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【辛いと感じる方へ】介護福祉士の介護実習について|段階別の目的・乗り切り方

資格取得
急速に進む日本の少子高齢化社会においては、介護に関する専門知識・技術を持つ「介護職」は必要不可欠な存在となっています。こうした状況から、1987年に国家資格として誕生したのが「介護福祉士」です。 介護福祉士は、介護が必要なお年寄りや障害のある方へ介護を行うと同時に、介護サービス利用者の家族に対してアドバイスを行ったりする福祉の専門家であり、別名ケアワーカーとも呼ばれます。 この介護福祉士の受験資格を得るためには、専門学校などで教育を受けなくてはなりません。その養成過程での必須科目のひとつとして「介護実習」があります。 ここでは介護実習の概要やステップ、意義を解説します。  
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介護実習とは?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/610817

介護福祉士の取得に必要な介護実習

厚生労働省では、介護福祉士の資格を取得する上で450時間の現場研修を義務づけており、介護福祉科のある大学や専門学校ではその目的に沿った「介護実習」のカリキュラムが組まれています。

介護実習の内容は養成施設ごとに異なりますが、例えば、2年間で3段階に分け、約10週間の実習を在宅や社会福祉施設で行います。

実習先は、各都道府県に認められた施設や機関

  • 老人保健施設
  • 老人ホーム
  • デイサービス
  • 障がい者施設

など)

となります。

学生は、この実習での経験を通して、介護のプロフェッショナルとしての技術や意識を育てることができます。そしてその経験は、介護福祉士になって実際の現場で働く際、大きな自信となります。

介護実習って何をするの?

介護の高度な知識・技術を学ぶための、リアルな学習

介護実習では「介護とは何か」を知るために、実習担当者や職員の指導のもと、高度な知識や技術を段階的にしっかりと学んでいきます。この実習ですが、段階としては3段階、

  1. 見学実習
  2. 体験実習
  3. 現場業務の実践

があります。

1.見学実習

まずは、介護の仕事を理解するための見学実習です。施設において、介護サービスの役割や利用者の生活全般を知るところから始まります。

そして、利用者の方達と接しながら、望ましいコミュニケーションや適切な人間関係を学び、個別の背景やニーズを把握します。

2.体験実習

次に、学んだことを実施する体験実習です。利用者ごとの介護計画にもとづいて、個別に具体的な介護技術を実践するとともに、施設の現場がどのような連携を取って介護サービスを提供しているかを学びます。

3.現場業務の実践

最終的には、スタッフの一員として現場業務をこなせるまでになることが目標です。

学生は、施設での実習期間において一連の介護過程(介護計画作成、評価、計画の修正)を継続して行い、最終日に担当者からコメントや捺印などを受け取ることで介護実習は終了となります。

その後は、養成学校にて介護実習報告書を書いたり、発表を行ったりします。

段階ごとに介護実習を解説

第一段階(見学実習)の目的

介護現場において、比較的コミュニケーションが可能な利用者との関わりを通して生活状況や個性を把握し、個別ケアプログラムを理解する。施設の役割や「介護のあり方」について理解し、他のカリキュラムで学習した知識や技術を現場で実践・体験する。

実習目標

  • 利用者や家族とコミュニケーションを図り、その生活環境やニーズを理解する。
  • 施設の機能や運営方針、職員の構成や役割、1日のプログラムを理解する。
  • 職員と共に介護活動を行い、基本的な日常生活支援の技術を体験し身につける。

第二段階(体験実習)の目的

高齢者、障がい者の程度に応じた介護技術の適正な用い方について学ぶ。また、医務・看護・栄養などの他職種との連携の取り方を知るとともに、 各職種の専門性を理解する。さらに、介護計画立案のための基礎学習を体験する。

実習目標

  • 利用者の方の障がいレベルや要介護度を理解し、そのニーズに応じた援助方法について学ぶ
  • 医療、看護、歯科、栄養、OT、PT、ST等の他職種との関連性や連携の取り方を学ぶ。
  • 介護計画立案のプロセスを理解し、利用者個別の情報収集等の基礎学習を体験する。

第三段階 (現場業務の実践)の目的

施設運営のプログラムに参加し、サービス全般について理解するとともに、施設職員の1人として業務を遂行する能力を養う。また、利用者ごとの個別の介護過程(ケアプランの作成と実施・評価)の展開、記録の方法について学ぶ。

実習目標

  • 実習施設の会議や行事、集団活動等に参加し、レクリエーションの企画と実施を体験する。
  • 施設の運営方針やサービス全般について学び、チームの一員としての介護業務を遂行する。
  • 特定の利用者の方に対して個別の介護計画を立案し、計画に基づいて実施、評価、記録を行う。

辛い実習を乗り切るポイント

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2370965

理想と現実(現場)のギャップは当たり前、どう埋めるかを前向きに考えよう

現場での実習では「思い描く介護の理想と現実のギャップ」に戸惑い、自信をなくしてしまう学生が多いといわれます。 しかし、そもそも相手は「心を持った人間」であり、机上と現実のギャップがあるのは当たり前のことです。

その現実に気づくために、よりリアルな介護の現場を知るために「介護実習」があるのです。

実際、介護現場で働いている経験豊富なケアワーカーですら、毎日壁にぶつかり試行錯誤しているのが実情です。 ですので、そのギャップにくじけず「上手くできない、不安があるのは当たりまえ」と考え実習に当たりましょう。

そして、毎日の利用者さんとの喜怒哀楽のある関わりの中で「介護職の重み・価値」を体験し、福祉専門職への自覚を高めていきましょう。  

まとめ

「介護実習」を受けることで、学生はその介護技術が向上するとともに、「介護福祉士とはどのような仕事なのか」深く考えるようになります。

そして、実際の施設での就労経験により自分のやりたいことが明確になり、将来の就職先を決めるきっかけにもなります。中には、実習中に就職が決まっていく学生もいます。

また、介護現場において、利用者それぞれの生活状況やニーズを深く理解し、個別の介護内容を立案し実践できる「経験」は、この仕事に誇りとやりがいを見いだすことにも繋がるでしょう。

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