者数のなかには、福祉大学を卒業する人が記念受験として受けている場合や試験に申し込んだものの受験前に諦め当日受験会場に来ない人も含まれていることが予想できるため、厳密にいえば合格率はもう少し高い可能性もあります。

独学で社会福祉士の資格を習得することはできる?

先述したように、社会福祉士の資格取得のためには国家試験をパスしなくてはなりません。ただし、この試験自体の対策については独学でも全く問題ありません。テキストや過去問集、予想問題集なども多数販売されているので、時間さえ確保することができれば合格までのハードルはさほど高くないといえます。

問題なのは、その試験の受験資格を取得するのにある程度時間がかかる、という点であるといえます。

大学や短大を経ずに、実務経験のみでも受験資格を経るルートもあるため、自分に最も合っていると感じる方法で効率よく受験資格を取得することができそうかどうかがカギになると言えるでしょう。

(4)社会福祉士の国家試験における試験科目

社会福祉士の国家試験における試験科目は次のようになります。

  1. 人体の構造と機能及び疾病
  2. 心理学理論と心理的支援
  3. 社会理論と社会システム
  4. 現代社会と福祉
  5. 地域福祉の理論と方法
  6. 福祉行財政と福祉計画
  7. 社会保障
  8. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  9. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  10. 保健医療サービス
  11. 権利擁護と成年後見制度
  12. 社会調査の基礎
  13. 相談援助の基盤と専門職
  14. 相談援助の理論と方法
  15. 福祉サービスの組織と経営
  16. 高齢者に対する支援と介護保険制度
  17. 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
  18. 就労支援サービス、更生保護制度

社会福祉士の国家試験の科目数は第20回(平成20年度)までは13科目群でしたが、第21回(平成21年度)より次の18科目群へと変更になり、分野が広がりました。

(5)精神保健福祉士との共通科目もある?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2019679

精神保健福祉士とは、精神障害をお持ちの方に対する相談業務などを行うことができる国家資格です。社会福祉士とは、専門の分野が被る部分があるため、社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験には共通科目があります。

すでに精神保健福祉士として登録している人が社会福祉士の国家試験を受験する場合、受験申込時に必要な書類を提出すれば次の共通科目を免除することができます。

  1. 人体の構造と機能及び疾病
  2. 心理学理論と心理的支援
  3. 社会理論と社会システム
  4. 現代社会と福祉
  5. 地域福祉の理論と方法
  6. 福祉行財政と福祉計画
  7. 社会保障
  8. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  9. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  10. 保健医療サービス
  11. 権利擁護と成年後見制度

社会福祉士の受験科目が18科目群あるなかで、11科目群が免除の対象となっています。

精神保健福祉士としてすでに登録されている人や登録申請中の人は、くれぐれも免除申請することを忘れないよう、事前に確認して手続きを行うようにしましょう。

精神保健福祉士に関する、より詳しい記事はこちら

→『精神保健福祉士とはどんな仕事?|業務内容/資格取得方法/将来性

(6)社会福祉士の国家試験における合格基準は?

社会福祉士の国家試験の配点は1問1点の150点満点となっています。そして合格基準は次のように定められています。

  1. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
  2. 1を満たした者のうち、以下の18科目群(ただし、(※)に該当する者にあっては7科目群。)すべてにおいて得点があった者。

(※社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定により、精神保健福祉士であって社会福祉士試験を受験しようとする人は、精神保健福祉士との共通科目が免除されるため、配点は、1問1点の67点満点。となります。)

合格するためには1と2の2つの条件をクリアする必要があるので、たとえ総得点で合格基準点を上回っていたとしても、0点の科目群が1つでもあれば合格することはできません。

(7)【最新版第32回】社会福祉士の試験日程などのスケジュール

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/258009

ここでは社会福祉士の試験日程スケジュールについてまとめておきますので参考にしてください。

≪試験日≫

毎年2月上旬(第32回は令和2年2月2日㈰)

≪受験申込の受付期間≫

  • 毎年9月上旬から10月上旬(第32回は令和元年9月5日(木曜日)から10月4日(金曜日)(消印有効)まで

≪試験地≫(第32回)

北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県

≪合否発表≫

  • 3月中旬

なお第32回は令和2年3月13日(金曜日)となっています。

大まかなスケジュールはこのようになっていますが、年によっては変更点が発生することも考えられます。受験を検討されている場合は、小まめに最新の情報を取り入れるようにしておきましょう。

(8)社会福祉士の試験の受験料

社会福祉士の受験料は、国家試験の受け方によって違いがあります。

第31回の受験料を例として載せておきますので、自分が該当する箇所を確認し参考にしてください。

  • 社会福祉士のみ受験する場合:15,440円
  • 社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合:28,140円(社会福祉士:13,980円、精神保健福祉士:14,160円)
  • 社会福祉士の共通科目免除により受験する場合:13,020円

(9)社会福祉士の試験申込み手順

次回にあたる第32回社会福祉士国家試験の受験手続の詳細は、7月下旬案内さました。以下のリンクから請求することができますので、是非ご参考ください。

社会福祉振興・福祉センター『受験申し込み手続き

「受験の手引」の請求

「インターネット」もしくは「郵便はがき」で請求しましょう

受験申込の手続き

決められた受験申込期間内に必要書類を提出しましょう。

必要書類は人によって異なるため、「受験の手引」を確認し、自分に必要なものを揃える必要があります。

受験票受け取り

当然ながら受験するためには事前に漏れなく申し込み手続きを行うことが必要となります。

その際、人によって準備するもの異なってきますので、必ず自分で「受験の手引」をくまなく確認するようにしましょう。

(10)社会福祉士の試験情報を確認しよう


出典:https://www.photo-ac.com/

社会福祉士の国家試験は難しいと思われがちですが、これまで説明してきた通りコツコツと努力をし試験対策を計画的に行えば、働きながらでも合格することも可能です。

来年度の試験を予定されている人、また今すぐには考えていなくても将来的に少しでも社会福祉士の仕事を検討している人は1度社会福祉士の試験情報を確認してみましょう。

自分が今後どのような行動をすればいいのかを知ることで、ぼんやりしていた未来が具体的なものへと変わっていくかもしれません。

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