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外的要因の意味 | 内的要因との違い・英語訳・病気別の具体例

テクニック
外的要因には「外部に求められる原因」という意味があり、「内部に求められる原因」を表す内的要因とは逆の意味を持ちます。介護をする際、高齢者の転倒や嚥下などには注意しなければなりまん。また、老化によって引き起こされる老眼などともうまく付き合っていかなければなりません。 介護や老化が原因で引きおこるけがや病気についての外的要因をその対策とともに説明していきます。
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(1)外的要因の意味

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/970138

「外的」という言葉には「そのものにとって、外部に関するようす」という意味があります。また、「要因」という言葉には「何かが成り立つために必要な原因または因子」という意味があります。

つまり「外的要因」は、「外部に関わる原因」、言い換えると「外部に求められる原因」という意味になります。

(2)外的要因と内的要因の違い

「外的」の対義語として、「内的」という言葉があります。「内的」には「内部についての様子」という意味があり、「内的要因」は「内部に求められる原因」という意味になります。

外的要因と内的要因にはその要因が外部に求められるものなのか、内部に求められるものなのかという違いがあります。

例えば、ビジネスにおいて人が成功するにはその人の能力や努力が不可欠ですが、景気やトレンドなどその人の手には負えない、いわば運も重要です。ビジネスで人が成功したとき、能力や努力はその人にとって成功の内的要因で、運は外的要因となるわけです。

(3)外的要因・内的要因は英語で何と言う?

余談ですが、外的要因は英語で"external factors"や"external influences"、"environmental factors"と言います。

それぞれの意味は以下の通りです。

  • external…外部の
  • environmental…環境の
  • factor…要因
  • influence…影響

また、内的要因を英語で言うと、「内部の」を意味する"internal"を使って、"internal factors"になります。

(4)仕事のモチベーションにおける外的要因・内的要因

外的要因と内的要因を整理することで、仕事のモチベーションを維持・向上することもできます。また、転職前に働くビジョンを持つうえでも、外的要因や内的要因を書き出し理解することは役に立ちます。

モチベーションにおける外的要因・内的要因は例えば以下のようなものがあります。

外的要因

  • 給料
  • インセンティブ
  • 賞与
  • 人間関係

内的要因

  • やりがい
  • 楽しさ
  • 達成感

上記のように整理するのはあくまでも一例ですが、自分と向き合い、自分を分析した後だと、転職の際などの志望動機も書きやすくなります。

介護未経験や新卒などパターン別に、志望動機を書く際の重要なポイントについて詳しくこちらも参照してください。

ここまでビジネスにおける外的要因について、幅広く説明してきましたが、以下、介護で気を付けるべき外的要因について解説します。

(5)介護の際に注意すべき「外的要因」とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7532

ここまでビジネスの現場における外的要因を中心に説明してきましたが、介護の現場における外的要因にはどのようなものがあるのでしょうか?

介護の際に注意したいのが、介護を受ける人の生活環境などの外的要因です。

そもそも、年齢やケガ、病気などのように、介護を必要とするきっかけそれ自体の多くは自分では対処しようのない内的要因によるものです。

しかし、周囲の環境という外的要因も大きな影響を与えています。外的要因は、その疾患やケガなどとは直接関係がないものの、間接的には影響を与える要因ですので、これを改善することで介護面でもよい効果が期待できるのです。

介護における外的要因の例を見ていきましょう。

居住空間

居住空間における外的要因に、転倒や段差につまずくことなどが挙げられます。

お風呂場やトイレなど、高齢者の事故が起こりやすい場所では、足腰の筋力が衰えてくると、つまずいたり転倒したりしやすくなります。

食事

食事における外的要因は、食事の内容や唾液不足などが挙げられます。これが原因で、嚥下(えんげ)障害を引き起こすことがあります。

咀嚼や嚥下で使う筋肉は使わなければどんどん弱っていきますので、まずはある程度食べやすい硬さや大きさの食事を用意して少しでも口を動かして食べるように努力してみましょう。

嚥下障害については(11)で詳しく解説していきます。

(6)転倒などの介護事故を引き起こす外的要因と対策

転倒は、立ちくらみや足腰の衰えなどの内的要因のほかに、転びやすい状況という外的要因も影響してきます。

介護事故でも割合が高い転倒は、利用者と介護士の意思の疎通がうまくいかなかったときや転倒しやすい場所で体勢を崩したときなどに発生しやすくなります。

自宅の場合は、足元がでこぼこしている庭が最も多く、次いで居間やリビング、段差のある玄関や階段などが続きます。

そのため、転倒のリスクを減らすためには、次のような対策が有効です。

  • 移動などで介助をするときにどのように動くかをきちんと説明する
  • 段差がなく滑りにくい室内にリフォームする
  • 手すりを付けるなど

手すりの種類を調べたいときや、実際に手すりを選ぶ際はこちらの記事を参照してください

(7)がんの発症・進行における外的要因と対策

発症すると危険性が高いがんは、遺伝や感染などのほかに次のような外的要因も多数あります。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • バランスのとれていない食事
  • 空気中の化学物質

喫煙は肺がんをはじめとする様々ながんの外的要因になりうるばかりでなく、周囲の人も副流煙で発がんのリスクが高まります。

また、過度の飲酒は口腔内や咽頭、消化器系などの発がんリスクを高めるといわれています。

上記二つの習慣とも縁がなく、問題のない生活を送っているつもりでも、栄養が偏っていたり味が濃かったりする食事、高カロリーの食品などは肥満と内臓系の発がんリスクを高めるでしょう。

