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生活機能向上連携加算とは|活用事例/算定要件/申請方法など

公的制度
生活機能向上連携加算は介護サービスを提供している事業所に対して行われるもので、利用者の自立生活を促進することを目的とした加算になります。 生活機能向上連携加算を設置した背景、加算対象者、活用機会、申請方法について解説していきます。
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(1)生活機能向上連携加算とは

出典:https://www.photo-ac.com/

自立生活の促進を目的とした加算制度

「生活機能向上連携加算」とは、訪問や通所リハビリテーションなどにて従事するリハビリ専門職と訪問介護事業所が連携した時に算定できる加算です。

この両者が連携をとることで、要介護者の自立に向け、一貫したリハビリ計画を立てられる環境を促進する、という狙いが込められた加算になります。

どうすれば生活機能向上連携加算を算定できるか

この生活機能向上連携加算を算定するための条件については、本記事後半(見出し(6))に詳しく説明しますが、まずは簡単に見てみましょう。

訪問リハビリテーション、もしくは通所リハビリテーション事業所に勤務するリハビリ専門職が利用者宅を訪問する際、訪問介護事業所のサービス提供責任者が同行して訪問介護計画書を作成する必要があります。

また、その後3ヶ月にわたって、リハビリ専門職とサービス提供責任者が、連携して訪問介護サービスを行った場合に限り算定できるのです。

(2)生活機能向上連携加算を設置した背景

生活機能向上連携加算を設置した背景としては、自宅で暮らす利用者の自立生活を促進しようとすることがあります。

例えば、階段で転んで右足を骨折した方の場合を考えてみましょう。この場合、入院治療を終えて自宅に帰っても、以前のように自立した生活が送れないことが予想されます。ここで訪問リハビリテーションの理学療法士が、訪問介護のサービス提供責任者と共に訪問して、機能向上を目標とした助言を行います。

助言を受けて、サービス提供責任者がこの方のアセスメントを実施し、訪問介護計画書を作成すると、生活機能向上連携加算が算定できます。在宅で暮らしていても、関係職種が連携することによって、自立した生活を支援しようとする体制が評価されるのです。

(3)2018年度の介護報酬改定における変化

2018年度の介護報酬改定は、生活機能向上連携加算にも大きな影響がありました。

まず、それまで訪問介護のみであった対象事業者が大きく12事業者まで増えています。次に、連携の対象が広がりました。介護報酬改定前は訪問もしくは通所リハビリテーションの専門職が連携の対象でしたが、改定後はリハビリテーションを行っている医療提供施設の専門職に加え、医師も含まれるようになりました。

そして、一つだった区分が二つに増えています。生活機能向上連携加算は、介護報酬改定によって上記三つの変化がありました。

(4)加算の対象者は

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/650678

生活機能向上連携加算の対象事業者は、以下の12事業者です。

  1. 訪問介護
  2. 定期巡回、随時対応型訪問介護看護
  3. 通所介護
  4. 地域密着型通所介護
  5. 認知症対応型通所介護
  6. 短期入所生活介護
  7. 小規模多機能型居宅介護
  8. 特定施設入居者生活介護
  9. 地域密着型特定施設入居者生活介護
  10. 認知症対応型共同生活介護
  11. 介護老人福祉施設
  12. 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

(5)どのような場合に活用できるのか

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/232833

生活機能向上連携加算はどういった場合に活用できるのか、具体的なケースをみてみましょう。

例えば歩行に困難を伴う方で、近隣の商店まで、歩いて買い物へ行きたいという希望がある場合、理学療法士のアドバイスを受け、訪問介護サービスの中で歩行のための運動メニューを行うなど加算の活用ができます。

ほかには、介護老人保健施設から自宅に戻るというケース。退所にあたって、医師やリハビリ専門職と介護職が連携を図るという活用が期待できます。

また病院へ入院中の脳梗塞右半身麻痺の方が、退院して自宅で生活を始めるケース。右半身麻痺があっても自宅で入浴できるよう、理学療法士と訪問介護が連携して支援を行うといった活用の仕方が可能です。

