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ヘルパーが知っておきたい、本当に高齢者のためになる介護施設の作り方

施設サービス
あなたの介護施設はバリアフリー対策ができていますか? 近年では、バリアフリー工事の補助金制度も充実しているため、段差がなく、高齢者や身体不自由な人でも過ごしやすい環境の施設が多いのではないでしょうか。 しかし、バリアフリー工事が必ずしも高齢者のためにならないことをご存知ですか? 今回は、本当に高齢者のためになる介護施設の作り方をご紹介します。あなたが勤めている施設は、本当に利用者のことを考えた設計になっているのでしょうか?ぜひ、この機会にお勤めの施設の作りも確認してみましょう。
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(1)あえて段差・坂・階段を残すケースも存在する

介護施設の中では、エレベーターがついているところもあります。もちろんそれが良くないという訳ではありません。施設の規模や、利用者の支援区分によっては、エレベーターも必要です。

しかし、まだまだ動けるし、自分の事は自分でしたいと、思っている利用者も多いはずです。

最近では、介護や寝たきりを予防するために体を鍛える通所デイサービスが増えてきました。

あえて段差・坂・階段を残した設計にして、手すりや支えを使って歩いてリハビリを兼ねているという施設もあるようです。

足腰が弱っていく中で、少しでも自分の足で歩いて、気付かないうちに筋力が落ちないようトレーニングができているのは、利用者の健康にも良いですし、自立し、安定した生活が送れるのではないでしょうか。

(2)大きな段差があるところには手すりを設置する

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1793620

例えば、お勤めの施設がリフォームするとなった時に、事例などから費用を考慮すると、2〜3mmの小さな段差は撤去するほうが良いでしょう。

15cm以上の段差につまずくより、2〜3mmの小さな段差につまずき転倒するケースが高齢者には多いといわれています。

また、大きな段差は撤去するにしても費用がかさんでしまいますので、そのような大きな段差があるところには、手すりをつけて、利用者自ら上り下りをすることで、足腰が鍛えられますし、何より、自分の足で歩く喜びや、自信につながり、毎日良い状態で過ごせるでしょう。

手すりをはじめとした住宅改修について、より詳しい記事はこちら

→『介護保険が使える住宅改修6つ|自己負担額、給付条件などを解説

(3)トイレをリフォームして健康維持!

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/299000

介護施設に入所・入居している男性の利用者には「トイレは座ってではなく、立って用を足したい」と思っている人も多くいらっしゃいます。

男性が座って用を足すことは、尿道に尿が残りやすいといわれており、排尿障害や、前立腺肥大につながる可能性があります。

利用者の支援区分によって対応が変わってきますが、施設には男性用の小便器があると、一般的な洋式便座より掃除もしやすく足腰を丈夫にできるメリットがあります。スペースに余裕があれば、設置を検討しましょう。

(4)お風呂に自分で入れるよう工夫する

お風呂に入ると、心も体もさっぱりしますし、体が温まりよく眠れる一方で、身体が不自由な利用者は、浴室内や浴槽の段差などに不安を感じている人も多いようです。

介護施設内の浴室内には、適切な位置に手すりが取り付けられていますか?「ここにも手すりがあったら嬉しい」とご利用者に言われたことはありませんか?

介護スタッフやヘルパーの手助けは最低限となるように手すりの位置や浴槽内にバスボードなどを設置するなど、自分で安全にお風呂に入れた!という喜びを感じてもらうように工夫してみましょう。

(5)掃除を毎日行う

施設内の床にほこりがたまっていると滑りやすくなり、転倒の原因となる可能性があります。施設内の掃除はこまめにできるだけ毎日行うのが望ましいでしょう。

水回りやトイレなども、清潔にしておくことを心がけましょう。 汚れていると、汚くて触りたくない!と、利用者が安心して過ごせなくなってしまいます。

介護スタッフも、日々の業務に追われている中で、掃除をしている余裕がないと感じることも多いでしょうけど、利用者の安全の確保のために清掃はできるだけ毎日行いましょう。

共用部は、清掃の業者や就労継続支援の事業所に依頼して清掃してもらうことも方法のひとつでしょう。小規模の施設や事業所であれば、利用者も一緒に体を動かしながら掃除をするのもいいかもしれません。

(6)栄養の面でも利用者をサポート

食事は、栄養をとるとても大切なものですから、施設ご利用者にも、美味しく楽しく食事をとってほしいところです。

あなたのお勤めの施設に、栄養士はいますか?食事でしっかり栄養をとって、元気に過ごしてもらえるようにサポートする必要があります。 栄養士が施設にいて、利用者に栄養指導と、バランスのとれた食事が提供できるという事が一番理想的です。

嬉しいことに、利用者が特に好んで食べることが多い和食は、野菜をたくさん使っているものが多いです。根菜の煮物などは歯ごたえもあり、健康維持を助けるには和食が最適であると考えます。

利用者が慣れ親しんだ味を、少し薄味で提供して、栄養の面でも利用者の健康をサポートしていきましょう。

(7)お世話をしすぎない

介護スタッフの振る舞いについてです。利用者は、「自分でできることは自分でやりたい」と思っています。何から何まで介護スタッフの手を借りたいと思っている人は、あまりいないでしょう。

介護スタッフはご利用者がどうしても一人ではできなかったことや、一人では難しいことをお手伝いをするようにしましょう。 声をかけて、コミュニケーションをとって、それぞれの利用者が何をどこまでできるのか、どういった手助けが必要なのか、見極めましょう。

難しいように感じられるかもしれませんが、日々、利用者とコミュニケーションをとって関わりを持っていく中で、自然に身につくことです。難しく考えず、利用者に笑顔で声をかけることから始めてみましょう。

(8)肝心な時にはサポートの準備を

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/356969

ご利用者の気持ちを考えた介護はとても重要ですが、対照的に肝心な時にはきちんとしたサポートを行わなければなりません。 利用者にとって不安であると同時に、事故やけがの恐れがありますので、常に様子を視界に入れ、利用者が何か困っていると感じた時は、すぐに助けられるようにしておくのも大切です。

(9)終わりに

介護施設の構造や設計は設計など、施設全体に関わることなので、現段階では、見直して早急に改善をするということは難しいかもしれません。将来、あなたが施設の運営に関わった時に、この記事の内容を参考に、介護施設作りを考えてみるのもいいかもしれません。

施設の職員全体で話し合う機会があれば、利用者から「この位置に手すりがほしい」という要望があったなど、積極的に情報を共有する必要があります。

利用者が快適に過ごすための施設ですから、施設の職員全員で利用者のためになる介護施設を作っていきましょう。

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