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国民年金の満額はいくら?支給額の計算方法・多くもらうためのコツ

公的制度
国民の多くが老後の収入源として期待するこの国民年金ですが、満額でいくらもらえるのでしょうか。また、満額を受給するためにはどうすればいいのでしょうか。 国民年金の仕組みから平均受給額、満額に近づける方法などを解説していきます。
更新日

(1)国民年金の仕組み

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2286474

我が国の公的年金制度には、大きく分けて次の2つがあります。

  • 国民年金
  • 厚生年金

国民年金は「基礎年金」といい、20歳以上60歳未満の全国民が加入する年金で、厚生年金は「被用者年金」といい会社員や公務員などが加入する年金となっています。

国民年金は、老齢・退職によって、または障害によって所得を失った人、生計の担い手の死亡によって所得を失った者に対して一定の所得を保障し、生活の安定を図ることを目的としています。

国民年金は次の3つで構成されています。

  • 老齢基礎年金
  • 障害基礎年金
  • 遺族基礎年金

それぞれ、満額をもらえるとしたらいくらになるのでしょうか?一つ一つ詳しく見ていきましょう。

(2)受給できる国民年金の構成 

老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金についてそれぞれ紹介します。

老齢基礎年金はいくら?

まず、国民年金の中の老齢基礎年金の受給資格・いくらもらえるのかについて解説します。

受給資格

老齢基礎年金は原則として、受給資格期間が10年以上ある人が65歳に達したときに支給されます。

受給資格期間は次のように求めることができます。

    受給資格期間=保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間

10年に1ヶ月でも足りなければ、国民年金の満額はおろか支給そのものがありませんの注意が必要です。

支給開始年齢

支給開始年齢は原則65歳になります。

しかし、被保険者の希望によって60~64歳での繰り上げ(減額)支給、65歳を過ぎてからの繰り下げ(増額)支給を選択することができます。

年金は「長生きのリスクに備える保険」なので、将来のために貯めておこうと考える人は「繰り下げ支給」を、そうでない人や事情により長生きができそうにない人は「繰り上げ支給」を選択するといいでしょう。

自分のこれからを考えたうえで選択することをお勧めします。

障害基礎年金はいくら?

続いて、国民年金のなかの障害基礎年金について受給資格・いくらもらえるのか解説します。

支給要件

次のいずれかに当てはまる場合、支給されます。

  • 初診日において国民年金の被保険者である場合
  • かつて被保険者であり、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の者が、受給資格期間を満たし、障害認定日において障害等級の1級または2級の障害の状態に該当する場合

障害認定の条件

日本年金機構のホームページによると、障害基礎年金の障害認定時に関して次のような記載があります。

「初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)または20歳に達した日に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。」

例えば、初めて医師の診療を受けた日から1年6ヶ月以内に、次の1.~8.に該当する日があるときは、その日が「障害認定日」となります。

  1. 人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日
  2. 人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日
  3. 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日
  4. 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日から起算して6ヶ月を経過した日
  5. 新膀胱を造設した場合は、造設した日
  6. 切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)
  7. 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日
  8. 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日

遺族基礎年金はいくら?

最後に、国民年金のなかの遺族基礎年金について受給資格・いくらもらえるのか解説します。

支給要件

被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき、その遺族に対して遺族基礎年金が支給されます。

ただし、死亡した者が保険料納付済期間が、加入期間の2/3以上あることが条件です。

また、平成38年4月1日以前の場合は、死亡日に65歳未満であれば、亡日に属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうち、保険料の滞納がなければ受けられます。

将来にわたって年収850万円を超えると認められる者には、受給権は発生しません。

遺族の範囲

遺族の範囲は、死亡者の収入により生計を維持していた次の者です。

  • 死亡した者の配偶者であって、子と生計を同一にしている者
  • 死亡した者の子

なお、子とは18歳到達年度の末日を経過している子または20歳未満で1級または2級の障害の状態にある子です(婚姻していないことも要件)。

ただし、子の場合、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき、または生計を同じくする父または母があるときは、その間支給が停止されます。

(3)国民年金の満額はいくら?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1795494

老齢基礎年金の満額はいくらか

老齢基礎年金の額は満額で、年額779,300円です(2018年4月からの年金額)。

この満額は20歳から60歳になるまでの40年間の保険料納付を条件に満額が支給され、保険料未納期間や免除期間があればその期間に応じて減額されます。

障害基礎年金の満額はいくらか

1級障害の場合
779,300円×1..25+子の加算
2級障害の場合
779,300円+子の加算

受給権者によって生計を維持している18歳到達年度の末日を経過していない子、または、20歳未満で1級または2級の障害がある子があるときは、第1子と第2子には1人につき224,300円、第2子以降は1人につき74,800円が加算されます。

