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限度額適用認定証とは | 高額療養費との関係 ・申請方法・ 注意点

公的制度
多額の医療費を支払う必要がある場合、「限度額適用認定証」を用いることで医療機関の窓口で支払う自己負担額を少なくすることができます。限度額適用認定証を窓口で提出することで、高額療養費制度で規定されている自己負担上限額までの支払いになるからです。限度額適用認定証とはどういったものなのでしょうか。その申請方法やメリットについて知ることで、医療費の負担が軽減します。
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(1)限度額適用認定証とはなにか

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2289828

限度額適用認定証を説明する前に、まず「高額療養費制度」について説明します。高額療養費制度は、医療機関等でのお支払いが高額になった場合に、あとから申請することで自己負担限度額を超えた額が払い戻される制度です。

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【シミュレーター付き】高額療養費制度とは│利用方法/上限額/払い戻されるまでの期間

しかし、その場では高額のお支払いが必要となり、大きな負担になる場合があります。そういった場合に利用できるのが、限度額適用認定証です。

「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口(※1)に提示すると、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口でのお支払いが自己負担限度額まで(※2)となります。限度額適用認定証を医療費の支払いのときに窓口で提示することで、高額な医療費負担を自己負担限度額までに抑えることができます。

また、自己負担限度額は高額療養費制度で決められています。限度額適用認定証について知ることで、月々の医療費負担を軽減することができます。

(2)高額療養費制度と限度額適用認定証の関係

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費が高額で、自己負担限度額を超えたときに払い戻される制度のことをいいます。

高額療養費制度では1ヶ月の自己負担額の上限が定められています。自己負担額の超過分は、高額療養費の支給申請後、3~4ヶ月程度で支給されます。申請が遅れた場合でも、過去2年分を遡って請求できます。

限度額適用認定証を医療費の支払いの際に窓口で提出すると、高額療養費制度で設定されている自己負担上限額を上限とした支払いで済ませることができます。

(3)高額療養費制度の限度額

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2142844

自己負担限度額は、被保険者の収入の状況、年齢によって区分され、いくつかの区分は計算して算出します。

70歳以上の場合

適用区分は現役並みの所得で3区分、一般、住民税非課税等で2区分の6区分です。外来だけの上限額も設定されています。

現役並み所得の場合

年収1,160万以上、標準報酬月額83万以上、課税所得690万以上の場合は、「252,600円+(医療費ー842,000)× 1%」で計算した金額となります。

年収770万から1,160万、標準報酬月額53から79万以上、課税所得380万以上の場合は、「167,400円+(医療費ー558,000)× 1%」で計算した金額となります。

年収370万から770万、標準報酬月額28から50万以上、課税所得145万以上の場合は、「80,100円+(医療費ー267,000)× 1%」で計算した金額となります。

一般の場合

年収156万から370万、標準報酬月額26万以下、課税所得145万未満の場合は、「外来で18,000円(年間上限144,000円)、入院で57,600円」になります。

住民税非課税等

住民税非課税世帯の場合は、「外来で8,000円、入院で24,600円」になります。住民税非課税世帯(年金収入80万以下など)の場合は、「外来で8,000円、入院で15,000円」になります。

69歳以下の場合

適用区分は5区分で外来の規定がありません。

年収1,160万以上の場合は、「252,600円+(医療費ー842,000)× 1%」で計算した金額となります。

年収770万から1,160万の場合は、「167,400円+(医療費ー558,000)× 1%」で計算した金額となります。

年収370万から770万の場合は、「80,100円+(医療費ー267,000)× 1%」で計算した金額となります。

年収370万未満の場合は、「57,600円」で一律の金額となります。

住民税非課税者の場合は、「35,400円」で一律の金額となります。

世帯合算

一人一つの医療機関受診で自己負担限度額の上限に達しない場合でも、同一世帯の医療費を合算して上限額を超過したときは、自己負担上限額の超過分を払い戻すことができます。この際は高額療養費の支給申請する必要があります。

70歳以上の場合、医療費の全てを合算することができます。69歳以下では、一つの支払い区分ごとに21,000円以上の自己負担の場合だけ、合算して申請することができます。

