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ケースワーカーの仕事内容|資格・ソーシャルワーカーとの違いなど

資格
憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」を援助するケースワーカー。専門知識とスキルで生活に困っている方、地域を支える仕事です。国民のセーフティネットを守るケースワーカーの仕事内容や資格などについて解説します。
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(1)ケースワーカーとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/143875

生活保護現場で奮闘する新人ケースワーカーを主人公に、現場の実態やそれぞれの人生模様が描かれた『健康で文化的な最低限度の生活』という連続ドラマが放送され、ケースワーカーの仕事や様子が話題となりました。

ケースワーカーとはどんな仕事をしているのか

ケースワーカーとは、生活保護受給者に対して適正に保護費を給付し、求職活動により自立支援を行う生活午後業務を行う職種で、身分は市役所・区役所の公務員となり、町村では都道府県庁職員がケースワーカーをしています。

ケースワーカーは資格?職種?

ケースワーカーという言葉は資格の名称ではなく、業務内容を表しているため、老人福祉事務所や病院、児童相談所などで相談員をしている人のことも含む場合があります。

(2)ケースワーカーの語源でもある「ケースワーク」とは?

「ケースワーク」とは社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)の援助技術ひとつで、日本語で「個別援助技術」と言われます。

解決困難な課題をもったクライエントが主体的に生活できるよう、個別的に様々なアプローチを行い支援、援助を行うことをいいます。

(3)混同されやすい、「ケースワーカー」と「ソーシャルワーカー」の違い

ケースワーカー(CW)と混同されやすい仕事としてソーシャルワーカー(SW)があります。

ソーシャルワーカーは、一般的に社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格をもち、社会福祉の仕事に従事している方をいいます。

ソーシャルワーカーについて、より詳しい記事はこちら

→『ソーシャルワーカーになるには?仕事内容・必要資格・取得方法など

ソーシャルワーカーは主に病院や福祉機関など多岐に渡り、活躍する場所によって呼ばれ方も様々です。

たとえば、社会福祉業議会や社会福祉施設など地域のために働くソーシャルワーカーをCSW(コミュニティソーシャルワーカー)、病院で相談業務に従事しているソーシャルワーカーをMSW(メディカルソーシャルワーカー)といいます。

共通している点は多いものの、仕事の領域が若干異なる

ケースワーカーとソーシャルワーカー両者には明確な線引きはなく、基本的な考えや実際の業務をみてもケースワーカーはソーシャルワーカーの一部で曖昧なため、病院や福祉施設で働いている人もケースワーカーと呼ばれることがあります。

専らケースワークを用いて支援する人がケースワーカー、ケースワークを含めグループワークやコミュニティオーガニゼーションなど様々な社会福祉援助技術を駆使して支援する人を包括した名称がソーシャルワーカーといえるでしょう。

(4)ケースワーカーとして働くには資格は必要?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/815

「社会福祉主事」という資格が必要

福祉事務所で生活保護業務を行う職員は社会福祉法第15条において指導監督を行う所員・現業を行う所員・事務を行う所員と規定されていいます。

ケースワーカーは現業を行う所員にあたるため、社会福祉法第19条の規定により「社会福祉主事」の資格が必要です。

社会福祉主事は、大学や短大などの厚生労働省で指定された社会福祉に関する科目を3科目履修、厚生労働大臣指定の養成機関や講習の修了によって「社会福祉主事任用資格」を取得します。

社会福祉主事について、より詳しい記事はこちら

→『社会福祉主事任用資格とは | 取得方法・仕事内容・活躍の場

※国家資格である社会福祉士・精神保健福祉士についても社会福祉主事の任用資格があるものと見なされます。

社会福祉主事任用資格を取得した後、各自治体の地方公務員試験に合格し、福祉事務所の現業職として配属されることで社会福祉主事の資格を取得となり、ケースワーカーとして仕事をすることができます。

(5)ケースワーカーの仕事内容

ケースワーカーは地方自治体の福祉事務所で働き、福祉サービスを必要としている方の相談援助、救済措置が仕事内容となります。

悩みを聞く

「面接員」であるケースワーカーは生活に悩みを抱える方(生活保護のニーズが必要な方)の相談を受け、ニーズを抽出し、どのような支援や援助が必要なのかを考え、援助方法や種類などを決定します。

