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【徹底解説】介護職を疲弊させるモンスターファミリーへの実態と対策

テクニック
介護業界にはモンスターファミリーと呼ばれる困った家族が存在します。通常の苦情やクレームとは異なる実現不可能な無理難題を突きつけ、それが実行されないとまた騒ぎ出す、そういった人たちのことです。対応を誤ると事業所にとって大きな痛手となりかねない、モンスターファミリーの実態と対策について紹介します。
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(1)介護業界にはびこるモンスターファミリーの実態

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2219839

適切な苦言や苦情は、提供するサービスを見直すよいきっかけとなるものです。しかし、行き過ぎた要求はときに理不尽なものと化し、働く人の心を疲弊させ退職まで追い込むこともあります。

教育現場において、学校や教師に無理な要求をする保護者のことを「モンスターペアレント」といいます。そこから派生して、介護現場に対して無理な要求をする家族のことを「モンスターファミリー」と呼びます。

モンスターファミリーを定義づけるならば「自己中心的・非常識・理不尽な要求を介護事業所に対して突きつける家族」といえるでしょう。

(2)モンスターファミリーの特徴

モンスターファミリーと言っても、内容は様々です。例を挙げると、元々神経質だったのがエスカレートした結果モンスターになってしまうタイプや、イライラをぶつけるために理不尽なことを言うタイプ、など様々なタイプがいます。

その中でもモンスターファミリーの特徴は以下の2つに分けることができます。

  1. 無理難題を言ってくる
  2. 自分のやり方を押し付けてくる

1.無理難題を言ってくる

1つ目の特徴は、要望の範疇を超えたことを要求してくる、介護士に無理難題を言ってくるモンスターファミリーです。

利用者や家族に「お客様なんだから何をしてもいい、なんでもやってもらえる」という意識が芽生え、小さな要求が徐々に大きくなったり、非常識なふるまいをするようになったりします。

施設側が「利用者はお客様」という姿勢を強めることで、モンスターファミリーがいっそう増長することもあるので、施設側も注意が必要です。

大切な家族のことを考えた上での無理難題を言うだけではなく、どうにもできない理不尽なことを要求してくる場合や中には脅しや犯罪まがいな行為をしてしまう家族もいます。

2.自分のやり方を押し付けてくる

2つ目の特徴は、介護士に自分のやり方を押し付けてくるタイプです。

例として、それまで介護を1人でやってきた人などにあります。それまで1人で介護を担ってきたことから「きちんとした介護ができるのは私しかいない」という思いが強く、介護士のことが信用できない人はこのような行動を起こします。

介護に熱心になりすぎるあまり、介護職員に「家族の代わり」を求め、過度な要求や細かすぎる指示へとエスカレートしてしまいます。

(3)モンスターファミリー増加の背景

モンスターファミリーが増加した背景として、介護保険制度の創設、介護者の意識の変化が生じたことなどがあげられます。

介護保険制度の創設

2000年までは、要介護状態の人が必要なサービスの種類や提供機関は、地方自治体は決めていました。2000年に介護保険制度が創設され、それまであった利用者側の「お世話していただいてる」という意識が薄れていきました。新しい制度によって、自らサービスを選ぶ方式へと変わり介護業界の環境が変わったことが、主な原因です。

介護者の意識の変化

介護サービスの1~3割が自己負担となったことで、福祉サービスの利用者側の人たちに、「消費者である」という意識が加わり、お客様意識が生まれました。「お客様第一」という考えが浸透している営利法人の介護事業参入が開始されたことによって、さらにお客様意識が強まる結果となりました。

(4)モンスターファミリーの実例

では、モンスターファミリーとは一体どんな要求をする人のことを指すのでしょうか。

施設でのサービスについての要求

まず、施設の設備や食事に関するクレームです。現在入居中の部屋が気に入らないから別の部屋に変えてほしい、ここの食事は合わないから自分の家族だけ別の食事に変更してほしいといった要求です。

送迎時間に関する要求

次に、ショートステイやデイサービスでよく起こる送迎時間に関する要求があります。通常の送迎時間よりも早く迎えにきてほしい、帰る時間は夜遅くにしてほしいといった要求です。

利用者本人に関する要求

さらに、利用者本人に関するものがあります。施設に入居中の利用者の体調を1日に数回必ず連絡することを要求してきたり、本人の状況を理解せずに無理な介護を要求してきたりするケースです。