上記3つのような事例の場合、生活機能向上連携加算を活用して対応することが可能です。

(6)生活機能向上連携加算の算定要件

生活機能向上連携加算の算定要件は、対象事業者により4つあります。

訪問介護、定期巡回、随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護

リハビリ専門職や医師が、利用者の状態を把握したり、動画で確認を行ったりして、訪問介護のサービス提供責任者へ助言を行います。助言を受けてサービス提供責任者は、生活機能向上を目標にした介護計画書を作成することで加算Ⅰの算定が可能です。尚、リハビリ専門職や医師が、利用者宅を訪問した場合は、加算Ⅱとなります。

通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護

リハビリ専門職や医師が、事業所を訪問します。事業所職員と共同して利用者の状態を確認した上で、個別機能訓練計画を作成。作成後も3ヶ月に一度は、計画を変更した方が良いか検討を行います。

特定施設入所者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

リハビリ専門職や医師が、事業所を訪問します。事業所職員と共同して利用者の状態を確認し、個別機能訓練計画書を作成。作成後は機能訓練指導員や、看護職員、介護職員等も協働して、計画書の機能訓練を行います。

認知症対応型共同生活介護

リハビリ専門職や医師が事業所を訪問します。計画作成担当者と共同して、利用者の状態を確認。計画作成担当者が、生活機能向上を目的とした計画を作成します。

(7)生活機能向上連携加算の単位数について

生活機能向上連携加算の単位数について、ご紹介します。

  • 訪問介護
  • 定期巡回随時対応型訪問介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

加算Ⅰは100単位/月、加算Ⅱは200単位/月です。介護報酬改定以前は100単位のみでしたが、加算Ⅱが増えました。

  • 通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 短期入所生活介護
  • 特定施設入所者生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 介護老人福祉施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

200単位/月です。ただし、個別機能訓練加算を別に算定している場合は、100単位/月となるので注意が必要です。

  • 認知症対応型共同生活介護

200単位/月です。仮に3ヶ月の間に、訪問や通所等でリハビリが終了していたとしても、3ヶ月間は算定することができます。

(8)生活機能向上連携加算の申請方法

各自治体により異なるため、まずは各自治体のHPなどで確認が必要

ここでは、生活機能向上連携加算の申請方法について説明します。申請にあたっては、各自治体へ必要書類の郵送、または提出が必要になります。

必要書類やその形式、提出方法などは各自治体により異なるため、まずはインターネットや自治体の福祉課などにて確認しましょう。

必要書類の具体例(渋谷区)

必要な書類について、渋谷区を例にみてみましょう。

  1. 介護予防・日常生活支援総合事業費算定に係る体制等に関する届出書
  2. 介護予防・日常生活支援総合事業費算定に係る体制等状況一覧表
  3. リハビリテーション事業を実施している医療提供施設と連携していることがわかる契約書等(協定を含)の写し

渋谷区では、上記3つの書類が必要となりますので、事前に準備しておきます。生活機能向上連携加算の申請にあたっては、各自治体のホームページなどで、必要書類をよく確認しておきましょう。

(9)生活機能向上連携加算の注意点

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2281990

生活機能向上連携加算を算定する際の注意点について、よく確認しておきましょう。

生活機能向上連携加算を算定している間は、毎月進捗状況を利用者とリハビリテーション専門職へ報告する必要があります。利用者が自立した生活が送れるために、専門職の助言を得たうえで、毎月の確認が必要となります。

ここでポイントは、3ヶ月の間にサービスが終了してしまっても、3ヶ月間は算定できることです。生活機能向上連携加算を算定できるのは、3ヶ月が限度です。それ以降については、改めて訪問介護計画書の作成が必要となるため注意しましょう。

(10)生活機能向上連携加算について理解を深めて申請しよう

生活機能向上連携加算は、利用者の自立を促進するための加算です。介護職がリハビリ専門職等と連携を図ることによって、要介護の重度化を防ぐことが期待される加算です。

介護報酬の改定によって、対象事業者が増えるなど、加算要件が緩和されました。生活機能向上連携加算の算定要件をよく理解して、上手に加算を活用しましょう。また申請については、各自治体への書類の届け出が必要になるため、書類の不備がないようよく確認してから申請を行うようにしましょう。

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