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定年退職の年齢が上がる?! 引上げへの3つの措置、再雇用の実態

就職・転職
2025年の超高齢者問題に向け、高齢者安定雇用のための3つの措置が考えられています。安定した老後を送るためにも定年退職後の生活を考え、自分の行動を見直していくことが大事になります。定年退職の年齢や、高齢者安定雇用のための措置3つ、定年年齢の実態などを説明します。
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(1)定年退職の年齢

定年退職の年齢は1986年に「高年齢者雇用安定法」で60歳で定年することを努力義務化としました。その後、再度改正を繰り返し、1994年には60歳未満定年制が禁止(1998年施行)、そして2012年8月には「高年齢者雇用安定法」が再び改正され65歳までの雇用を確保する措置がとられました。

このように雇用する高年齢者を65歳まで安定して雇用することを目的に、政府は「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年制の廃止」のいずれかの措置を検討しています。

(2)定年年齢が変化している背景

今まで60歳であった定年退職の年齢をのばすために、「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年制の廃止」のような措置を政府が検討する背景には、団塊世代が一気に高齢者となる超高齢者時代への突入があります。

2025年以降、4人に1人が75歳以上となり、これまで国を支えてきた団塊世代が給付を受ける側になります。そうすると、医療、介護、福祉サービスへの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れることが懸念されます。

このように団塊世代の高齢化によって懸念される問題を2025年問題といいます。2025年問題はそう遠くはない事柄です。身の回りでどのようなことが起きるのか確認しておくとよいでしょう。

2025年問題についてより詳しい記事はこちら

「2025年問題で医療業界はどう変わる?とるべき5つの対策総まとめ」

  

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1500487

少しでも現役世代を増やし国を支える側の人間を増やすため、厚生年金の支給開始年齢が65歳に変更されたり、定年年齢と年金支給開始年齢のギャップを埋めるために定年年齢も65歳に移行する流れとなっています。

(3)高齢者安定雇用の措置① 定年の引き上げ

現在の「高年齢者雇用安定法」にて定められている継続雇用年齢の上限は65歳ですが、継続雇用年齢を延長し70歳にすると政府は明言しており、定年が70歳にあがる可能性は高いと考えられます。

実際に政府は高齢者を雇いたがらない企業も高齢者を受け入れるように、2019年から高齢者を中途採用した企業に補助金を出すことを定めています。このように定年引き上げの基盤つくりをし、2025年までには定年を70歳に引き上げる可能性が高いと考えられます。

出典:厚生労働省・https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

(4)高齢者安定雇用の措置② 継続雇用制度の導入

この「継続雇用制度の導入」は高齢者雇用安定法にて規定されています。

継続雇用制度とは、企業が雇用する高年齢従業員が希望をすれば全員、定年後も引き続き働くことのできる「再雇用制度」や「勤務延長制度」のことを指します。その際に、定年を60歳に設定している場合は、65歳に引き上げることも定められました。

参考:厚生労働省・https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1.html

また高齢者雇用安定法では、事業主にこれらの継続雇用制度導入や、定年年齢引き上げなどの高齢者雇用に関する措置を義務付けているため、すべての事業所が本制度の導入対象となります。

(5)高齢者安定雇用の措置③ 定年制の廃止

最近では、定年制を廃止する企業も見られています。

これは単純に定年退職がなくなることを意味し、何歳まででも働くことができます。定年退職制度を撤廃すれば、高齢者が働くことができ、その高齢者の方が長く働いて保険料を納める側に回ることが可能になります。それにより医療や介護にかかる財政負担を軽減することができます。

定年制を廃止すれば、財政負担を減らすことができるのでは?と安易に考えがちですが、定年制を廃止しようとする場合、若年層、中堅層、高齢層を公平に扱う制度の確立が必要となります。

ただ長期にわたり働いているからと優遇されたり、若年・中堅層の昇進の機会を奪ってしまっては、会社としてのパフォーマンスの低下に繋がります。そのため制度として確立するには、まだまだ定年制の廃止には時間がかかります。

(6)日本企業の定年年齢の実態

日本企業における現在の定年年齢の実態を見ていきましょう。

まず、グラフから分かるように日本企業で定年制を定めている企業と定めていない企業では圧倒的に定めている企業が多いです。

また、定年制を設けている会社で定年年齢を何歳と定めているかは次のグラフから分かります。

やはり60歳を定年としている会社が約80%と高い割合を占めています。

定年引上げの措置がとられているとはいえ、65歳を定年としている会社は約20%と実際に実践している会社は少ない現状です。

これから高齢化社会、また人生100年時代と言われる日本において、定年の引き上げ問題はとても重要になってきます。多くの企業が定年引上げを実践するために会社、国お互いに協力し合う必要があります。

出典:厚生労働省・https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/17/dl/gaiyou02.pdf

(7)世界の定年年齢の実態

日本の定年は、60歳~70歳の範囲ですが、他の国の定年の年齢について紹介します。

国名 定年年齢 注釈
アメリカ 定年なし 特定職種で定めあり
イギリス 定年なし 2010年4月から定年制は廃止

フィリピン

65歳 法的には65歳だが、60歳でも可能
フランス 65歳 67歳に引き上げ予定
ドイツ 65歳 2029年にかけて67歳に引き上げ
シンガポール 62歳 65歳まで再雇用可能
日本 60歳 継続雇用制度の導入が義務化
韓国 60歳 2016年以降60歳定年に
タイ 60歳 2017年から60歳に
マレーシア 60歳 2013年7月に60歳に
中国 (男)60歳(女)55歳
インドネシア 56歳 2016年から56歳に

このように、定年年齢は世界的に60歳前後が多いですが、先進国では定年制がない国も多いです。また多くの国で近年定年年齢の引き上げが行われていることがわかります。

出典:厚生労働省・https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kaigai/08/dl/02a.pdf

(8)定年退職の具体的な時期

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

定年退職の具体的なタイミングは企業によって異なりますが、大体の場合「誕生日を基準とするパターン」と「年度末を基準とするパターン」が多いです。

企業によって異なるため事前の確認が必要です。

(9)定年退職後の再雇用の実態

高齢者の定年制度の撤廃や、定年後再雇用、60歳以上の労働を政府は推奨していますが、実際のところ雇用環境はどのようなものなのでしょうか?

再雇用の実態としては、ハローワーク等でも高齢者の求人は少ない状況です。また高齢者の再雇用は単純作業の仕事が多く、給与が大幅に下がることが多い現状があります。

そのようにならないためにも、定年退職前に再就職に備えて資格やスキルを身に着けたり、老後のライフスタイルに見合った貯金をしておくなどの対策をすることが必要です。

(10)将来設計を立てよう

定年退職の年齢は少しずつ伸びる傾向にあり、再雇用のための制度も増えています。しかし、65歳になり急に新しいことを始めるということは賃金が下がる可能性が上がるうえ、自分への負担も大きい作業になります。

そのため、安心して再雇用・老後を過ごすためにも若いうちから将来を見据えた行動が大切です。

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