介護に関わるすべての人を応援します

作業療法士の年収はいくら?|大卒と短大卒での差や年収を上げる方法

資格
作業療法士の年収は一般的に「低い」と言われることがあります。福祉職の中では、低すぎるわけではありませんが、診療報酬や市場の充足によって年収は上がりづらくなっています。それでは年収をあげるにはどうすればいいのでしょうか。年齢・年次ごとの年収の推移を表で紹介するとともに、作業療法士の年収が伸び悩んでいる原因、また年収を上げるための方法を紹介します。
公開日
更新日

(1)作業療法士の平均年収はいくら?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/959735

平成29年に厚生労働が実施した賃金構造基本統計調査の結果では、作業療法士の月収は28万4100円、平均賞与は63万9900円、平均年収は404万9100円です。

また、

  • 平均年齢が32.7歳
  • 勤続年数は5.7年
  • 労働時間は164時間
  • 超過勤務時間は6時間

となっています。

(2)作業療法士と他の介護職の給料比較

平成29年に厚生労働が実施した賃金構造基本統計調査の結果を参考に、他の介護職として、

  • 福祉施設介護員
  • ケアマネージャー
  • ホームヘルパー

の平均給料と比較してみます。作業療法士の平均年収は他の介護職に比べると高い傾向にあります。

職業

平均月収

平均賞与

平均年収

作業療法士

284,100 639,900 4,049,100

施設介護員

233,600 493,300 3,296,500

ケアマネージャー

265,300 591,200 3,774,800

ホームヘルパー

236,500 297,600 3,135,600

出典:賃金構造基本統計調査

(3)作業療法士の年収は、何によって変わるか

作業療法士の年収は、主に職場の違いと雇用形態の違いにより変動します。

職場の違いでは、病院等の医療機関か福祉関連の施設であるかという点で変動します。一般的には介護施設やデイサービスなどの福祉関連施設よりも、病院等の医療機関の給料が高くなる傾向にあります。また、事業所の規模が大きくなるほど給与は高い傾向があります。

雇用形態の違いでは、正社員か非常勤のパートやアルバイトかという点で違いが出ます。非常勤の場合は時給2千円程度が相場になっています。

(4)作業療法士の年収は年齢と比例する?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2338002

作業療法士の年収と年齢の関係について、平成29年に厚生労働が実施した賃金構造基本統計調査の結果から男女別に年齢階級で以下に示していますが、男女ともに50〜54歳まで年収は比例して増加していきます。

男性

男性では、50~54歳が月収・所与・年収ともに一番高く、そこから金額が下がっていく傾向があります。

年齢 月収 賞与 年収
20〜24歳 24万4200円 35万6000円 328万6400円
25〜29歳 27万3700円 60万8200円 389万2600円
30〜34歳 29万600円 69万5600円 418万2800円
35〜39歳 30万6200円 76万600円 443万5000円
40〜44歳 33万3800円 81万7000円 482万2600円
45〜49歳 34万600円 89万9200円 498万6400円
50〜54歳 40万6800円 98万1300円 586万2900円
55〜59歳 36万4700円 98万1300円 536万2000円
60〜64歳 35万6400円 52万2000円 478万8800円
65〜69歳 22万4500円 31万7900円 301万1900円

女性

女性も、男性と同じく50~54歳に月収・賞与・年収が一番高くなります。また、どの年代も女性の方が男性よりも少し低い傾向にあります。

年齢 月収 賞与 年収
20〜24歳 24万2300円 31万9600円 322万7200円
25〜29歳 26万3200円 62万8500円 378万6900円
30〜34歳 27万5600円 61万7900円 392万5100円
35〜39歳 29万4000円 68万9300円 421万7300円
40〜44歳 30万4900円 85万100円 450万8900円
45〜49歳 33万2100円 93万6900円 492万2100円
50〜54歳 37万3000円 111万900円 558万6900円
55〜59歳 31万6400円 87万7600円 467万4400円

(5)作業療法士の平均年収の推移

作業療法士の平均年収の推移を平成29年に厚生労働が実施した賃金構造基本統計調査の結果より、2013年から2017年の5年分を以下に示します。月収、賞与、年収ともに大きな変動はなく、大きく上がることも下がることもない点が特徴です。

月収 賞与 年収
2013年 27万7300円 63万7400円 396万5000円
2014年 27万4000円 60万9400円 389万7400円
2015年 28万4000円 63万9900円 404万7900円
2016年 28万700円 70万1200円 406万9600円
2017年 28万4100円 63万9900円 404万9100円

(6)作業療法士の平均年収が伸び悩んでいる原因3つ

作業療法士の年収が伸び悩む理由には様々な原因が考えられますが、主なものを3つあげていきます。

主な理由① 診療報酬が決められている

作業療法士の仕事に対して支払われる診療報酬は20分を1単位として時間で決められています。時間で決められているため、生産性が向上しにくく、常に一定の報酬になりやすい構造になっています。

主な理由② 初任給が高い

診療報酬に作業療法士の臨床経験の有無は反映されません。経験の浅い作業療法士でもベテランの作業療法士でも働いた時間分の報酬を得ることができます。

そのため、初任給から高い年収が設定されており、その後の年収が伸び悩む一因になっています。

主な理由③ 作業療法士の人数の増加

平成30年の国家試験で作業療法士の人数は4700人増えました。日本作業療法士協会の調査では約57000人の作業療法士が働いていることを把握されています。

作業療法士の給与の財源の一つである社会保障費の不足や財源確保は社会問題となっています。作業療法士の人数の増加は社会的なニーズによるものである一方で、作業療法士の年収増加につながる財源の確保は難しくなっています。

