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お薬手帳とは | 割引などのメリットや、アプリの説明など

ノウハウ
お薬手帳は、いつ、どこで、どのような薬を処方してもらったかを記録しておく手帳です。お薬手帳を持つことによって、どこで診察や調剤を受けても自分自身の服用している薬に関する情報を容易に確認することができるだけでなく、医療費が安くなることもあります。現在では従来の紙媒体の手帳に加え、スマートフォンにアプリなどの電子お薬手帳も登場しています。
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(1)お薬手帳とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2316308

お薬手帳とは、いつ、どこで、どのような薬を処方してもらったかを記録しておく手帳のことをいいます。薬の名前や使い方などの情報だけにとどまらず、過去に薬を使用したことよるアレルギーや副作用の有無などもあわせて、時系列に記録していくものです。

お薬手帳には現在使用している薬ばかりでなく、過去に使用した薬の情報も記録されていることで、どこで診察や調剤を受けても、いつでも自分自身の服用している、あるいはしていた薬に関する情報を容易に確認することができます。

また、お薬手帳を医師や薬剤師に提示することで、薬の重複や飲み合わせのチェックも行うことができ、アレルギー歴や副作用歴の確認もできるので、より安心して薬を使用することができるようになります。

(2)お薬手帳を配布している理由

お薬手帳はそもそも医薬品をより安全に使用できるようにし、有効な薬物療法を行うことを目的として配布されています。

導入のきっかけとなったは、1993年に患者15人が別々の病院から抗ウイルス剤と抗癌剤それぞれの処方を受け、これを併用して死亡した「ソリブジン事件」でした。これを契機に、お薬手帳を持つことで、医師や薬剤師は患者が併用している薬や過去に服用した薬剤の履歴の確認を可能にし、薬剤による事故を予防することができるようになったのです。

こうして、お薬手帳は重複や相互作用のチェックし、起こっている疾患に対する禁忌投薬を判断できるほか、継続しての来局していてもその間に別調剤を受けていないかなどを確認するのにも役立てられています。

また、診察している医師や薬剤師にとっては、患者が他の医療機関を受診しているのかや、疾患の現状や薬の服用歴を把握するためのツールとなります。

つまり、お薬手帳は、患者自身のみならず、さまざまな病院や薬局間での情報共有を可能にしているのです。

(3)お薬手帳の使い方

医療機関で使う際

お薬手帳は医療機関を受診する場合には必ず持参し、保険証と一緒に提出します。

残薬がある場合には、どのような薬がどの程度残っているかをお薬手帳に記載しておくことによって、薬の処方を調節してもらうことができ、結果として薬代の節約にも繋がります。

薬局で使う際

一方、薬局では、医療機関で発行された処方せんとともに窓口へ渡しておけば、薬剤師が処方された薬について記入してくれます。このほか、お薬手帳は自分でも積極的に書き込んでいくことが大切です。

たとえば、薬局や薬店、ドラッグストアなどで自身が購入した市販薬や、健康食品、サプリメントなども記載しておくことによって、医師や薬剤師から飲み合わせなどのアドバイスを受けることができます。

また、薬を飲んでいて気になる体調の変化なども書き込んでおき、医師や薬剤師に相談すれば、薬が原因となる思いがけない副作用を見つけられることもあります。

(4)お薬手帳を持参すると医療費が安くなる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1061054

薬局では処方せんに基いて調剤が行われますが、その際には他の薬との飲み合わせによる副作用のチェックや、複数の医療機関から同じ薬を処方されていないかなどの確認には実は費用が発生しています。

また、お薬手帳に調剤した薬に関する情報の記載にも費用が発生していて、これらの費用を「薬剤服用歴管理指導料」といいます。この薬剤服用歴管理指導料は380円となっていて、お薬手帳を持参しない場合は500円となります。

つまり、お薬手帳を持参する場合とそうでない場合の差額は120円となり、医療費の自己負担が1割なら10円、3割なら40円の差額が生じるのです。

ただし、お薬手帳を持参して医療費が安くなるのは前回の処方から6カ月以内で、かつ同じ薬局で薬を処方してもらった場合のみで、別の薬局ではお薬手帳を持参しても安くなりません。

このほか、特定の医療機関からの処方せんが9割を超えていて、月に2,500枚以上の処方せんの受付をしているような大型の門前薬局も医療費が安くならないので注意が必要です。

(5)お薬手帳を持ってたほうがいい方

お薬手帳を持っていれば、どのような薬を処方されたのか記録が残るので、子どもがいる家庭では、急に体調を崩したり、転居して受診する医療機関が変わったりしても、薬の情報を正確に伝えることができます。

