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介護療養型医療施設とは | 廃止の時期や受け皿となる2つの施設を徹底解説

施設サービス
介護療養型医療施設とは、重度の要介護者に対してケアを提供する施設です。 本記事では、すでに2023年までの廃止が決定されている介護療養型医療施設の入居対象者、サービス内容、費用、入所の流れ、廃止が決定していることについて解説します。
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(1)介護療養型医療施設とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/548602

重度の要介護者に対してケアを提供する施設

介護療養型医療施設とは、医療施設の一つであり、主に重度の要介護者を対象に必要に応じた介護や医療を提供するものです。

介護や療養が長期にわたる要介護者が、入院して施設サービス計画に基づく看護や介護、リハビリを受けることができる施設で、特別養護老人ホームなど他の介護保険の施設と比べ看護師の配置基準が手厚いものとなっています。

したがって介護療養型医療施設では「痰の吸引」や「経管栄養」といった医療行為にも対応しているのが特徴といえます。

介護療養型医療施設には「介護療養病床」という種類の病床が設置されています。「介護療養病床」は介護保険を使い入居できる公共サービスになります。

ちなみに、もう一つの種類の病床である「医療療養病床」には医療保険が適用されるという違いがあります。

この介護療養型医療施設のポイントとしては、医療施設であるにも関わらず、介護保険の適用される介護療養病床も設置している点が挙げられます。

(2)介護療養型医療施設は廃止が決定している

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2197688

この介護療養型医療施設は2006年の時点で、2011年度末をもって廃止し新しい介護保険の施設の設置をすることで決定がなされていました。すなわち、介護療養病床が廃止されることが定められていたのです。

廃止が決定された理由

その背景には介護療養型医療施設が介護と医療の区別があいまいなまま存在していたことが挙げられます。もともと「介護療養病床」は長期的に介護が必要な方が対象で、「医療療養病床」は長期的な医療を必要とした方が対象でした。

しかし、実際はそれぞれの病床が区別されることがないまま、本来厳密には介護療養病床に入るはずであった、比較的医療の必要性の低い患者も医療療養病床に受け入れが行われている現状がありました。

これを受け、介護と医療の役割を明確に区別することを目的に介護療養型医療施設の廃止が決定しました。

つまり、医療の必要性の低い患者を介護保険のサービスに移行させていくということです。それにより介護と医療の区別を明確にし、医療費の削減や看護師の不足といった状況に対応しようとしたのが廃止に至る背景です。

廃止は決定されたものの、移行期間として2019年現在も存在はしている

しかし、介護療養型医療施設から老人保健施設のような介護保険のサービスへの転換がうまく進まなかったことを受け廃止が2011年から2017年度末に延期になりました。

2017年度末をもって介護療養型医療施設は廃止となり2024年までの移行期間が設けられていましたが、現在では2023年度末に廃止とさらに延長されています。

(3)介護療養型医療施設の入居対象者

要介護1以上の高齢者が基本条件とされているものの、実際は重度の要介護者が利用者のほとんど

まず第一に、療養病床は急性期治療を終了し一般病棟を退所した人で長期的な医療ケアが必要な人が対象となっています。

その中で、「介護療養病床」は、医療療養病床に比べ比較的病状が落ち着き医療ケアの必要性がそこまで高くない方が主に多いといえます。

ただし、そうとはいえ医療ケアが必要な状態にあるといえるため、どちらも養護老人ホームや老人保健施設など他の介護サービスに比べ医療の必要性が高い重度の要介護者が対象となっているといえます。

入所対象者の基本条件は「医学的な管理が必要な要介護1以上の高齢者」というふうに定められてはいますが、実際利用している人のほとんどが要介護度4以上の80歳以上という状況で介護度が高いのが現状です。また、介護療養病床も慢性的な病状の人が多いとはいえ急変のリスクを抱えた人が主に利用しています。

(4)介護療養型医療施設にて提供されるサービス内容

介護療養型医療施設のサービス内容は、大まかには医師による診療、療養上の医療的なケアや機能訓練、食事や排せつの解除といった介護サービス、食事の提供などがあります。

あくまで介護療養病床も、医療療養病床も同じ医療施設の療養病床であり入院と同様の生活となるといえます。そのため、老人ホームや老人保健施設で行われるレクリエーションなどの余暇活動は少ないといえます。

医療の体制としては、医師の配置基準はどちらも同じですが看護師の配置が医療療養病床は4:1で介護療養病床の現状は6:1となっています。

医師の配置基準も看護師の配置基準も介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに比べ多くなっている上はっきりと決められています。

これは設置の根拠となる法律が介護老人保健施設は介護保険法で、特別養護老人ホームは老人福祉法であるのと違い介護療養型イ医療施設は医療法が根拠となっていることがあります。

医療従事者の配置が前提となっているため、サービスも医療ケアが前提で、それらの専門的ケアは受けられますがレクリエーション等の余暇活動はサービス提供に含まれていないことが前提となっているといえます。

(5)費用の見積もり

介護診療型施設サービス費と生活費

介護療養型医療施設の費用の見積もりを解説します。

まず、入所にあたって一時金のような初期費用は掛かりません。

かかってくるのは介護療養型医療施設サービス費という要介護度に応じてかかってくるものと生活費になります。

介護診療型施設サービス費の仕組み

介護療養型医療施設サービス費は要介護度が上がれば費用も上がるという仕組みになっています。このサービスは介護保険サービスにあたるので、月額のサービス費の中から、収入に応じて1割~3割を自己負担額として自分で支払うことになります。