(7)大卒と短大卒で給与は変わるのか

実は、作業療法士資格を持っていれば、大卒も短大・専門学校卒もあまり給与の違いはありません。

国家資格のため、資格を持っていることが評価の対象となり、給与に違いが出づらくなるためです。

学歴に応じて初任給が異なる場合もあります。しかし、専門学校を卒業して資格を取得した人の方が、大卒の方よりも1年はやく社会に出ることになるため、生涯賃金で考えると大きく差はつかないでしょう。

(8)作業療法士の主な仕事内容

作業療法士は身体面や精神面に問題を抱え、うまく生活することができなくなった人に対してリハビリテーションを実施します。

作業療法士は作業に焦点を当てた関わりにより、対象者の

  • 食事
  • 整容
  • 更衣
  • 排泄
  • 入浴
  • 家事動作等

の応用的動作能力である日常生活動作や社会参加を促進することを目指します。

理学療法士は物理療法や運動療法を手段とした関わりにより、手足の曲げ伸ばしや起居動作、歩行といった身体面の基本的動作の回復を目指しており、作業療法士が関わる応用的動作能力の土台づくりを得意とします。

(9)作業療法士の年収を上げる方法① 経験をもとに、キャリアを柔軟に築く

作業療法士の年収を上げる方法として、1つは今の職場で自分のスキルや仕事を上げる方法です。

自分のスキルや仕事を上げることは、今の職場で年収を上げることにもつながりますが、転職などをして仕事を変える際にも役立つことになります。

今の職場での頑張りは、多くのメリットがあります。

1.知識や経験が増えて自身のスキルアップにつながる

今の職場で努力することによって、自分の能力を上げることができます。これによって会社内外での信頼や評価が得られることがあります。

また、中には今の職場で身に着けた経験やスキルをもとに、外部で勉強会や講演会のようなもので収入を得ているケースも存在します。

さらに言えば、作業療法士としての経験をもとに、大学で常勤講師として教鞭をふるったり、福祉関連で事業を興す人もいるなど、「作業療法士として働く」以外のキャリアにつなげることができるケースもあるのです。

2.施設内で、リハビリ担当などの管理職など、高い地位に就く

同じ職場で長く頑張ることによって、地位が上がったり役職を与えられたりします。それによって年収が上がりますし、仕事の質が違ったりより責任感の強い役職で働くことは、自分の成長につながります。

(10)作業療法士の年収を上げる方法② 転職 

作業療法士の年収を上げる方法の一つに転職があります。

作業療法士は診療報酬が一定のため、同じ職場での給料の上り幅にはある程度限界があるといえるでしょう。そのため、年収を上げるには職場で身に着けた技術をもとに、より良い待遇の職場に転職することも選択肢の一つです。

総合的な転職サイトの他にも、作業療法士や医療系に関する仕事を専門に取り扱っている転職サイトもあります。

作業療法士が転職する際の体験談

実際に、作業療法士の方が転職する際に気になったことや、年収に関する体験談を紹介します。

34歳 10年目 作業療法士 既婚 子供3人 持ち家 年収420万です。県職員の作業療法士求人があり、迷っています。…

-省略-

このタイミングで受けるべきか、公務員だと年収は減ってしまうのか、自宅から遠すぎる場合は単身赴任でも構わないと思っていますが、生活はしていけるのかを不安に思っています。

出典: yahoo知恵袋

作業療法士の転職については、公務員になる(県立などの病院に就職する)という選択肢もあります。一般の公務員のように福利厚生が整っている場合が多いため、人気の職場といえるでしょう。 

(11)作業療法士として転職を考える際のポイント

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2174250

転職を考える際のポイントには、

  1. 友人や知人に聞くこと
  2. 実際に職場を見学すること
  3. 転職エージェントを利用すること

が主に挙げられます。

ポイント① 友人や知人に聞く

作業療法士の活躍できる場所は様々な領域と種類があります。自分とは異なる領域で働いている友人や知人に職場の状況を聞くことで、自分の職場以外の仕事内容に触れることができます。

新しい転職先を探す時の視野が広がるかもしれません。

ポイント② 実際に職場を見学すること

就職情報を確認したり、友人や知人の話を聞くだけでは、実際の職場の雰囲気は分かりません。自分自身が感じた雰囲気が最終的な転職を決める大きなポイントになります。

実際に職場を見学し、現場の雰囲気をつかむことが転職成功にとって重要です。面接の際や、面接前に施設見学を申し出て、実際に見てみるようにしましょう。

ポイント③ 転職エージェントを利用すること

転職エージェントは希望条件に見合った転職先を見つけてくれます。給与の交渉はもちろん、福利厚生の情報や退職金等、転職時の面談で聞きにくいこともエージェントが交渉してくれるため、自分の望む条件を伝えやすくなります。

また、転職時に必要な職務経歴書や履歴書の書き方、面談のポイント等を丁寧に指導してくれます。

(12)作業療法士の年収は、様々な要因で決まる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/961634

作業療法士の年収は、

  • 働く場所
  • 雇用形態
  • 年齢等

の様々な要因で変動します。作業療法士の年収は年齢とともに増加する傾向があります。

転職することで年収が増加する可能性があるので、年収を増加させたい場合は転職活動を考えてみてもよいかもしれません。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!