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在宅介護支援センターとは | 地域包括支援センターと比較や廃止等

施設サービス
在宅介護支援センターとは、在宅介護の相談や支援を行う機関です。在宅介護支援センターの役割や、地域包括支援センターとの違い、居宅介護支援事務所との違い、さらには廃止について詳しく解説します。在宅介護支援センターは無料で利用できるので、介護にお困りの方は積極的に活用しましょう。
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(1)在宅介護支援センターとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/456626

「在宅介護支援センター」とは、地域の高齢者やその家族からの相談に応じて、必要な保健・福祉分野のサービスを受けられるように、行政機関や介護サービス提供機関や居宅介護支援事業所等との連絡調整を行う機関です。

社会福祉士や介護福祉士等の専門職員が配置されるなど、在宅介護などに関する総合的な相談窓口の役割を期待される機関になります。

在宅介護の相談を行い、また在宅介護の支援を行う拠点として、1990年に創設されました。介護保険法が改正されたため、2006年からは在宅介護支援センターの相談機能を強化した地域包括支援センターが新設され、在宅介護支援センターの統廃合が進んでいます。

なお、通称では在宅介護支援センターと呼ばれていますが、法律上の名称は老人介護支援センターと規定されています。

(2)在宅介護支援センターは廃止される?

在宅介護支援センターの位置づけは市区町村により異なっており、廃止している市区町村も多い状況です。

しかし、在宅介護支援センターは、地域包括支援センターへと一律に一斉に移行したわけではありません。

単に看板の架け替えを行った場合もあれば、在宅介護支援センターをそのまま設置継続して、地域包括支援センターを新設した自治体もあります。

在宅介護支援センターが地域包括支援センターの委託を受けている場合もあれば、在宅介護支援センターが地域包括支援センターのサブセンターとなっている場合もあります。

2012年4月末現在、地域包括支援センターは、全国で約4,300か所が設置されています(支所を含めると7,000か所以上)。

(3)在宅介護支援センターと地域包括センターの違い

団塊の世代が75歳以上になる2025年以降は、医療や介護の需要がさらに高まることが予想されています。

これらに対応するため、厚生労働省は、2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を推進していくこととなりました。

核家族化が進み高齢者の一人世帯や老夫婦のみの世帯が増え、さらに家庭の介護力が衰えつつあります。地域の高齢者を、家庭だけでなく地域住民全体で見守るという、考え方の転換が求められていますこれを実現するのが地域包括システムであり、その中核を担う組織が地域包括支援センターとなります。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、介護保険法の改正によって、新たに平成18年4月から設置され、地域住民の心身の健康保持及び生活の安定のために必要な援助を行うために、

  • 介護予防ケアマネジメント事業
  • 総合相談支援事業
  • 権利擁護事業
  • 包括的・継続的ケアマネジメント事業

等を行っています。

在宅介護支援センター

在宅介護支援センターは、高齢者の在宅介護に関した相談を受けて、情報提供、総合調整などを行います。さらに、地域の高齢者の実態把握に努め、民生委員・地域からの情報をもとに、日常生活に支援が必要な方へ訪問等による対応を行っています。

(4)地域包括支援センターに移行することによるメリット

地域包括支援センターに移行されたことで、職員体制が3人に増えて充実し、それにより幅広い活動が可能になったことがメリットとして挙げられます。

市民側の変化

地域に向けた介護予防の普及啓発によって市民の意識が高まりました。また、地域の実態の把握および関係機関のネットワーク化や連携が進みました。さらに、地域住民が関係機関との話し合いの場合に参加するようになり、地域と協働で活動する場ができました。

職員側の変化

職員の介護予防への意識も高まり、介護支援専門員の資質の向上を図るための取り組みができるようになったり、要援護者以外の高齢者の実態把握、地域住民の要望が見えたりするようになってきました。

それによって、今まで在宅介護支援センターに入らなかった地域住民からの幅広い相談や要望が、在宅介護支援センターと地域包括支援センターに入るようになりました。

(5)在宅介護支援センターの特徴

在宅介護支援センターのサービスは無料なので気軽に利用できます。ただし、センターに紹介されたサービスを利用するときは、費用がかかることがあります。

サービス対象者は、高齢者やその家族、そして地域住民です。在宅介護支援センター自体のサービス自体は、要介護認定を受けていなくても利用できます。

高齢者自身はまだまだ元気と自分の体力を過信していたり、周囲に頼ることは迷惑をかけることと考えたり、多少困ったことがあっても相談しない、といったケースが多くみられます。