遺族基礎年金の満額はいくらか

779,300円+子の加算

生計を同一にする第1子と第2子は1人につき、224,300円が加算されます。第3子以降は、1人につき74,800円が加算されます。

(4)受給できる満額がいくらかは、年により異なる

2018年4月からの年金額は、満額で779,300円/年です。しかし、国民年金の満額は物価や賃金の変動によって毎年変わるため、年によって異なります。

(5)国民年金を満額受給するための条件 

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1608382

満額を受給するためには、20歳から60歳になるまでの40年間の全期間に保険料を納める必要があります。

つまり、60歳前の加入すべき期間に保険料の免除や未納がある場合は、満額の老齢基礎年金を受け取ることはできません。

(6)自身の老齢年金が満額かどうかを確認する方法 

自分の年金記録を確認する方法があります。年金記録の確認は、全国の年金事務所および年金相談センターで行うことができます。また、自宅で年金記録や年金がいくらもらえるのかの年金見込額の確認ができる「ねんきんネット」が便利です。

今すぐ確認したい方はねんきんネットが提供している「かんたん試算」を利用してみてください➡年金ネット かんたん試算

(7)受給金額を満額まで近づける方法 

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2339758

国民年金が発足した1961年4月1日に20歳以上であった者については、60歳に達するまでの全期間について(生年月日に応じて、25年~39年の加入可能年数)保険料を納付すれば、満額の老齢基礎年金が支給されます。

前述のとおり、60歳前の加入すべき期間に保険料の免除や未納がある場合、満額の老齢基礎年金を受け取ることができません。

よって、年金額を満額に近づけたい人は60歳から65歳までの間に任意加入をし、その期間中に保険料を納付することで、場合によっては満額に近い年金支給額まで近づけることが可能です。

(8)国民年金の後納制度に関して 

国民年金の保険料を納めることができる期間は、保険料の納期限から2年間となっていました。

何らかの事情でこの2年間が過ぎてしまい、保険料を後から納める(後納)ことができない人たちの救済のために、法律が改正されて、一定期間であれば後納することが可能でした。

しかし、この後納制度は平成30年9月30日をもってすべて終了しています。

(9)その他の年金すべてを合わせたら満額はいくらになるか

国民年金以外にも、将来受給できる年金は、厚生年金や、公務員の方には「共済年金」などがあります。こういったものをすべて含めると、平均ではいくら受給できるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

総務省の家計調査年報によると、平均的な世帯が受給できる年金の合計は次のような受給額であると指摘されています。

世帯構成     平均的な年金支給額
夫婦世帯 191,880円/月
単身世帯 107,171円/月

老後の生活だけでなく、老後に病などを患った際の治療費やお葬式の費用なども考慮すると、老後に入ってくるお金にはあまり期待できないかもしれません。

たとえ年金を満額もらえたとしても、受給額だけでは将来必要になる金額に及ばない可能性がありますので、老後前に貯金をしておくとよいでしょう。

老後に関わるお金について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

(10)年金受給額のシミュレーション

国民年金と厚生年金に加入している40代独身の場合、もらえる年金額の目安は以下のようになります。

<国民年金と厚生年金に20歳から60歳まで、40年間加入した場合>

在職中の平均月収 国民年金 厚生年金 合計額
25万円 月額 約6.5万円 月額 約7.5万円 月額 約14.0万円
30万円 月額 約6.5万円 月額 約9.0万円 月額 約15.5万円
35万円 月額 約6.5万円 月額 約10.5万円 月額 約17.0万円
40万円 月額 約6.5万円 月額 約12.0万円 月額 約18.5万円
45万円 月額 約6.5万円 月額 約13.5万円 月額 20.0万円

<国民年金と厚生年金に30年間加入した場合>

在職中の平均月収 国民年金 厚生年金 合計額
25万円 月額 約4.8万円 月額 約5.6万円 月額 約10.5万円
30万円 月額 約4.8万円 月額 約6.7万円 月額 約11.6万円
35万円 月額 約4.8万円 月額 約7.8万円 月額 約12.7万円
40万円 月額 約4.8万円 月額 約9.0万円 月額 約13.9万円
45万円 月額 約4.8万円 月額 約10.1万円 月額 約15.0万円

(11)国民年金の受給要件を確認し、将来の満額受給を目指そう

まずは、国民年金の受給要件を確認しましょう。そして、自分が受給要件を満たしているか確認することが大切です。受給要件を満たしているかどうかは、年金事務所に相談に行くか、ねんきんダイヤルに電話して確認することができます。

受給できるかが確認できた後、いくら年金がもらえるのかを確認しましょう。

また、受給できる額は自身の所得、家族形態、景気の動向などで左右されるため正確に予測することは困難です。国民年金だけを当てすることは若干のリスクになるかも知れません。その他の方法と組み合わせるなどして、老後に備えましょう。

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