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経鼻経管栄養とは|対象者/方法/メリットデメリットなど

病気
経鼻経管栄養とは、食べ物や水分などを口で摂取できない患者さんの鼻から、管を通して胃や十二指腸や空腸に直接栄養を届ける方法です。自宅で家族が行うことができ、管を注入することも慣れてしまえば簡単です。しかし一方で、誤嚥性肺炎になるリスクもあります。この記事では経鼻経管栄養法の正しい手順やそのメリットデメリットについて解説していきます。
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(1)経鼻経管栄養とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1459

経鼻経管栄養とは、食べ物や水分などを経口摂取で摂取できない患者さんの鼻から管を通して胃や十二指腸や空腸に直接栄養を届ける方法です。

経鼻経管栄養は、嚥下障害などで合併症や誤嚥などを起こす恐れがある方に使われることが多く、今後口からの栄養摂取が取れると見込まれる方に用いられます。胃などに問題がない場合は、経鼻経管栄養を使うことが多いです。

(2)経鼻経管栄養法の対象者

経鼻経管栄養法が用いられる場合には、口から栄養を摂取できなくなる場合が多いです。

色々な原因や病状によって引き起こされますが、嚥下障害を引き起こす病気の一例としては、脳梗塞やくも膜下出血、脳梗塞やパーキンソン病などがあります。

また、口腔内のガンにより食事を通ることができない場合にも経鼻経管栄養法の処置が取られます。嚥下障害の他、誤嚥をしやすい状態となっている場合や必要とされる栄養分の摂取が難しい場合にも医師の判断により処置されることがあるのです。

(3)経鼻経管栄養の目的

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2053617

経鼻経管栄養法を行うことで、患者さんに必要となる栄養成分や水分を直接胃などに届けることができますので、患者さんの体の機能を正常にしたり、状態を維持する目的があります。

口から栄養をしっかりととることができなければ、栄養不足や水分が原因となって病状が悪化することもありますし、体力が減退してしまい改善するのに時間がかかってしまうこともあるのです。

さらに免疫低下にもつながりますので、さらなる合併症を招く恐れもあります。

経鼻経管栄養法を行うことで安心して栄養を摂取することができるのです。

(4)経鼻経管栄養法は素人が行ってもよいのか

基本的にはOKだが、不安な際は依頼することも可能

経鼻経管栄養法は主治医の指示に従い正しく行うことが必要ですが、自宅でも行うことができます。自宅療養を続ける場合には、日々の栄養補給は家族がすることになるのです。

また、自宅以外の介護施設については、デイサービスや介護施設など人員が少ない施設では対応ができないと断られてしまうこともあります。その際には家族が自分たちで行わなくてはいけないので、できるようにしておくとよいでしょう。

ただ、方法を知っても時間がなかったり、不安だったりするケースもあるでしょう。

そういった際には、訪問看護・訪問診療などでサポートをお願いすることもできます。

(5)経鼻経管栄養法の必需品

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2303738

経鼻経管栄養法を行うには必要になってくる物品があります。

まず、指示された栄養剤のパックです。栄養点滴セットとスタンドは栄養剤を固定するために必要になります。注射器もしくはカテーテルチップを使い栄養をチューブに注入していきます。

聴診器や秒針が付いている時計なども、栄養を適切に注入するために必要な道具です。白湯や塩なども必要になってきます。栄養点滴セットは1週間程度で交換が必要です。

経鼻経管栄養法は、医師の指示にしたがって正しく行うようにしましょう。

(6)経鼻経管栄養法の手順

経鼻経管栄養法は正しい手順を守り適切に行うことが重要です。

道具の準備を完了させる

まずは手をしっかりと洗います。胃にチューブが入っているかをしっかりと確認し、みぞおちに聴診器を当てます。注射器やカテーテルチップを用いて目盛で10ミリほどの空気を入れて、聴診器から気泡の音がするかどうかを確認してください。音が聞こえないという場合には、注射器やカテーテルチップを使って胃液を引きだします。

次に栄養点滴セットのクランプと言われる接続部分を閉め、栄養剤とセットをつなぎスタンドにかけるか、その他の方法で固定します。バッグ式の場合は、繋げるだけで良いのですが、バッグ式でない場合には、注入容器と栄養点滴セットをつないでから栄養剤を必要な量を移し替えて使います。栄養点滴セットで、点滴が溜まっている部分を点滴筒といいますが、そちらに栄養剤が半分くらい貯まるように調整してください。クランプを緩めると、コネクターの先まで栄養剤がいきますので、またクランプを閉めます。