ご家族やご近所の方のお気づきと相談は、何か重大事に至ることを未然に防ぐために重要な役割を果たしています。些細なことでも懸念を感じたら、センターに相談してみましょう。

要介護状態に陥る危険性が少なくなるという、介護予防の機能を果たすことも期待されています。

(6)在宅介護支援センターのサービス内容

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2338002

在宅介護支援センターのサービス内容は、主に以下の4つです。

  • 具体的な高齢者・家族への援助
  • 地域の高齢者の実態把握
  • 地域の実態把握のためのネットワーク形成
  • 福祉用具の形成

それでは詳しく見ていきましょう。

具体的な高齢者・家族への援助

高齢者福祉サービス中心に、高齢者とその家族に対する総合的な相談と利用調整します。

  • 各種相談
  • 要援護高齢者から相談を受けたときや訪問時などでの、在宅介護方法についての指導や助言
  • 保健福祉サービスの情報提供
  • サービス利用申請手続きの受付けと代行

地域の高齢者の実態把握

潜在的にサービスを必要とする高齢者のデータベースを作成します。

  • 地域の要援護高齢者の心身の状態を把握し、介護ニーズを評価
  • 要援護高齢者向けのサービスの基本台帳を整備

地域の実態把握のためのネットワーク形成

潜在的にサービスを必要とする高齢者を発見するための、地域の相談協力員との懇親、連絡調整します。

福祉用具の展示

各種の福祉用具を展示、利用の便宜をはかります。

(7)在宅介護支援センターの職員体制について

このような業務を行う在宅介護支援センターの職員体制として、専門の職員が所属していることが必要になります。

具体的には、次で示すいずれかの資格を保有する職員が1人以上所属していることが必要になります。

  • 社会福祉士(ソーシャルワーカー)
  • 保健士
  • 介護福祉士
  • ケアマネージャー

(8)在宅介護支援センターと居宅介護支援事務所の違い

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/650678

在宅介護支援センターと居宅介護支援事務所は、いくつかの点で違いがあります。なお、居宅介護支援事業所は、居宅介護支援センターと呼ばれていることもあります。

根拠となる法律が異なる

まず、在宅介護支援センターと居宅介護支援事務所とでは、根拠となる法律が異なります。

在宅介護支援センターは、老人福祉法に基づく老人保健福祉計画により設置されていますが、居宅介護支援事業所は、介護保険法に基づく介護保険事業計画により設置されています。

運営主体が異なる

根拠法が異なるため、運営主体も当然異なります。

在宅介護支援センターは、市町村(委託も含む)や社会福祉法人など、公益性の高い団体です。一方、居宅介護支援センターは、運営基準を満たす指定を受けた法人です。

運営費の出所

運営費の出所も変わってきます。

在宅介護支援センターは市町村からの委託費からになりますが、居宅介護支援センターは介護報酬からになります。

利用対象者

運営主体もサービスも異なるため、利用対象者も異なります。

在宅介護支援センターは、所在地の市町村に居住している概ね65歳以上の高齢者の方になります。一方、居宅介護支援センターは、要介護認定を受け、要支援以上と判定された方になります。

業務内容

在宅介護支援センターのスタッフは、非要介護認定者や自立者の支援・介護予防事業の推進・普及、地域福祉の整備、高齢者の実態把握などを行います。

一方、居宅介護支援センターのスタッフは、要介護者の支援要介護認定調査、ケアマネージャによる居宅ケアプラン作成、介護保険サービスの調整などを行います。

(9)サービスを利用するための手続き

在宅介護支援センターは、利用に当たって事前の申込み等の手続きは不要です。各在宅介護センターに直接申し込めば利用できます。センターへの電話、センターでの面談、利用者の自宅への訪問、などの形で利用できます。

特別養護老人ホームまたは老人保健施設あるいは病院等に併設されることが原則で、夜間の緊急相談等にも対応できるようになっています。

(10)介護サービスなどを利用するときは在宅介護支援センターを利用しよう

暮らしの中で介護に関連するようなお困りごとがあるとき、介護サービスなどの利用をお考えのときなどは、ぜひ在宅介護支援センターに相談してみましょう。

介護を専門とする職員が、親身になって対応してくれるはずです。

相談するだけであれば料金は発生しないので、ぜひ在宅介護について悩みを抱えている方は、相談相手としても考えてみてはいかがでしょうか。

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