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【2019年】深刻化する空き家問題|背景と起こりうるトラブル3つ

社会問題
空き家問題は少子高齢化や日本の社会構造を背景に深刻化しています。 空き家問題は家の所有者だけの問題ではなく、地域住民を含めた全ての人に起こり得る問題です。 空家問題の原因や、空き家によるトラブル、さらには国・地方レベルで行っている取組みや、個人でできる対策などを徹底的に解説していきます。
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(1)空き家問題の現状

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/998674

空き家は、売却用、賃貸用、別荘等の二次利用、その他、と分類されています。この中で、空き家問題に発展するのは「その他」の空き家です。

空き家問題は少子高齢化の進行に伴い、年々深刻化しています。

その状況は2019年度に総務省が行った住宅・土地統計調査からみてとれます。

1998年から2018年の20年間で推移を見てみると、空き家件数・空き家率ともに右肩上がりなのが分かります。2018年の空き家数は846万戸で2013年と比べると26万戸も増加しています。また、空き家率も13.6%と0.1%上昇し過去最高となっています。

続いて、2018年の空き家数の内訳をみてみると、空き家問題に発展する「その他の空き家」は347万戸と約半数を占めており、また2013年と比べて29万戸増えています。

このようにその他の空き家は年々増加しており、社会問題の一つとして考える必要があります。

悪影響が及ぶのが当人だけにとどまらない以上、空き家問題に関しては所有者だけの問題として考えるのではなく、地域や日本の問題として考えていくことが重要です。

(2)空き家によるトラブル① 近所迷惑

空き家問題は、所有者の視点だけでなく地域住民の視点も重視する必要があります。

地域の視点から見た空き家問題の主なトラブル要因として不衛生、倒壊の危険、景観の悪さ等が挙げられます。

不衛生

不法投棄のゴミの異臭・悪臭や、ゴミに群がるハエや蚊による被害、産業廃棄物による土壌汚染、害虫・害獣の糞尿による異臭・悪臭が問題になります。

倒壊の危険

密閉された建物は湿度が高まります。木造建築は湿度で傷み、老朽化しやすい特徴があります。老朽化が進むと、地震や台風、雪等による倒壊の危険が高まります。

景観の悪さ

家の老朽化や破損、伸び放題の庭の草木等、管理や手入れが行われないことで景観は悪化します。1軒の家の景観が損なわれると、周囲の景観も悪い印象を持たれます。

(3)空き家によるトラブル② 犯罪

割れ窓理論では、割れた窓のある家を放置すると犯罪が発生しやすくなり、地域環境が悪化して大きな犯罪も発生しやすくなります。

空き家を放置することが、不法侵入や放火といった犯罪を発生させる要因になる可能性が示唆されています。

不法侵入・不法占拠

割れた窓や施錠されていない扉から侵入されたり、窓ガラスや扉を破損させて侵入される場合があります。不法侵入や不法占拠を防ぐためには、定期的な見回りが有効です。

放火

散乱したゴミ、伸びきった草木等、空き家には燃えやすいものが溢れています。人目につかない空き家は放火される危険性が高まります。

(4)空き家によるトラブル③ 資産価値の低下

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2430038

管理しない空き家は老朽化が進み資産価値が下がります

老朽化が一定上に進んでしまうと売却は難しく、売却が遅れるほど老朽化や売却価格の下落が進む悪循環に至ります。

売れずに放置された空き家は地域の景観を損ねます。また、景観が悪い土地に生涯住み続けたいという人は稀ですので、その空家への需要はどんどん減少していくことになります。資産価値は需給バランスで成立するので、結果家を買いたい人が少なくなれば価値は下落します。

こうして、空き家が地域の資産価値を低下させる空き家問題の構造が出来上がります。

(5)空き家が増える原因① 超高齢化社会

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1500487

後期高齢者が急増する2025年問題は目前に迫り、介護施設や子供の持ち家に転居する高齢者の増加による空き家問題は深刻になると予想されます。

思い入れのある持ち家を売りたくないという思いや、認知症により適切な判断ができないことが空き家問題の解決を阻みます。

(6)空き家が増える原因② 相続や管理の難しさ

家(家屋)を相続する場合は遺産分割協議を行い、不動産の相続人を決定します。遺産分割協議を行えない場合、不動産を法定相続することがあります。

法定相続による相続登記を行うと、その家屋は相続人全員の持ち家となり、売却・処分する際に全ての相続人の同意が必要になります。手続きの手間がかかり、処分を進められず、相続した家が空き家となるリスクが高まります。