従って、栄養バランスの取れた食事を摂って酒やたばこを減らし、適度な運動でストレスをためないようにするなど、健康的な生活を送るように心がけることが大切です。

(8)うつ病を引き起こす外的要因と対策

うつ病は、やる気がわかなくなって日常生活に支障をきたす可能性もある病気です。

遺伝的な要因や慢性的な疾患という内的要因のほかに、家庭内や人間関係、ストレスなどの外的要因も大きく関わってきます。人間関係に関しては、家庭内や職場、友人とのトラブル、関係性の急激な変化などがうつ病のきっかけになることが多いです。

また、完璧主義の人であるほど成果が得られなかったときにうつになるケースが多いため、思いつめすぎないように周囲がサポートすることで外的要因を改善し、発症や進行を抑えることができます。

(9)老眼を引き起こす外的要因と対策

高齢者の大半が悩まされる老眼は、近くを見るときにピントを合わせづらくなることが原因です。

加齢によって毛様体の筋力が衰えるなどの内的要因もありますが、近年では若い人でもスマホの使い過ぎでピント調節をする力が弱まり、老眼の症状が出るといった外的要因が確認されています。

また、目の酷使やドライアイ、紫外線なども老眼の外的要因となります。普段からパソコンやスマホを使用するときは定期的に休憩時間を挟み、目薬や老眼鏡などで目にかかる負担を軽減し、サングラスや日傘で紫外線を浴び続けないようにするなどの対処が必要です。

(10)寝たきり状態を引き起こす外的要因と対策

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7512

寝たきり状態になると、介護の必要性が格段に増えます。病気などの内的要因もありますが、高齢になると骨が弱くなってくるため転倒で骨折して動けなくなるケースも多いです。

また、介護の手間を省くためにトイレの介助をせずにおむつを使う、外出する際に発生するリスクを避けるため常に室内で過ごすなどの対応も寝たきりを加速させる外的要因です。筋力や骨の衰えを抑えるためにも、自分で動けるうちは少しでも体を動かすように促しましょう。

その際、転倒しないように手すりや歩行器、バリアフリーの工事などの対応も取っておくと安心です。人付き合いも寝たきりの改善に効果的ですので、同年代で話やゲームができるデイケアなどに参加するのもよいでしょう。

(11)嚥下(えんげ)障害を引き起こす外的要因と対策

嚥下障害とは、食べ物などを上手に呑み込めなくなる症状のことです。一般的には、脳梗塞などの脳血管障害によるまひや神経系の疾患、加齢による筋力の低下などが主な原因と言われています。

この嚥下障害に関しても上記の内的要因に加え、食事の内容や唾液不足などの外的要因も指摘されます。咀嚼や嚥下で使う筋肉は使わなければどんどん弱っていきますので、まずはある程度食べやすい硬さや大きさの食事を用意して少しでも口を動かして食べるように努力してみましょう。

ただし、無理に訓練をすると喉に詰まる恐れもあるため医師と話し合いながら進めていく必要があります。また、口腔内の水分不足も嚥下障害の外的要因となっているため、積極的に水分を摂るように勧めましょう。

さらに詳しく嚥下障害について詳しく解説した記事はこちらも参照してください

(12)腰痛を引き起こす外的要因と対策

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2045551

腰痛は原因のわからないものも多いですが、外的要因として考えられるものもいくつかあります。ヘルニアやがんなどの病気が原因というケースもありますが、筋肉の炎症や神経障害などが痛みを引き起こすケースも少なくありません。

ここから考えられる外的要因としては、高齢化や運動不足、普段の姿勢が悪い、心理的な理由などが挙げられます。

普段は何もないのに急に腰痛になった場合は、病気を疑って受診してみるのもよいでしょう。

しかし、慢性的に腰痛がある、無理をした翌日に腰が痛くなったなどのケースでは、外的要因を改善することで予防することも可能です。例えば、毎日無理をしない範囲で体を動かして筋肉をつける、多いものを運んだり長時間動いたりと体に負担をかけすぎないなど、腰痛を意識して過ごすだけでも違います。

特に動いたつもりがないのに腰痛になるときは、冷えや姿勢、ストレスなども考えましょう。椅子やベッドが自分の体に合っているのか確認したり、ストレス発散に努めたりすることで改善することもあります。

簡単にできる腰痛対策について、動画付きで詳しく解説した記事も参照してみてください

(13)孤独死を引き起こす外的要因と対策

孤独死の直接的な原因は老衰や病気などですが、外的要因も大きく関わります。逆に言えば、外的要因を改善することでたくさんの人を孤独死から守ることができるという可能性があるといえるでしょう。

孤独死の外的要因としては、一人暮らしをしていて周囲との付き合いがないことが挙げられます。普段から家族や周囲の人と交流を持っておけば、困ったときにはお互いに助け合うことができますし、体調が悪い時や倒れた時にもすぐに対処してもらえます。

発見が遅れた結果、命を落としてしまったケースもありますので、普段から本人だけでなく周囲の人も気を付けておくとよいでしょう。

具体的には、家族が頻繁に連絡を取ったリライフログをチェックしたりするのもよいですし、民生委員などの交流がある人が時折様子を見に出向くのもおすすめです。自分で生活できる場合には、毎日見守りサービスがある高齢者向け住宅で暮らすのもよいでしょう。

何かあったときに気軽に話したり助けを求めたりできるように、普段から積極的に周囲の人と付き合うことも大切です。

(14)一見、関係のないような外的要因にも気をつけよう

このように、一見症状とは全く関係がないように見えても大きく影響している外的要因はたくさん存在します。本人に上記のような症状が現れると、つい直接的な原因となっている疾患やケガそのものに目が行ってしまいます。

しかし、これらの外的要因を改善することでいままでよりも利用者のリスクを減らすことができますので、現状で何かできることがないのか常に考えながら行動しましょう。外的要因の場合、本人ではなく周囲の人が改善できるものもたくさんあるのです。

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