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介護保険負担割合の判断基準 | 3割なのはどんな人?1割と2割の違い

公的制度
介護サービスを利用した際に、その人の年収によって、サービス利用の負担割合が1割~3割まで変動することがあります。それでは、年収がいくらであれば、負担は何割なのでしょうか。詳しい介護保険負担割合について、紹介していきます。
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(1)介護保険負担割合とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2515224

介護保険制度とは、介護が必要になった高齢者を社会全体で支えるしくみで、介護が必要な方にその費用を給付してくれる保険です。満40歳になると介護保険に加入が義務付けられ、保険料を支払うことになります。

介護保険では第1号被保険者(65歳以上)は、介護が必要であると認定を受けるとその程度によって、日常生活の支援や介護のサポートを受ける際に介護給付を受けることができます。

第2号被保険者(40歳〜64歳)は、末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患などを含む全部で16種類の特定疾病のいずれかに該当し、要介護認定を受けた人のみ、介護給付を受けることができます。

要介護認定を受けると、どの程度の介護を必要としているかで要支援1~2・要介護1~5の7段階に分類されています。基本的には、この要介護認定を受けている方のみが介護保険を利用して介護サービスを受けることができます。介護サービスには居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなど各種サービスがあり、介護保険を利用することで総額の一部を負担のみで介護サービスを受けることができます。

介護保険負担割合とは、介護保険サービスを利用する際に、利用者が負担する費用の割合を示すものです。介護保険負担割合証に記載されている負担割合に応じてサービス費用のうち1割から3割までのいずれかが利用者の介護保険負担割合となります。

(2)負担割合が1割と2割の人の違い

介護保険制度が施行されてから2015年までは、介護保険負担割合は一律で1割でした。しかし、日本の社会保障費の財源の圧迫によって、その後一定の所得の人は介護保険負担割合が2割となりました。

2割と1割の人が区別されるのは、下記の点です。

年金収入

年金収入等(年金収入+その他の合計取得金額)280万円を境にして、280万円未満の人は介護保険負担割合が1割、280万円以上の人は2割となります。上記の年金収入等は単身世帯の場合です。夫婦世帯の場合は、年金収入等が346万円以上で介護保険負担割合が2割となります。

年齢・経済状況

65歳未満の方、市民税非課税の方、生活保護受給者の介護保険負担割合は1割となります。

(3)2018年8月から介護保険負担割合が変わる

2015年に一定所得の人の介護保険負担割合を2割にしましたが、それでも超高齢化社会の日本において介護保険制度にかかる財源はまだまだ不十分な状態でした。高齢者が増え、納税者が減りつつある中で、社会保障費の財源はひっ迫してしまったことが大きな理由です。

このままの状態が続くと介護保険制度そのものが崩壊する日も遠くありません。そこで、国は2018年8月から一部の人に限り、介護保険負担割合を3割に引き上げることにしたのです。

これまでは介護保険負担割合は1割と2割の2つの分類でしたが、2018年8月からは新しく3割の分類ができています。

(4)介護保険負担3割の判断基準

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1896829

この介護保険負担割合3割の基準は年金収入等(年金収入+その他の合計取得金額)340万円以上の人です。

これは単身世帯の場合で、夫婦世帯の場合は463万円以上で介護保険負担割合が3割となります。現在のところこれに該当する人は12万人程と言われており、割合にすると全高齢者(3300万人程度)の3%ほどとなります。ごく一部の人しか、これには該当しないといえるでしょう。

(5)国の定めた負担割合の軽減策

介護保険制度においては、所得段階に応じて、介護保険料率や保険給付の際の限度額などが決まります。所得区分は住民税の課税や所得額などに応じて以下の第1〜第10までの10区分に分けられます。

  1. 第1所得区分本人及び世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金又は生活保護を受給している方、又は本人の課税年金収入額と合計所得額の合計が80万円以下の方
  2. 第2所得区分本人及び世帯全員が住民税非課税で、本人の課税年金収入額と合計所得金額の合計が120万円以下の方
  3. 第3所得区分本人及び世帯全員が住民税非課税で、上記以外の方
  4. 第4所得区分本人が住民税非課税で、世帯内に住民税課税者がいる方のうち、本人の課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下の方
  5. 第5所得区分本人が住民税非課税で、世帯内に住民税課税者がいる方のうち、本人の課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円を超える方
  6. 第6所得区分本人が住民税課税で、合計所得金額が125万円未満の方
  7. 第7所得区分本人が住民税課税で、合計所得金額が125万円以上200万円未満の方
  8. 第8段階本人が住民税課税で、合計所得金額が200万円以上400万円未満の方
  9. 第9所得区分本人が住民税課税で、合計所得金額が400万円以上600万円未満の方
  10. 第10所得区分本人が住民税課税で、合計所得金額が600万円以上の方

この中でも第1〜第5所得区分の方は負担割合の軽減策の対象となり、介護保険負担割合を軽減することができます。

(6)介護保険負担割合を軽減する方法① 高額介護サービス費

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/802317

高額介護サービス費とは、介護保険を利用して支払った自己負担額1割(一定の所得がある方は、所得に応じて自己負担割合が2割または3割)の合計が一定金額を超えたとき、超えた分のお金が戻ってくるという制度です。

上記の所得区分によって、自己負担の上限金額が定められています。

(7)介護保険負担割合を軽減する方法② 特定入所者介護サービス費

特定入所者介護サービス費は、上記の第1〜第3所得区分の方(生活保護世帯や住民税非課税で所得の少ない方)に対してショートステイを含む介護保険施設の利用料のうち、居住費と食費の軽減措置が受けられる制度です。

この特定入所者介護サービス費用を利用するには、負担限度額認定というものを市区町村に申請し、認定されていることが条件となります。

(8)介護保険負担割合を軽減する方法③ 高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、世帯内の同一の医療保険の加入者について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

医療保険各制度や所得・年齢区分ごとに自己負担限度額を定めています。

(9)どの時点で介護保険負担割合がわかるのか

要介護・要支援認定を受けた方は、毎年7月頃に市区町村から介護保険負担割合が記された介護保険負担割合証という書類が交付されます。この介護保険負担割合証の有効期間は8月1日〜翌年の7月31日となります。

前年度の所得を元に介護保険負担割合が1〜3割の間で決定されます。ご自身の介護保険負担割合証の「利用者負担の割合」の欄を確認するとことで負担割合がわかります。

(10)自分の介護保険負担割合を知ろう

出典:https://www.photo-ac.com/

介護保険負担割合が1割になるか2割になるかは年間の所得で決まります。その所得が160万円以上の場合は介護保険負担割合は2割となります。

また合計所得金額が220万円以上の場合は介護保険負担割合は3割となります。65歳以上の高齢者で介護保険を利用する人でも、現役並みの所得がある場合は介護保険負担割合は3割となってしまいます。

ご自分の所得がいくらあるのかを確認し、自分は介護保険負担割合は何割になるのか確認した上で、介護保険サービスの利用を検討していきましょう。

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