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孤独老人を救う切り札となるか?コミュニケーション型の介護ロボットの可能性

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深刻な問題となりつつある高齢化。そして、それに合わせて増えているのが高齢者の孤立化です。内閣府が5年毎に発表している60歳以上の高齢者を対象とした調査では「相談をし合う友人がいない人」の割合が25%を超えています。 実はこの割合は日本では随分と前から大きく変わらないのですが、問題は増え続ける高齢者の数です。 高齢者の数は右肩上がり、上記で挙げた内閣府の調査が始まった昭和50年ごろに比べると800万人程度だった高齢者の数が平成27年になると3500万人を超えそうな勢いです。 高齢人口の増加に伴い、相談をする友人がいない高齢者の数も、右肩上がりであると言う事を国の調査は明らかにしています。
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首都圏では家族と過ごす時間が少なく、家族がいるのに独居生活



首都圏ではこの傾向はさらに深刻です。核家族が進む現代の日本では、徐々に単身世帯の高齢者が増えつづけています。

中には「家族と一緒に暮らしているのに単身世帯」と言う環境の人も少なくはありません。

一言に家族と暮らしていると言えば「介護を受ける高齢者が1人いて、その他に子供夫婦が共に暮らしている。夫が働いている間は、妻が介護をしている」という姿をイメージするのではないでしょうか。

しかし全ての家庭がそうであるとは限らないのです。というのも、介護受ける高齢者と共に暮らす家族と言うのは、必ず結婚しているわけではないからです。

中には結婚をしていない子供が介護が必要な親の世話をしていて、仕事をしている間は介護が必要な高齢者は一人っきりになると言うケースもあります。こうなると「家族がいるのに独居生活」と言う不思議な形ができあがります。

介護に必要なお金を稼ぐために、Wワークなどで長時間労働をしている家庭も少なくはありません。

そうなると表面上は同居していてもほとんど家族が家にいないと言うことになり、結局は高齢者は一人暮らしをしていると言う状況になります。

介護制度も残酷です。この様な形であっても同居しているものとして、そうでない世帯に比べると使える介護サービスに制限が加えられます。

もう少し介護サービスを使えれば、仕事中は完全にデイサービスに通わせたりすることもでき、高齢者を一人にするということを限りなく少なくして孤独を和らげることができるのですが、それも難しい様です。

孤独は肥満以上に人の命を奪う

上記のように現代の日本は高齢者を孤独にさせる要因が数多くあります。

貧困、高齢化、核家族化、これらが生み出した高齢者の孤独は、実は肥満以上に人の命を奪ってしまうということが徐々にわかりつつあります。

孤独感は「何をするにもやる気がしない」という心理的状態を作り出し、人の行動意欲を奪います。そうなると活動量の低下により筋肉や免疫力の低下など、医学的にも孤独は人の体を蝕む原因となるのです。

活動量が少ない人はそれだけ健康が失われていき、様々な病気の引き金となります。

このような流れで孤独な高齢者が増えていくと、困るのは本人とそれに関わる家族だけではありません。国としても、孤独が生み出した重度の要介護者の為に膨大な金額の介護保険を使う必要があります。

すると、国の負担も大きく増えていく結果となります。

もともとは、介護保険と言う仕組みは医療保険を抑えるために考え出された仕組みでした。

しかし、当初の予想をはるかに超えて介護保険があまりにも膨らみすぎ、平成28年の介護保険に充てる予算は10兆円を超えました。

介護保険制度が始まった平成12年の3.6兆円と比べると2.5倍を超えています。この様なことからも、国は孤立した高齢者の対応を考える必要があります。

コミュニケーション型ロボットが切り札に?ロボットに期待できること

ではこの状況を打破するためにはどのような手段が考えられる人でしょうか。

高齢者の孤立化解消のために様々な方法が考えられていますが、その中でも今後発展が期待できそうなのがロボットの開発です。介護の現場では最近様々なロボットが導入されています。

動作を楽にしてくれるパワードスーツなどはニュースで聞いた事がある人も少なくはないでしょう。

そんな発展が目ざましい介護現場におけるロボット事情ですが、中でも高齢者の孤独を解消するとして期待されているロボットがあります。それはコミュニケーション型ロボットと呼ばれるロボットです。

コミュニケーション型ロボットには2種類のタイプがあります。

1つは人工知能を使用してロボット自身が考え、行動するタイプのロボット。このタイプで言うとアシモのようなロボットが有名です。実際介護現場で使われる人工知能を使用したロボットは、より高齢者とのコミュニケーションに特化しており、独自にレクリエーションや高齢者ウケする対応方法を考え行うことができます。

そしてもう一つのタイプのロボットは、遠隔操作型のロボットです。このタイプのロボットは「遠くに住んでいる家族が心配」と言う人はもちろんのこと、医療分野等に導入すれば遠くにいながらにして患者を診察するということもできます。

遠隔操作タイプのロボットと、似たようなシステムのコミュニケーションツールは様々なものがあります。

しかし、それらとこの遠隔操作型ロボットの違うところは、何よりも自らの動きも伝えることができるという点でしょう。

遠隔操作型のロボットである「OriHime」を例にとってみると、手の動きや頭の動きを操作して相手に伝えることができるので、実際にそこに相手がいる様に臨場感を持ってコミュニケーションを行うことができると言う評価もあります。

1人で暮らす高齢者にとって介護用コミュニケーション型ロボットは、これから社会問題となりつつある高齢者の寂しさを和らげる効果がありそうです。

高齢者施設にもコミュニケーションロボットが必要

今後は自宅で1人で暮らす高齢者以外に、介護施設で過ごす高齢者にもこのようなコミュニケーション型ロボットは重要な役割を担うことでしょう。

人工知能型ロボットは、レクリエーションや利用者とのコミニケーションなど、高齢者施設向けに開発が進められているので、大きな力を発揮してくれることは当然のことです。

しかし在宅向けと思われがちな遠隔操作型ロボットも、実は施設で暮らす高齢者にとって大きな効果が期待できます。孤独は周りに人がいるからといって解消されるわけではありません。

周りに大勢の人がいたとしても、そこに頼れる人がいなければ結局は孤独を感じるものです。家族のつながりと言うものはそれを解消するための大きな効果が期待できます。まだコミニケーションロボットを導入した例が少ないため、数値的な効果の確認はできていませんが、導入例を見る限り効果を期待できるようです。

今後コミュニケーションロボットはますますの発展が期待できます。年月を重ねてコミュニケーションロボットが普及していくことで、高齢者の孤独に関するデータがどの様に動くかという点も注目されています。

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