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地域密着型サービスとは | 介護度別受けられる12種類と利用の流れ

在宅介護サービス
地域密着型サービスとは、介護を必要とする高齢者が、住み慣れている地域内で生活をできるように地域や家庭にホームヘルパーなどを派遣する介護サービスのことです。利用の流れや具体的な内容を解説します。
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(1)地域密着型サービスとは

地域密着型サービスとは、近年、平均 寿命の増大により増えている認知症の症状を持った高齢者や、病気により身体が不自由な高齢者など、重 度の介護度を持つ高齢者の方が入院などをせず、住み慣れている地域内で生活をできるように地域や家庭にホームヘルパー等を派遣する介護サービスです。

この地域密着型サービスは、市町村の役所等が事業所を指定・委託する形式となります。そのため地域密着型サービスを受けられるのは、その地域密着型サービスを提供する事業所がある地域の住民に限定されています。

(2)居宅介護サービスとの違い

地域密着型サービスと居宅介護サービスは表面的には似ていますが実際は異なるものです。

居宅介護サービスは、要介護・要支援状態の被介護者が自宅にいながらケアを受けることのできるサービスのことです。

居宅介護サービスには「訪問サービス」、「通所サービス」、「短期入所サービス」の3種類があり、その組み合わせは自由です。さらに、介護保険が適用され、要介護度に応じて上限額を上回らなければ自己負担額は1割で済みます。

地域密着型サービスと居宅介護サービスとの違いについては、市町村が事業所を指定し介護サービスを事業所に委託しているのに対し、居宅介護サービスに関しては市長区村の事業所から民間企業、NPO法人まで介護サービスを提供しています。

また、地域密着型サービスでは居宅介護サービスに比べて、24時間体制で緊急の介護対応を受け入れていたり、訪問時間や回数などの対応が柔軟であるということが挙げられます。しかし、地域密着型サービスは事業者が所在する市町村に居住する者のみが利用対象者となっています

(3)地域密着型サービスのメリット・デメリット

まず地域密着型サービスのメリットについて解説をしていきます。

地域密着型サービスのメリットとは、市町村の役所等が介護の事業者を指定することになります。

地域の状況や実情、その地域の経済状況の平均などに合わせて地域密着型サービスの基準の高さや介護の報酬などを設定します。そのため訪問回数や訪問時間などが、地域に合わせた形で柔軟に提供されるということが多いです。

そして地域密着型サービスでは地域の事業所の介護事業所から介護者が派遣されるために、高齢者でも安心の馴染みのある介護者からサービスを受けることができます。

(4)サービス利用対象者

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/92485

地域密着型サービスの対象者は、以下の通りです。

  • 原則65歳以上(特定の疾病を持つ要介護認定の方であれば40歳から利用可能)
  • 要介護の認定を受けている
  • 地域密着型サービスの事業者と同じ市町村に住民票を有している

また、介護レベルによっても、受けられる地域密着型サービスが違います。

介護度別受けられるサービス

介護度 / サービス

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護

介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
地域密着型通所介護
看護小規模多機能型居宅介護

(5)サービスの種類その1 訪問・通所型サービス

地域密着型サービスで受けられる介護は様々で、こちらで紹介する「訪問・通所型サービス」もその一つです。この中には、「小規模多機能型居宅介護」、「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」、「夜間対応型訪問介護」、「定期巡回・随時対応型介護看護」が含まれます。

これらを大まかに説明すると、「小規模多機能型居宅介護」、「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」は小規模な介護施設に介護対象者が通い、デイサービスや泊まりでの介護を受けることができます。泊りの場合は24時間の介護サービスを受けられます。ただし、看護師などが常駐しているわけではないので、血圧・脈拍管理などのケアとなります。

「夜間対応型訪問介護」、「定期巡回・随時対応型介護看護」は、前者は夜間に、後者は24時間切れ間なく介護サービスが自宅に訪問・巡回を行い、介護サービスを受けられるものです。 これらの介護サービスをうまく利用すれば、施設への入居等は不要であり、住み慣れた自宅でトイレ介助や薬の処方管理、短時間の医療ケアなどを何度も受けられることができます。

(6)サービスの種類その2 認知症対応型サービス

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/970138

地域密着型サービスの中には、「認知症対応型通所介護」、「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」と呼ばれる種類のものもあります。

「認知症対応型通所介護」は、高齢者で認知症との診断が下りた方が介護施設に通って受けることができる介護サービスとなります。この介護施設では入浴介助や食事会後、トレーニングなどの機能訓練といったサービスを一日で受けることができます。一般的に言われる「デイサービス」との差異は、こちらの「認知症対応型通所介護」には人数制限の設定があるということです。「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」は、認知症の診断が下りた高齢者の方を対象に、グループホームで他の被介護者とともに共同生活を送る介護サービスです。前者の「認知症対応型通所介護」と同様で食事・入浴などの介護サービスを受けることができます。

(7)サービスの種類その3 施設・特定施設型サービス 

地域密着型サービスの一つ「特定施設型サービス」は、地域密着型の特別養護老人ホームと呼ばれる施設であったり、有料の地域密着型の老人ホームなどがこれに当たります。

どちらの老人ホームも一定数の人数制限があり、「定員30名未満」とされています

(8)サービス利用の流れ

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

地域密着型サービスを受けるには以下のような手順での手続きが必要です。

上記で紹介した「グループホーム」や「認知症対応型通所介護」などといった、受けたい地域密着型サービスの種類を選びます。

地域密着型サービスの市町村からの指定を受けている事業所に連絡をします。事業所にサービスを受けたいという旨の連絡をすることで、被介護者にあったサービスのプランを作成してもらうことができます。それを「ケアプラン」と呼びます。

「ケアプラン」が完成すると、地域密着型サービスの事業者・事業所との契約を結びます。契約後、作成されたケアプランに沿ってサービスが開始します。

(9)地域密着型サービスの課題

地域密着型サービスの課題を次に解説していきます。まず、事業所側の課題についてです。これは、地域密着型サービスの質の差が地域によって大きく異なるということです。

地域密着型サービスは市町村からの指定でその地域の介護サービスの事業所を指定しています。そのためその地域の事業所の介護サービスの質がそのまま反映されてしまうのが地域密着型サービスの特徴です。

地域の中には、介護サービスの事業が充実していない場所もたくさんあり、十分な地域密着型サービスを受けることができないという課題があります。

また、利用者側の課題ですが、利用者負担を払うことができない利用者が多いということが挙げられます。

地域密着型サービスの費用の目安は、例えば「通所介護」であれば1回の利用に最大「1,500円」程度かかる場合もあります。居宅サービスであれば月に3万円以上の費用負担をしなければならない場合もあります。

これは年金などの収入のみで生活をしている利用者からすると小さくない負担であり、実際に地域密着型サービスを利用していながら費用負担が払えず、途中で解約してしまうという方も少なくありません。

(10)地域密着型サービスに対する期待は大きい

課題はありますが、地域密着型サービスに対する期待はかなり高まっています。

近年では、厚生労働省が介護保険改正における要件緩和について取り組みをしています。これによって地域密着型サービスの利用者負担が下がったり、事業所への介護報酬が高まる可能性があります。

そのため地域密着型サービスの質が向上するということが期待されています。

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