患者に注入する

これで経鼻経管栄養法の道具の準備は完了です。患者さんを30度くらいの高さに上体を起こします。座ることができる患者さんは90度の角度でも問題ありません。いよいよ経鼻経管栄養法を開始します。医師に指示された速度で栄養剤を注入していきます。何秒で何滴落ちるように調整してくださいという指示がありますから、その指示に従いましょう。この時に秒針のついている時計を用います。滴が落ちる速度は時々異なってくることがありますので、適時速度を確認することが必要です。

栄養剤の注入が終わり、薬を入れる場合は40℃程度のお湯を用いて完全に粉が溶けるまで混ぜ合わせます。先ほどと同様に注射器かカテーテルチップを注入して患者さんに投与していきましょう。最後に白湯を入れることが多いですが、量も患者さんによって異なりますので医師の指示通りに行うことが重要です。

注入が終了したら、食道へ栄養成分が逆流しないように1時間程度はベッドをそのままにしておきます。栄養点滴セットはお湯で洗い乾燥させておきましょう。

(7)経鼻経管栄養のメリットは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2343518

複雑な医療処置が不要

経鼻経管栄養のメリットは、内視鏡を使った手術をして内臓に穴を開ける必要がありません。チューブを鼻腔から胃などへ差し込むだけで済みますので、介護施設内であっても医師や看護師によって処置してもらうことができるのです。 

家族でも行うことができる

在宅医療を続ける場合でも、家族が栄養剤を注入することも慣れてしまえば簡単にできるようになります。栄養が口から取れるようになったら、チューブを外すだけで副作用もありません。経鼻経管栄養は胃ろう設置をしたくないという患者さんの意思から取られるというケースもあります。

(8)経鼻経管栄養のリスクとは

痛みに注意

鼻腔にチューブを入れる際に、痛みや吐き気などを訴える患者さんも少なくありません。鼻や喉の奥を刺激してしまう方法ですので、交換時が苦痛という方も多くいらっしゃります。喉にチューブが入っているため、経鼻経管栄養を続けていると口からの食事は取れないことになってしまいます。

誤嚥性肺炎のリスクに注意

もっとも怖いのが誤嚥性肺炎です。細菌が気道に誤って入ってしまうと、誤嚥性肺炎を発症してしまいます。

経鼻経管栄養をしていて機能が低下している方に起こりやすい病気の一つですので注意が必要です。チューブはとても細い管でできているので、間違って気管に挿入してしまうと、窒息などを引き起こしてしまうので挿入には十分な注意や訓練が必要になります。

誤嚥性肺炎とは

嚥下機能が低下することにより、食べ物や水分を飲み込む際に誤って気管に入りこんだり、胃からの逆流物が入りこんだりしてしまいます。この時一緒に細菌が入り込んでしまうことで肺が炎症を起こし、肺炎を発症してしまいます。これを誤嚥性肺炎といいます。

日本では、がん、心疾患に次いで3番目に多い死因は肺炎です。その肺炎の中でも、誤嚥性肺炎によって死亡に至るケースは約7~8割と言われています。

(9)他の経管栄養法

経鼻経管栄養の代わりに胃ろうや腸ろうという方法をとる患者さんも多いです。

胃ろうは、腹部から胃に手術で穴を開けます。栄養を直接胃に注入できるので、誤嚥を防ぐことができるのです。嚥下機能に問題があって、誤嚥などの恐れがある患者さんで消化機能には問題がない方に取られることが多い方法になります。経鼻経管栄養では誤嚥性肺炎などの合併症の恐れもありますが、そのリスクもない他、患者への負担も手術だけで済みます。カテーテルの接続部分は洋服で隠れるので胃ろうかどうかは外見では判断することはできません。

腸ろうは、胃を切除されていて胃ろうをすることができない肩に処置される方法です。こちらも腹部から腸に穴を開けて栄養を注入していきます。胃ろうに比べても栄養剤の逆流も少ないので、安全に栄養を吸収できます。

(10)被介護者の安全を第一に経鼻経管栄養法の利用を考えてみよう

経鼻経管栄養は、患者さんの病状や状態によって医師のアドバイスを元に行われます。合併症のリスクや今後の治療方針などをしっかりと知った上で、安全に経鼻経管栄養ができるかどうかを確認してから行うようにしましょう。

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