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【本当に厳しい?】特別養護老人ホームの入所条件・入所基準6選

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本記事では、一般的に厳しいとされている特別養護老人ホームの入所条件や選考基準について、紹介します。法的な入所条件や、特別養護老人ホームの選考基準を知って、対応を工夫しておきましょう。
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(1)特別養護老人ホームには、様々な入所条件がある

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/650678

特別養護老人ホームは、社会福祉法人等が運営する公共性の高い高齢者向けの施設です。介護保険が適用され料金が安く設定されているため、入所希望の方が多いのが特徴です。

入所条件が定められている

しかし、そんな特別養護老人ホームには、様々な入所条件があります。入所するためには基本的にはその条件を満たす必要があります。簡単に条件を説明すると、

  • 特定疾病が認められた40歳~64歳で要介護3以上の方
  • 65歳以上で要介護3以上の高齢者
  • 特例により入居が認められた要介護1・2の方

となりますが、さらに詳しく基準が分けられています。

本記事では、そんな特別養護老人ホームの入所条件について、

  1. 特別養護老人ホーム全体に共通して法的に定められている入所条件
  2. 法的に定められているわけではないものの、施設によっては定められていることのある入所条件

に分け、詳しく解説していきます。

(2)特別養護老人ホームへの法的な入所条件①

特別養護老人ホームの法的な入所条件の一つ目は、65歳以上で要介護3以上であり、かつ感染症などの医療的処置を必要としないことです。

前半部分に関しては、平成27年に法改正があり、特別養護老人ホームの入所対象者として、要介護3以上であることが規定されました。

そして後半部分の「感染症などの医療的処置を必要としない方」です。特別養護老人ホームでは、医師や看護師は基本的に日中しかいません。そのため、通常の病院とは異なり、行える医療行為は限られたものになります。

そうしたことから、感染症やALS(筋萎縮性側索硬化症)など、特別な医療的処置が必要な疾病を患っている方は、特別養護老人ホームへの入所を見送らなくてはならない恐れがあるため注意しましょう。

以下に、「特別な医療的処置が必要な疾病」の一例を挙げていきます。疾病の処置範囲は、施設ごとに異なってくるため、あくまで参考にしてみてください。

「特別な医療的処置が必要な疾病」の例

<施設によっては対応してくれる可能性のある疾病および医療的措置>

  • インスリン注射
  • 人工透析
  • 経管栄養
  • 日中の痰の吸引
  • 常時の点滴
  • 終末期ケア
  • 末期がん

<多くの特別養護老人ホームにとって、対応が困難である疾病および医療的措置>

  • 人工呼吸器の使用
  • 気管切開
  • 感染病
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)

特別養護老人ホームにかかわらず、要介護度によって受けられる介護サービスが変わってくるので一度確認してみてください。

(3)特別養護老人ホームへの法的な入所条件②

特定疾病が認められた要介護3以上で40歳~64歳までの方 

先ほど入所条件として、65歳以上で要介護3以上の方が対象になるとお伝えしました。しかし、40歳から64歳であっても、国が示す特定疾病に該当する方は入所条件を満たします。

入所条件となる特定疾病

特別養護老人ホームの入所条件として示されている特定疾病は、16種類があります。以下に、そのリストを記載します。

16種の特定疾病
  1. がん(末期)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

(出典:厚生労働省『特定疾病の選定基準の考え方』)

このうちいずれかの疾病の診断を医師から受けている場合、40歳から64歳であっても、特別養護老人ホームの入所条件を満たします。

(4)特別養護老人ホームへの法的な入所条件③

特例による入居が求められた要介護1~2の方

特別養護老人ホームの入所条件は、要介護3以上の方が対象となるとお伝えしてきました。しかしながら要介護1や2の方であっても、特例によって入所条件を満たす場合があります。

要介護1~2でも入所条件を満たす特例の具体例

下記に該当する方は、要介護1~2であっても入所条件を満たす可能性があります。

  1. 認知症があること。また日常生活に支障をきたすような症状や行動、意思疎通の困難さが頻繁にある。
  2. 知的障害や精神障害等があり、日常生活に支障をきたす症状が頻繁にみられる。
  3. 家族などから「深刻な虐待」を受けている。そのことによって、心身の安全や安心の確保ができない状態にある。
  4. 単身世帯だが、同居家族が高齢や病弱などで支援を受けることができない。また地域の介護サービスや、生活の支援供給が十分に受けることができない。

上記の1から4のいずれかに該当する方は、要介護1や2であっても特例的に入所が可能となる場合があります。

こちらも、施設により少々異なる場合がありますので、詳しくは、入所を希望する特別養護老人ホームに訪ねてみましょう。

(5)特別養護老人ホームへのその他の入所条件① 入居希望者の住居環境

ここからは、「その他の入所条件」、すなわち、(2)~(4)で説明してきたような法的に共通で定められている入所条件とは異なり、「すべての特別養護老人ホームに当てはまるわけではないが、施設によって個別に定められている場合がある条件」について説明していきます。

まず、特別養護老人ホームのその他の入所条件として、入所を希望される方の住居環境が挙げられます。この住居環境については、要介護者が一人暮らしの場合と、同居家族から介護を受けている場合のそれぞれを考えてみましょう。