具体的な手続きや援助についての説明を行い、「地区担当員」のケースワーカーへ引き継ぎます。

計画・援助をする

地区担当員は面接や家庭訪問により家族構成や資産状況について把握し、生活保護受給や施設への入所などのより具体的な援助方法を計画し、援助をスタートします。

フォローをする

定期的な家庭訪問により援助のモニタリングを行い、本人や生活状況に変化があった場合には援助内容変更や面接記録や報告書など書類作成業務を行います。

(6)仕事の一つ「生活保護受給の相談」とは

出典:https://www.photo-ac.com/

生活保護受給の相談に従事しているケースワーカーの仕事は、面接から生活保護の要否判定、調査や家庭訪問、就労指導など生活保護の受給に関わる業務全般を行い、あらゆる情報から対象者に合った援助方法を講じなければいけません。

生活保護受給のニーズが増えケースワーカー1人で約100世帯を担当しなければならず業務量はかなりのもの。生活保護受給者の中には、本当に生活に困窮し就労意思があるにもかかわらず心身の状態により働けない方もいらっしゃいますが、対応に困る方がいるのも事実です。

ケースワーカーには生活保護受給のニーズに対して、全ての要求を受けるのではなく、できることとできないことを丁寧に説明し、自立支援を促す援助が求められます。

生活保護受給者とケースワーカーの間に起きる問題について知りたい方は、こちらの記事をご参考ください

→『生活保護におけるケースワーカーの役割 | 訪問頻度・業務内容・おすすめの本

(7)ケースワーカーの仕事の魅力ややりがい

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2254483

前述の「生活保護受給の相談」のようにケースワーカーの仕事は「大変」というイメージがありますが、福祉関係の制度や法律など幅広い知識や個別援助技術といった専門スキルを駆使し、生活保護受給者の生活を支え自立支援を行うやりがいのある仕事です。

また、対象者の本当のニーズを引き出すためコミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築しなければいけません。はじめは中々心を開いてくれなくても、面談や訪問を重ねるうちに少しずつ対象者の本音を知り、信頼関係が構築できれば達成感や充実感を味わうことができるでしょう。

(8)ケースワーカーを取り巻く現状・トレンド

多くの担当世帯の支援をする負担が増している

生活保護受給世帯は約163万世帯を超え、1人のケースワーカーの担当世帯が100世帯を超えるケースもあり、心身ともにきつい部分があるでしょう。ケース内容も複雑で多岐に渡り、担当件数が多い場合は多忙を極めます。

人と人とが関わる仕事なので、コミュニケーションがうまくいかない場合などは人間関係でのストレスを感じたり、援助方法に不安を感じたりすることも少なくありません。

複雑化する社会制度へのキャッチアップが重要に

生活保護法だけではなく、介護保険や児童手当など様々な制度についての知識が必要となり日々情報収集や勉強も欠かせないでしょう。

まずは介護保険制度の全体像を把握することをお勧めします。こちらの記事をお読みください→『介護保険サービスとは | 特徴・内容・自己負担額など

(9)ケースワーカーの将来性

社会問題の複雑化から、生活の悩みを相談できるケースワーカーという仕事へのニーズは高まる一方。

高齢社会において生活に困窮する高齢者を支えるケースワーカーのニーズが高まり、今後も生活保護世帯は増加するとされています。

ライフスタイルが複雑化され、生活保護を必要とする方のニーズも多岐に渡り深刻なケースも増えています。

公務員であるケースワーカーは社会的信頼度も高く、リストラの心配もありません。景気の影響も受けにくい福祉業界で働くケースワーカーのニーズはますます高まるため将来性は十分にあるといえるでしょう。

(10)生活保護などを強く支える「ケースワーカー」の活躍が今後も期待されている

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1079572

ケースワーカーは生活保護受給者の「自立支援」を促す福祉のエキスパート。

困っている方の人生を二人三脚で支え、個々に対するコミュニケーションを大切にする仕事です。

今後も増加傾向にある生活保護世帯に対して、より深い専門知識とスキルをもって援助し、様々なケースに対応力できるケースワーカーの働きは重要になるでしょう。

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