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日本の平均寿命の推移と世界との比較 | 長い原因や延ばすためにできること

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超高齢社会における日本の平均寿命はトップクラスです。長い人生を最期までいきいきと過ごすには、健康寿命をのばすことが大切です。日本がどのように長寿大国となりえたか、もう一度振り返ることで、健康で自立した生活を続けるためのコツを得ることができます。平均寿命の概要や算出方法や、現在の日本の平均寿命のデータなどをはじめ、健康寿命を伸ばすためにできること等までを解説していきます。
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(1)平均寿命とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1814459

平均寿命とは、0歳(出生時)の新生児が平均してこれからあと何年生きることができるかということを示す平均余命のことをいいます。

厚生労働省が毎年公表している平均寿命は簡易生命表によるものです。平成29年に作成、公表された簡易生命表では、日本の男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳となり、前年と比べ、男性は0.11歳、女性は0.13歳上回り過去最高となりました。

これを例えると、平成29年に出生した0歳の女の子について、今のままの死亡状況が維持されるとの仮定の上で、平均して87.26歳まで生きるだろうと予測されたものになります。

テレビを見ながら「私もこれくらいまで生きるのね」と思ってしまいがちですが、この数値は平成28年に亡くなった方の平均した年齢ではありません。

正しい平均寿命を知るには、厚生労働省の簡易生命表「主な年齢の平均余命」から該当する年齢を見て平均余命を調べなければいけません。5歳ごとに年齢が記載されていますので、自分の年齢に一番近いものを当てはめましょう。

(参照:厚生労働省 平成29年簡易生命表の概況)

(2)平均寿命の計算方法

統計学

厚生労働省では、前述した簡易生命表のほかに完全生命表を作成、公表しています。完全生命表は、統計学的に国税調査による死亡数と出生数の人口動態統計(確定数)をもとに5年ごとに作成されています。

寿命中位数

寿命中位数とは、「出生した子供のうち、約半分の子は〇歳まで生きる」と想定したものです。

日本での寿命中位数は、平成27年男性で83.76歳、女性で89.79歳とされています。

(参照:厚生労働省 第22回生命表(完全生命表)の概況

(3)健康寿命との違い

平均寿命と並んで昨今語られるのが「健康寿命」です。健康寿命とは、介護などを受けず、自分で歩き食事を食べ、生活することができるなど「健康的で自立した生活ができる期間」のことをいいます。

実は、日本では健康寿命は、平均寿命と比べて約10年も短いのです(平均寿命比で、男性で約9年・女性で約12年)。

平均寿命が世界のトップクラスの日本ですが、平均して最期の10年前後は介護や支援が必要になったり、寝たきりになったりと健康で生活することができていないといえるでしょう。そのため、最近では、ただ単に長生きをするのではなく、最期まで自立して健康で過ごすことに注目されています。

(4)日本の平均寿命の推移

厚生労働省の簡易生命表では、平成29年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳とされ過去最高の水準であると発表されました。平成28年と比べて男性が0.11歳、女性が0.13歳上回りました。

平成25年から男性が平均寿命を80年連続で超え、年々平均寿命は延び、男女の平均寿命の差が少なくなっています。平成2年の平均寿命では、男性が75.92歳、女性では81.90歳で、現在までで約6歳長生きになりました。

日本の医療技術の向上や健康意識、生活習慣の改善により、今後も寿命は延びていく可能性が高く、15年後、女性の平均寿命はなんと90歳を超えると言われています。

(5)日本と比べる世界の平均寿命

日本の平均寿命は世界でもトップクラスですが、平成29年では男女ともに第一位は香港。男性が81.70歳、女性が87.66歳となっています。日本人女性の平均寿命率は87.26歳で3年連続第二位となり、第三位はスペインの85.84歳です。

男性では、第二位がスイスの81.5歳で日本人男性は81.09歳で第三位となっています。日本人男性の平均寿命は、平成28年では第二位だったため、平成29年でスイスに抜かれたことになります。

上記より、日本は世界的に見ても平均寿命が長い国といえます。しかし、一方で健康寿命を延ばし、平均寿命との差を少なくすることが課題として挙げられています。

(6)日本の平均寿命が長い理由は?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

日本人の平均寿命が長いことには、下記のような理由が考えられます。

食事

日本の平均寿命が長い理由として、日本人が日ごろ食べている伝統的な日本食(和食)が挙げられます。栄養バランスのとれた、一汁三菜を基本とした日本食は世界でも注目されている食事です。