モンスターファミリーの特徴として、要求がエスカレートしていく

モンスターファミリーたる所以は、これらの要求が自分本位で他の利用者のことを考えていないというだけにとどまりません。問題なのは、これらの要求が一度では終わらず、むしろ要求を満たすごとにますますエスカレートしていく点にあります。

先ほどの例でいえば、無理に部屋の交換を行った後も、新しい部屋に不満を漏らし数度に渡って部屋の変更を要求し続けるケースです。あるいは送迎の時間がどんどん早くなっていくといったケースも考えられます。

このように、モンスターファミリーの特徴は単に無理難題を押しつけてくるだけでなく、その要求がエスカレートしていく点にも特徴があるといえるでしょう。

(5)モンスターファミリーを対応するときのポイント

行き過ぎた対応を求める家族には毅然とした対応をとることも必要

こうした問題のある家族に対して、介護職だけで対応するのは限界があります。一度相手の理不尽な要求をのんでしまうと、次からはさらに理不尽な要求を突きつけてくるかもしれません。

また、一度悪しき先例を作ってしまうと、その後ほかの家族から同様の要求があった場合にも応えなければならなくなります。一度誰かの家に早く迎えにいってしまうと、ほかの家族の同様の要望に対しても応える必要が出てくるのです。

自分だけでなんとかしようとしない

要求をのむべきかどうか、現場では判断に困るケースもあるでしょう。そのような場合には、必ず事業所の管理者と相談することが大切です。

サービスとして提供できるのはどこまでなのかを判断するのは管理者の責務です。

そして、理不尽な要求に対しては管理者からノーと伝えることで介護職に対して、また家族に対して明確な線引きをすることができます。その一方で、相手の要求が本当に理不尽なものか、介護事業者は考える必要もあるでしょう。

(6)本当に「モンスター」なのか?見直したい事業所の常識と規則

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1889668

介護事業は長らく需要過多であり、苦労せずとも利用者が集まってくる状況でした。しかし、介護保険制度が始まって20年近くが経ち、この構造も変化しつつあります。

利用者は、サービスのよりよいデイサービスやショートステイを求めるようになりましたし、介護事業所側も利用者を集めるためにさまざまな工夫を凝らすようになっています。古い常識にとらわれたままの介護事業所では、この先通用しなくなっていくでしょう。

介護サービスを提供する者として、できる限り対応する

苦情やクレームには必ず原因があります。

多くの場合、その源には介護が必要な利用者のことを大切に想う家族の気持ちがあります。毎日利用者の体調を知りたいといった要望は、その典型的な例でしょう。

このような気持ちは家族としてごく自然なものであり、介護事業者が提供できるサービスとして、できる範囲で対応したいものです。

1日数回決まった時間に連絡することは難しくても、1日に1度相談員が退勤前に情報を提供するといった方法なら可能かもしれません。あるいはその日の体調データをメールで送るという方法も考えられます。

モンスターファミリーのレッテルを貼る前に、まずはできる限り対応しましょう。

苦情をヒントにしてサービスを見直す

苦情には業務改善のためのヒントがたくさんあります。その点を見逃してむやみに「モンスター」のレッテルを貼ってしまうと、家族の要望を一切聞き入れない偏狭な介護事業者となってしまいます。

家族の訴えを頭ごなしに否定するのではなく、まずはその要求をしっかりと聞いてみましょう。その上で、自分たちは家族に対して何ができるのかを管理者も含めて考えることが大切です。

(7)利用者家族のモンスター化を防ごう

利用者家族のモンスター化を防ぐには、普段から利用者の家族とコミュニケーションをとることを心がけましょう。というのも、利用者家族と職員の信頼関係がしっかりと構築されていないのも、モンスター化の原因の一つだからです。常日頃から、些細なことでも報告することが、モンスター化防止につながります。

(8)家族と協力して最適なサービスを提供しよう

介護サービスは、長らくその対象者を介護が必要な人に限定してきました。それは間違いではありません。

しかしながら、通所介護や訪問介護などの在宅系サービスには、家族に対するレスパイトケア(介護している家族が休息をとれるようにする支援)の側面があることも忘れてはならないでしょう。

介護サービスは利用者と介護職との関係だけで作られるものではありません。それは家族も含めたより包括的なものであり、家族へのケアの側面を省いて語ることはできないものです。

クレームの理由を知ろうとするのはその第一歩であり、家族との信頼関係を形成するための欠かせないステップではないでしょうか。

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