空き家は定期的に換気や通水を行う必要がありますが、相続者の状況により、空き家を管理する時間を捻出できない場合があります。

そうなると先ほども言ったように家屋内は老朽化し、家屋の周囲の景観が悪化していくことになります。そのため相続者は家屋に戻るモチベーションをなくしていき結果的に空き家になってしまうのです。

(7)空き家問題へのさまざまな取り組み

空き家問題を解決するために、国や地方自治体は様々な取り組みを行なっています。

空き家対策特別措置法

空き家問題の対策のために2015年に施行された法律です。倒壊の恐れが高い、景観を著しく損なう、著しく不衛生である、地域への放置が不適切である、と判断された空き家を「特定空き家」とし、地方自治体の行政による介入に法的な根拠を持たせています。

特定空き家に指定されると、所有者は自治体から助言、指導、勧告、命令、強制対処の順番で段階的に処分されます。勧告された段階で固定資産税の優遇対象から除外され、土地の固定資産税が最大で4.2倍に増額されます。

命令を違反した場合、50万円以下の罰金が科されます。

それでも何らかの対応をとらない場合、最終的には行政による強制対処で空き家の解体が行われます。もちろん、解体費用は所有者負担です。

自治体の費用補助

空き家を解体する費用の助成制度や、空き家の補修・解体のためのローン制度が自治体ごとにあります。空き家を取得する際に補助金を出す自治体もあります。空き家問題で悩みや相談がある場合は各自治体に相談し、助成の有無を確認するといいでしょう。

公共施設としての活用

コミュニティスペース、移住予定者の体験用住宅、土地の資料館などの文化施設として活用されるケースがあります。空き家問題は人の出入りがあるだけで改善に繋がります。公共施設として活用することで、人の往来による地域活性化と空き家の定期的な管理を行うことができ、空き家問題の解決の一助となります。

(8)空き家対策の一つ空き家バンクとは

空き家バンクは地方公共団体が住民から空き家情報を募って運営しています。営利目的はなく、以下の2つを主な目的としています。

  • 移住・定住を促進して地域活性化を図ること
  • 空き家の流通を活性化して空き家が抱える問題を解決すること

空き家バンクは大量にある空き家の存在を知ってもらうための仕組みといえます。空き家の所有者と空き家の利用を検討している利用者をマッチングさせるサービスです。

空き家バンクを運営するときは、地域の魅力や地域の仕事情報も提供し、移住や定住を促進しています。

(9)管理が面倒なときは空き家管理サービスの利用を

空き家の管理が不十分なときに、空き家問題は表面化します。所有者自身が十分な管理を行えない場合に利用できるサービスが空き家管理サービスです。空き家管理サービスを展開する会社は複数あります。利用の際はサービス内容、料金などそれぞれの会社で比較して選びましょう。

ここでは2つのサービスを紹介します。

大東建託パートナーズ

内外部巡回サービス 外部巡回サービス マンション巡回サービス
サービス内容
  • 外部確認
  • 清掃
  • 除草
  • 室内確認
  • 清掃
  • 換気
  • 通水
  • 巡回報告書
  • 郵便物の郵送サービス
  • 災害時臨時巡回
  • 外部確認
  • 清掃
  • 除草
  • 巡回報告書
  • 郵便物の郵送サービス
  • 災害時臨時巡回
  • 室内確認
  • 清掃
  • 換気
  • 通水
  • 巡回報告書
  • 郵便物の郵送サービス
  • 災害時臨時巡回
料金 10,000円/1回 5,000円/1回 8,000円/1回

大東建託パートナーズのHPではサービス内容以外に利用した人の声、サービスの流れなどが分かりやすく紹介されています。気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

大東建託パートナーズ ホームページ

NPO法人空き家・空き地管理センター

基本メニューは目視でチェック、クレームの一時対応、巡回報告書を写真付きで作成、管理会社を明記した看板設置です。料金は月額で100円になります。

オプションサービスもいくつか用意されているので詳しく知りたい方はHPをご覧ください。

NPO法人空き家・空き地管理センター ホームページ

(10)空き家問題への対策で地域への配慮を

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2338002

空き家問題は所有者の問題というより、地域住民に被る問題として表面化することが多いです。所有者ができる空き家問題の解決策は、定期的な空き家の管理です。所有者自身が管理することが難しい場合は、民間のサービス等を利用することができます。

空き家問題に対する適切な対応は、所有者自身を助けるとともに、地域環境を守ることに繋がります。

地域への配慮を忘れず、個人でできることから始め、空き家問題に取り組みましょう。

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