当然ながら一人暮らしの場合は、介護サービス等を受けなければ生活が成り立ちません。そのため、特別養護老人ホームへの入所のニーズは高いと考えられます。

一方、同居家族がいる場合は、家族から支援を受ければなんとか生活が成り立ちます。

こういった環境の相違点が入所条件として勘案され、一人暮らしの方の優先度を高くしている施設もあります。

(6)特別養護老人ホームへのその他の入所条件② 入居希望者の家庭内事情

特別養護老人ホームその他の入所条件二つ目は、入居を希望される方の家庭内の事情です。

わかりやすい例として、高齢者夫婦二人で生活している場合を考えてみましょう。介護者が妻である場合、体が小柄であったり、高齢で力がなかったりというケースが多いことから、介護者にとっての負担が非常に重いことが容易に想像できます。

いわゆる老々介護のケースであり、介護者側が他に頼れる存在がいないという深刻なケースも珍しくありません。いつまでもこの状況を続けると、いつか介護者である妻も疲れて共倒れになる恐れがあります。

また、家庭内で、要介護者が家族から介護放棄などの虐待を受けている場合も深刻です。

こういった、老々介護や虐待などといった家庭内の事情が存在する場合も、(かなり特殊なケースではありますが、)特別養護老人ホームへの入所ニーズが高いとみなされるでしょう。

そのニーズをくみ取り、入所基準として考慮している施設も存在することから、上記のような家庭内の事情も一つの入所基準といえるでしょう。

(7)特別養護老人ホームへのその他の入所条件③ 緊急性

特別養護老人ホームその他の入所条件三つ目は、どれくらい緊急性を要しているかです。これは、上記2つの「その他の入所条件」にも当てはまる部分があるでしょう。

介護者が暴力をふるったり、介護放棄があったりするなど、要介護者の生命に関わる事態ではより緊急性が高くなります。対応が遅くなると、要介護者がより危険な状態に晒されるため、迅速な対応が必要になります。

これ以外にも、病院へ入院中で退院を迫られているケースなども考えられます。退院を勧められているが、自宅には戻れず困っている家族も少なくありません。こういったケースも、緊急性があるものとして扱われ、入所選考の際に勘案される場合があります。

(8)特別養護老人ホームごとに入居条件・選考基準を確認する必要がある

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/417780

入りたい特養にあらかじめいくつか見当をつけておく

繰り返しになりますが、今回紹介している入所条件や選考基準は、あくまで一般的なケースとして紹介しています。

それぞれの特別養護老人ホームによって、入所条件や選考基準が微妙に異なる場合があります。そのため、入所申し込みを行う際に、入所条件等についてよく確認しておくことが必要です。

とはいえ、すべての特別養護老人ホームの入所条件を詳しく見ていくのは手間がかかるでしょう。

そのため、特別養護老人ホームへの入居をしたい、と考えたのち、いくつか入所したいホームの候補が見つかったタイミングで確認しておくのがよいでしょう。また、部屋のタイプなどによっても利用料金が異なるので、どのように生活したいのかを考えておくこともお勧めします。

大切なことは、住居環境や家庭内の事情、緊急性などについてはきちんと伝えないと考慮してもらえないということです。相手に伝わらなければ優先順位が下がり、入所するまでに長期間を要する場合もあります。

大変な状況に陥っているという深刻な現状を正確に伝え、入所条件としてしっかり勘案してもらえるようにしましょう。

(9)特別養護老人ホームの平均入居待ち期間

厚生労働省の調査によると、平成28年4月1日時点での特別養護老人ホームの入居待機者数は59万人となっています。特別養護老人ホームの入居待ち期間は、平均でどのくらいなのでしょうか。

入居まで数年かかるケースも

入居までの平均の待ち期間は、数か月から数年と様々です。中には、1年以上待たされるといったケースも珍しくありません。

要介護者の現状を伝えても優先度が高くないと判断されると、入居までに長期間かかってしまう場合があります。入所条件や選考基準については、それぞれの特別養護老人ホームで異なる場合があります。そのため一つだけに絞らず、入所できそうな複数の特別養護老人ホームに入所申し込みを行うなど、対応を工夫しましょう。

入居待ち期間の間の介護はどうすべきか

特別養護老人ホームの入居を待っている間、介護はどのようにしたら良いでしょう。

一つは、訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスを活用することです。特にデイサービスは、全国に43,000施設以上が存在し、要介護者の多様なニーズに応えられるようになっています。

また、ショートステイサービスを利用して、家族の介護負担を軽減できる時間を作ることも大切です。24時間365日の介護生活だと、家族も疲れてしまいます。ショートステイで外泊する時間を設けることで、要介護者も安全な環境で住むことができ、家族もゆっくりする時間をとることができます。

上手に在宅サービスを活用して、無理のない介護生活を送りましょう。

(10)特別養護老人ホームの入所条件を理解して利用しよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2019680

特別養護老人ホームの入所条件は細かく規定されていて、法的にも現状としても入所するには様々なハードルがあります。

入所できそうな施設を複数探して申し込みを行うなど、入所待ちの期間を少しでも短くする工夫をしておきましょう。入所申し込みの際の面談の場では、家庭の現状についてきちんと相手に伝えることも大切です。

入所できるのを待っている間も、家族の負担が少しでも軽減できるよう、在宅サービスを利用できるように気を付けましょう。

今回様々な「特別養護老人ホームの入所条件」を紹介しましたが、要するに「緊急性」が伝わるか、が重要なポイントといえます。本記事や、各施設の資料を参考に、特別養護老人ホームの入所条件への理解を深めてください。

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