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【動画付き】介護ロボットが介護現場を変える?国が進めるロボット戦略とは?

テクノロジー
経済産業省が2015年1月に発表したロボットの普及振興を目的とする「ロボット新戦略」において、介護医療分野におけるロボットの導入や活用に関する事項が多分に盛り込まれることとなりました。 今回は介護ロボットと介護現場の未来について解説します!
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(1)進むロボット技術の実用化。介護現場にも波及するか?

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近年、著しい技術の進歩によってロボットや人工知能などの実用化が加速しており、 ロボット技術の発展は、人によるケアが中心である介護業界にも着実に波及し始めています。

従来より、介護業界は人の手による仕事が主となっていた職場でしたが、慢性的な人手不足や力仕事による介護職員の腰痛やひざ痛といった課題があり、ロボット技術の導入は早くから注目されていました。

これらの問題を解決するために、介護の現場における機械の導入は数年前より少しずつ進められてきています。

そのようなさなかの2015年1月、経済産業省が発表したロボットの普及振興を目的とする「ロボット新戦略」において、 介護医療分野におけるロボットの導入や活用に関する事項が多分に盛り込まれることとなりました。

(2)介護の分野における「ロボット新戦略」の概要とは?

今回の「ロボット新戦略」では、調査において特にニーズの高かった「移乗・移動支援」「排泄・入浴・日常生活支援」「認知症高齢者支援」といった分野において、介助者の負担を軽減していくためのロボット技術導入を進めていくということが特徴となっています。

新戦略はその中で、介護職員が業務において腰痛を引き起こすなどのリスクをゼロにするといった具体的な目標を掲げています。

より詳細な目標としては、在宅介護においては特に「移乗・移動支援」に注力することで、住み慣れた地域で自立した生活を実現することができるようにし、介護施設においては「移乗・移動支援」に加えて、「排泄・入浴・日常生活支援」「認知症高齢者支援」における導入も進めて、職員の身体的負担を軽減することが盛り込まれています。

これらを踏まえたうえで、介護事業のすべてをロボットによって行うのではなく、介護はあくまでも人の手によって提供されるべきという基本概念を維持しつつも、ロボット介護機器の活用によって業務の効率化・省人力化を図っていくということが、介護の分野における「ロボット新戦略」の大まかな内容です。

(3)介護現場への導入事例 移乗・移動をサポートする「ロベア」

前述したように、2020年までの具体的な介護現場へのロボット技術導入に向けて、各メーカーや研究所は介護ロボットの研究開発を日々進めています。

「ロボット新戦略」内でも重点項目のひとつであった「移乗・移動支援」において、理化学研究所が研究開発を行っているロボットが、クマ型ロボット「ロベア」です。

従来のロボットは、人が人を抱きかかえるような繊細で柔らかな動きを再現することができず、要介護者の身体に負担を強いてしまうという課題がありました。

しかし、この「ロベア」は高精度・高出力を実現するアクチュエータユニットと呼ばれるものがモーターにより、このような課題を克服し、より柔らかい「抱きかかえ」を可能にしました。

「ロベア」は、立っている状態の要介護者を両腕で支えたり、立っている状態から抱きかかえたりする動きも可能となっており、従来よりも多彩な介護業務に従事することが出来るようになっています。

(4)介護現場への導入事例 排泄介助の失敗を減らす「DFree」

ロボット以外にも、介護業界ではより小型で導入しやすい「介護支援機器」の開発が盛んにおこなわれており、 ロボット工学の技術を応用して様々な介護支援機器が作られています。

Triple Wという企業によって研究開発されているDFreeという介護支援機器は、 手のひらサイズの機械を身体にベルトなどで装着することで、排泄のタイミングを自動で検知して事前に知らせてくれるというものです。

現状、施設介護においては介護職員が入居者を一定時間おきに巡回して、尿意や便意がないかをチェックするという業務が行われています。

入居者が尿意や便意を訴えて実際に排泄介助を行っても、いわゆる「気のせい」で実際に排泄が行われない場合も多いのが実情です。 また、要介護者が急な尿意や便意に襲われて、排泄失敗をしてしまうというようなケースももちろん数多く見受けられます。

これらの排泄介助に関する難しさを、「DFree」は排泄のタイミングを事前に知らせてくれることで減らしてくれます。 超音波で要介護者の内臓の変化を感知し、排泄がある場合にはスマートフォン等にそのお知らせを送信し、排泄の10分前には知らせてくれるというのが、 「DFree」の基本的なシステムです。

さらに「DFree」は、排泄に関するデータを自動的に集約し、スマートフォン等で排泄のタイミング等のログを確認できる機能も付いています。

排泄のタイミングや状態、傾向を確認することで、おむつの無駄な使用を減らすなどのコスト削減効果も期待できるのも魅力です。

DFreeについて、より詳しい記事はこちら

→『「DFree」とは | 価格・購入方法・仕組み・評判まとめ

(5)まとめ

いかがでしたか?今回紹介したロボット技術はほんの一例であり、現在はこれら以外にも様々な介護ロボット技術が研究され続けています。

ロボット技術の介護現場への導入によって、人手不足の解消や、利益率を高めることによる従業員の給料の向上など、介護業界の様々な課題への対策になると注目されています。

人とのコミュニケーションなど「心が必要な仕事」は引き続き介護職員が担い、力仕事や移動補助などはロボットが担当するという形で、 ロボットと介護職員の協働によって、介護を「利用者にとって快適で」「介護職員にとって働きやすい」環境にしていくことを期待されています。

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