介護保険サービス費の自己負担割合について、より詳しい記事はこちら

→『介護保険負担割合の判断基準 | 3割なのはどんな人?1割と2割の違い

その他かかってくる生活費には

  • 居住費(家賃・光熱費など)
  • 食費
  • 雑費(洗濯や娯楽費)

などが挙げられます。

介護療養型医療施設サービス費については要介護度によって決められているので、ケアマネージャー等に確認すると教えてもらうことができます。食費や居住費も世帯の収入などに応じて1日当たりの費用が決められています。

自分の要介護度と設定区分と呼ばれる段階がわかればその金額に30日を掛け算することで大体の月額の費用を見積もることができるでしょう。

施設により異なるサービス加算に注意

注意点としては介護療養型医療施設で対応するケアやサービスの中で「褥瘡対策指導管理加算」など介護サービス加算が発生する場合があります。そのような加算にも自己負担が発生するのでその点は施設の担当者などに確認するとより具体的な金額がわかるでしょう。

(6)介護療養型医療施設を利用する際の費用の目安

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/390526

高額介護サービス費により、上限は決まっている

費用の目安は先ほどの計算で大体の金額がわかるといえます。

介護療養型医療施設サービス費に関しては、「高額介護サービス費」の制度により、その世帯の年収や状態により自己負担の上限額が設定されていて最大で44400円となります。したがって最大でも介護療養型医療施設サービス費として44,400円以上はかからないということになります。

高額介護サービス費の仕組みについて、詳しく確認したい場合はこちら

→『高額介護サービス費とは|対象となるサービスや自己負担額について

介護療養型医療施設サービス費や居住費は、部屋のタイプにより異なる

介護療養型医療施設サービス費や居住費などは入所する施設の部屋のタイプによって異なります。介護療養型医療施設サービス費は

  • 従来型個室
  • 多床室
  • ユニット型個室

のように、部屋のタイプにより分類されており、来型個室が一番安く、その次が多床室、ユニット型個室と金額が上がっていくこととなります。

食費は基準額が1日1380円ですが世帯の所得などに応じて減額されます。居住費も多床室、従来型個室、ユニット型準個室、ユニット型個室と金額が上がっていきます。基準額では多床室が1日370円なのに対しユニット型個室は1日1970円とかなり差があります。

こちらも世帯の所得に応じて区分が決められ低所得者は減額されます。

(7)他の介護保険施設との違いは

①医療処置の手厚さ

他の介護保険施設と介護療養型医療施設の大きな違いは、医療処置の必要性の高さといえます。

他の介護保険施設と違い、高度な医療処置が必要になる介護療養型医療施設には、医師がすくなくとも3人常駐することが求められています。

ゆえに、医療ケアをいつでも安心して受けられるということが大きな特徴となっています。反対に、医療ケアが前提になっているため、ほかの介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに比べてレクリエーションなどの余暇活動はあまりないという点が特徴として挙げられます。

②定員数

また、ほかの介護保険施設に比べて介護療養型医療施設は定員数が少なく手厚いケアを受けることが可能といえます。

③費用計算の違い

さらに、入居の際に一時金等の初期費用が掛からないためほかの施設よりも比較的少ない料金で入居できるのも特徴です。

(8)施設選びのポイント

介護療養型医療施設にも様々な形態があります。施設を選ぶ際は、本人に合った環境を選ぶことが大切です。

例えば多床室しかない介護療養型医療施設もあるので、そういった場合個室を希望する方には合わない場合もあります。部屋の環境などを一度見学したりしてあっているかどうかを確かめてから入居することがとても大切です。

(9)入所までの流れ

介護療養型医療施設に入所するまでの流れは、以下の通り大きく3つのステップに分けられます。

探す

まずは介護療養型医療施設がどこにあるか・近くにどのような介護療養型医療施設があるのかなどを、インターネットなどを利用して把握する必要があります。担当のケアマネージャーなどのネットワークを活用すると、情報がスムーズに手に入るかもしれません。

見学する

次に、気になる介護療養型医療施設が見つかったら見学を申し込みましょう。こちらもケアマネージャーを通して行うとスムーズです。

契約する

見学後、施設の雰囲気や環境、提供サービスの内容などに問題がなければ、契約へと進みます。

契約には申込書を記入する必要があり担当のケアマネージャーを通じて提出します。申込書をもとに要介護度など様々な状況をもとに入居の可否が判断されることになります。

(10)介護療養型医療施設に入ると決めたら

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2019680

介護療養型医療施設に入居すると決めたらいくつか気を付けておくことがあります。

新しい設置はされないため、待ち期間が長い場合を想定する

まず一つは、今後介護療養型医療施設の介護療養病床は廃止の決定がなされているということです。2012年以降新しい介護療養病床の設置は認められておらず空き状況が少ない状態で入居までにかなり待つことも考えられます。

今後、介護療養病床の入居者は介護療養型老人保健施設や介護医療院が新しい受け皿となっていく予定です。介護医療院は、医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者を対象に医療ケアや排せつ・食事介助といった生活支援の両方を施してもらえる施設になっています。これらの新たな受け皿についてもあらかじめ把握しておくことが大切です。

介護医療院について、より詳しい記事はこちら

→『介護医療院とは | 施設基準や、介護療養病床との関連等を解説

入居期間が決まっている点

そして次に、こうした介護療養型施施設のほとんどは、入居できる期間が決まっている、ということです。

こういった注意点を踏まえたうえでこれらの施設に入りたいと感じたら、なるべく早くから探してみることをお勧めします。

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