日本食は脂肪が少ないことが特徴で、豆腐、納豆などの大豆製品、野菜から摂取できる食物繊維、緑茶を飲む習慣からビタミンCやカテキンの摂取量も多いため、動脈硬化やガンの予防につながります。

医療

日本の長寿社会は、充実した医療制度も影響しています。昭和33年に制定された国民健康保険法により国民皆保険制度が確立され、全ての日本国民が医療保険に加入することが義務付けられました。医療制度の充実により、病気やケガをしても安心して医療が受けられるようになりました。

日本は、諸外国に比べ医療保険が充実していることと、健康診断を定期的に受ける体制が整い、病気の早期発見、早期治療できるといった予防医療や介護予防の充実も挙げられます。

(7)平均寿命と健康寿命から見る介護期間

平均寿命と健康寿命の差が約10年、ということは介護や支援が必要な期間は平均して約10年といえるでしょう。もちろん人によって大きく差はありますが、全体を通していうと、最期まで健康でいることができる人は少ないようです。「平均寿命は延びる一方なのに健康寿命は変わらない」、となると医療費、介護費の必要な期間が延び続け、社会的な負担や個人の負担も増す一方です。

個々の負担を軽減するためには、健康寿命を延ばし、個々の自立した生活の質を低下させないことが大切です。

(8)寿命をのばすためには

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/970138

介護や支援が必要となる一つの大きな原因は加齢による運動機能の低下です。歩行や日常生活が困難になることをロコモティブシンドロームといいます。別名ロコモと呼ばれますが、日ごろの運動不足や食生活、不規則な生活なども影響します。

厚生労働省の国民運動として「健康寿命をのばしましょう」というスローガンのもとに運動、食生活、禁煙を中心にスマート・ライフ・プロジェクトが推進されています。

適度な運動(SmartWalk)

「1日10分の運動習慣をつけましょう」いう運動です。普段の生活の中で10分歩いたり、普段歩いている道を10分早歩きしたり…日常生活に+10運動を取り入れます。

適切な食生活(SmartEat)

生活習慣病予防のため、「1日の食事の中で野菜の摂取量をあと70g増やしましょう」「朝食をしっかりととりましょう」という運動です。朝食におにぎりを食べることが推奨されています。

禁煙(SmartBreath)

たばこは百害あって一利なし。健康面以外にも美容や若さにも影響するたばこ。スマートライフを送りたい人は、早急に禁煙しましょう。

(9)介護期間のストレスを減らすには

健康寿命を延ばすために、日常的な運動をしたり、食事に気を付けていたりしていても、どうしても介護が必要になることがあります。介護は、受ける方も大変ですが、行う人にとっても大きな負担を与えます。そのため、介護期間中にうつになってしまう方も少なくありません。介護期間のストレスを減らすには、このような方法あります。

相談する

一人で悩まず誰かに相談することで孤独感が軽減し、気分転換になるでしょう。身近なケアマネージャーに相談することで解決策が見つかることもありますし、家族の会などに参加することで同じ悩みを抱えている方と情報交換や相談しあえます。

我慢しない

介護保険サービスや社会的なサービスをうまく利用して、一人で我慢しないことが大切です。在宅介護であればデイサービスやショートステイを利用することで自分の時間を確保できストレスの軽減につながります。

在宅での介護が難しくなれば、施設への入所も検討するなど介護のプロにお任せするというのもひとつの方法です。

(10)平均寿命の仕組みをしっかり理解してこれからの生活に役立てよう

超高齢社会を突き進む日本、健康寿命を延ばし、最期まで自立した健康的な生活をするには、個々が生きがい持って病気にならない体作りをしなければいけません。

そのためには、若いうちから生活習慣を見直し、適度な運動、栄養バランスのとれた食事、規則正しい生活習慣で健康に過ごすこと・病気の早期発見、早期治療を行うこと・機能訓練や保健指導でQOL(生活の質)を向上させることを目指して行くことが大切になります。

数字ばかり追いかけていくと、平均寿命ばかり気になってしまうところではありますが、同等かそれ以上に大切なのは、健康寿命です。できるだけ自立して健康で過ごす期間を延ばすため、生活を見直してみましょう。

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