また、子どもに限らず、複数の医療機関を受診しているような場合には、薬の飲みあわせを確認したり、薬が重複してしまう可能性も軽減できます。

そして、持病のある人にとっては、どのような薬を服用しているかを明確にしておくことによって、緊急時に医療期間で適切な治療をすばやく受けることが可能になります。

このほか、過去に薬によってアレルギーや副作用などを起こした経験がある人は、処方される薬を服用してよいかといったことを事前に確認することもできます。

(6)お薬手帳が役立つ場面

2011年3月に発生した東日本大震災では、津波とともに服用していた薬が流されてしまったため、多くの人が薬を求めて病院に殺到しました。

しかし、薬を求めた人たちの中には、お薬手帳を持っていない人も多く、服用していた薬を特定するために、改めて医師の診察を受けてから薬を処方してもらわなければならず、薬を受け取るまでに長い時間を要するという事態が多発しました。

このような緊急時でも、お薬手帳を持っていれば、飲んでいる薬がすべて記録されているため、どのような薬が必要なのかすばやく把握することができます。

また、万が一事故などで本人に直接聞き取りができないような事態が起こっても、お薬手帳があれば、飲んでいる薬をはじめ、受診している医療機関も特定でき、緊急時の対応がより迅速に行えます。

(7)お薬手帳をもつメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2316311

ここまでのように、お薬手帳を持っていればは、副作用やアレルギー防止をはじめ、飲み合わせの悪い薬や、一緒に飲んではいけない薬が処方されないようにするほか、薬が重複して処方されるのを防ぐといったメリットがあることがわかります。

また、災害や緊急時にも必要な薬を把握したり、適切な医療措置を迅速に行うために役立つこともわかりました。

ところで、お薬手帳は頻繁に医療機関を受診する人や、持病がある人、アレルギーのある人などだけが持つべきものと思いがちですがそれだけではありません。普段ほとんど薬を飲まないという人でも、たとえば数年前に風邪をひいて処方された薬を覚えているといったことは案外難しいものです。

このように、頻繁に薬を飲まない人にとっても、どのような薬を使ったか把握するために、お薬手帳を持つメリットがあるといえます。

(8)電子お薬手帳(お薬手帳アプリ)がある

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1675591

これまでお薬手帳といえばA6サイズの紙媒体の手帳でしたが、現在では電子お薬手帳というものがあり、徐々に普及しつつあります。

電子お薬手帳は手持ちのスマートフォンにアプリをダウンロードして、従来のお薬手帳同様、薬の情報を保管します。薬の情報はクラウドで管理できるので、災害時などでもデータが失われることはありません。

薬の情報はQRコードを読み取ったり、ICカードリーダーライタにかざしたりして取り込むことが可能で、現在さまざまな電子お薬手帳が登場しています。

アプリの中には、処方せんを事前に薬局に送信して待ち時間を短縮できるものや、薬の服用時間をアラームで知らせ、飲み忘れを防ぐ機能が搭載されたものなどもあります。

アプリ版のお薬手帳について、より詳しい記事はこちら

→『 お薬手帳をアプリで | 電子お薬手帳のメリットとおすすめアプリ5選

(9)電子お薬手帳を使用するメリット・デメリット

電子お薬手帳を使用するメリット

電子お薬手帳であれば、現在では財布よりも携帯率が高いともいわれるスマートフォンを利用するものが多いため、なによりも情報を持ち運びやすいというメリットがあります。

また、紙媒体のお薬手帳にはない多彩な機能が搭載されているということもメリットのひとつといえるでしょう。

電子お薬手帳を使用するデメリット

一方デメリットとしては、医療機関を受診し、薬を処方されることの多い高齢者は、スマートフォンの所有率が低く、なおかつそうしたデバイスを使いこなせないということが挙げられます。

また、現時点ではさまざまなアプリが存在し、システムが統一されていないために、情報の共有が困難といった事情もあります。

このほかにも、アプリによってはスマートフォン自体を薬剤師に手渡さなければならないものもあり、個人情報の流出なども懸念されるなど、セキュリティ対策もまだこれからの課題です。

だだしこれらのデメリットは今後徐々に改善されていくと考えられます。

(10)お薬手帳の機能を理解して活用しよう

現状、医療機関を受診し、薬を処方してもらう場合には、患者となる人は受身の姿勢が強い傾向が見られます。もちろん、薬の飲み合わせによるリスクや副作用などは専門家でなければ判断が難しいといえます。

しかしながら、お薬手帳にこれまでかかった病気や、その際に服用した薬やその副作用などがきちんと記録されていれば、医師や薬剤師に適切な判断をしてもらうことができます。

また、お薬手帳を持参していれば、医療費を節約できるというメリットもあります。

さらに、電子お薬手帳の登場によって、今後はより自ら健康管理できる環境が整いやすくなっていくことも予想されるため、お薬手帳の機能をきちんと理解して、日ごろから有効に活用することを心がけましょう。

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