多数回該当

12ヶ月のうち3回以上、自己負担上限額に達した場合、4回目以降は多数回該当となり上限額が下がります。

70歳以上の場合

年収1,160万以上の場合は、「140,100円」で一律の金額となります。

年収770万から1,160万の場合は、「93,000円」で一律の金額となります。

年収370万から770万の場合は、「44,400円」で一律の金額となります。

年収370万未満の場合は、「44,400円」で一律の金額となります。

住民税非課税等の場合は、「適用なし」です。

69歳以下の場合

年収1,160万以上の場合は、「140,100円」で一律の金額となります。

年収770万から1,160万の場合は、「93,000円」で一律の金額となります。

年収370万から770万の場合は、「44,400円」で一律の金額となります。

年収370万未満の場合は、「44,400円」で一律の金額となります。

住民税非課税等の場合は、「24,600円」で一律の金額となります。

(4)限度額適用認定証のメリット

限度額適用認定証があると、一時的にでも高額な医療費を支払わずにすむことになります。一時的とはいえ、高額な医療費を支払うことが難しい世帯も多いでしょう。

また、限度額適用認定証は医療費の支払いよりも前に申請できます。入院や手術の予定がある場合は、事前に交付を受けることで、初月から負担を軽減することができます。高額療養費の申請をする手間が省けることもメリットの一つです。

(5)限度額適用認定証には制限がある

限度額適用認定証は同一医療機関での利用が前提になっています。以下の場合は、高額療養費の支給申請をしなければなりません。

  • 同一月に複数の医療機関を同時に受診していて、合算した支払いが自己負担限度額を超過した場合
  • 同一病院内でも他の診療と歯科診療の合算した支払いが自己負担限度額を超過した場合
  • 入院と外来診療の合算した支払いが自己負担限度額を超過した場合

その他の注意点として、入院の場合の食事代、保険適応外の室料、差額ベッド代、歯科の自由診療等が高額療養費制度の支給対象外となることがあげられます。

所得区分に変更があった場合は、限度額適用認定証を再発行する必要があることも注意が必要です。

(6)限度額適用認定証の申請先

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/740591

限度額適用認定証の申請先は各保険の運営主体です。医療制度には、国民健康保険(国保)国民健康保険組合(国保組合)、協会けんぽ、組合健保、共済組合、後期高齢者医療制度などがあります。

国保と後期高齢者医療制度はお住まいの市区町村の国民健康保険課と後期高齢者医療制度担当窓口に、国保組合、協会けんぽ、組合健保、共済組合は職場を通じて各協会や組合本部に申請が可能です。

(7)限度額適用認定証の申請方法

各保険組合の担当窓口に持参する方法と郵送する方法が2種類あります。申請代行者欄が用意されており、代行申請が可能です。申請するときは限度額適用申請書を作成し、必要書類を準備する必要があります。

(8)申請の際に必要な書類 

各保険組合で用意している限度額適用認定申請書が必要です。窓口に持参する場合は、適用認定対象者の被保険者証、印鑑は用意しておきましょう。本人確認書類として、マイナンバーカードの表裏のコピーが必要になります。マイナンバーカードがない場合は、次の①②の書類を提出します。

  1. 番号確認書類:個人番号通知のコピー、マイナンバーの記載がある住民票、マイナンバーの記載がある住民票記載事項証明書のうちのどれか一つ
  2. 身元確認書類:運転免許証のコピー、パスポートのコピー、その他の官公署が発行する写真付き身分証明書のコピーのうちのいずれか一つ

低所得者は、限度額適用・標準負担減額認定の申請書での申請になります。住民税非課税の場合は被保険者の住民税の課税証明書が必要になります。

申請により生活保護を必要としなくなる方は、限度額適用・標準負担額減額認定該当と、保護却下通知書もしくは保護廃止決定通知書を提出します。長期入院される方は入院期間を証明する書類が必要になります。

国保組合では、世帯全員の所得額がわかる書類(所得証明書など)の原本が必要です。

(9)限度額適用認定証の有効期限

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/802317

限度額適用認定証の申請から最長で1年間が有効期限となります。標準月額報酬の基準額が決定する7月や8月を有効期限としている場合があります。

例えば、協会けんぽ、船員健保は、限度額適用認定証の有効期間は1年間ですが、低所得者の方の限度額適用・標準負担減額認定証は申請月の初日から初めて到来する7月末日が有効期限となります。

(10)医療費が高額になる場合は申請しよう

高額な支払いをしなくて済むことは家計的なメリットがあります。高額療養費制度を申請する手間が省けることも利点です。

金銭面や手続きの面で少しでも負担が軽減することは気持ちの余裕にもつながります。医療費が高額になる可能性がある場合は、限度額適用認定証を早めに申請しましょう。

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