介護に関わるすべての人を応援します

介護食の基礎知識 | 選ぶ基準からレシピや宅配サイトの紹介まで

セルフケア
介護食とは高齢者の健康をサポートするための食事です。噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢者向けの介護食について、選ぶ基準や作る際のポイントなどについて紹介します。レシピや宅配サービスを行っているサイトについても掲載しています。正しい介護食の知識をつけて、快適なシニアライフをサポートしましょう。
公開日
更新日

(1)介護食の重要性

「介護食」の役割とは、高齢者に合った健康をサポートするための食事です。

健康的で豊かな生活をおくるには、栄養バランスのとれた食事が必要になります。体を作っている基本となるのは食べ物です。食事の摂り方によって、体調面にも影響は現れます。また、食事が日々の生活の楽しみという方も大勢います。特に高齢者にとって食事とは、生きる活力となり充実した毎日を感じる為にはとても重要なエネルギー源として必要なことなのです。

高齢者の中でも「介護食」が必要な方達には、より一層重要なこととなります。

食べやすく、栄養を満たすための介護食

高齢になると、噛む力や飲み込む力なとが、筋力の衰えにより弱まってきます。その為、安全に食べやすく、十分な栄養を満たす工夫が必要なのです。介護食には推奨されている調理方法があり、高齢者の食事が負担とならないように注意して食事を作る必要があります。また、ただ単に食べやすいものを作るだけではなく、見た目や味にも気を配るようにしましょう。

(2)高齢者の食事に気を遣うべき理由

先に述べたように高齢者の食事に気を使い、食べやすいように工夫しながら調理する必要がある理由を整理すると、主に以下の3つを挙げることができます。

  • 食べる力の衰え
  • 栄養の確保
  • 誤嚥性肺炎のリスク

以下で具体的に説明していきます。

食べる力の衰え

高齢者にとっては、食事をとることも大変な苦労を伴います。加齢による影響は、生活に様々な影響を及ぼします。歯が弱くなったり、飲み込む力や噛む力が衰えてくることにより、上手く食べることができなくなったり、飲み込む時にむせたりなど食事を苦痛と感じてしまうことがあります。

そこで、できるだけ噛みやすく、飲み込みやすい食事を作ることで、その負担を和らげることができるのです。

栄養の確保

また、高齢になると若い頃と比べて、どうしても食欲が低下し食事量そのものも減ってきます。食欲自体が低下し、食べやすい柔らかいものなどを中心に摂るようになるなと、栄養不足に陥ってしまう場合があるので、高齢者の食事には注意が必要となります。

低栄養のリスク

体にとって「低栄養」が引き起こすことは様々なことがあります。毎日同じようなものばかり食べ、食事に気を使っていないと「低栄養」となってしまいます。「低栄養」は免疫力の低下となり、病気にかかりやすくなります。風邪をひきやすくなったり、胃腸の不調、消化器官の低下による下痢や便秘の危険性も高まります。これらの症状が起こると食欲自体も減退し、増々栄養不足が進行し負のスパイラルへと落ち込むことがあります。

食事量の減る高齢の方こそ実は、若い世代よりもしっかりと栄養バランスを考慮する必要があるのです。栄養不足は、脳への影響もあり認知機能の低下や、病気により命に関わることだってあり得ます。その為、高齢者の食事のメニューでは、しっかりとした栄養バランスを考えなければなりません。

誤嚥性肺炎のリスク

栄養不足の他に注意するべき点として「誤嚥性肺炎」があります。これは体の衰えにより、食べ物を飲み込むときにむせることが増えることから、食べ物が気管に入ってしまうことです。

何の苦労もなく食事が美味しく摂れる一般の成人に比べ、高齢者や被介護者は、食事ひとつするにあたっても大変な苦労が必要で、時にはのどに詰まらせて肺炎を発症させてしまうなどの危険すら存在するのです。介護食という形で、食べやすいように調理することで、この誤嚥性肺炎のリスクを低下させることができるのです。

(3)介護食の種類

高齢の状況に合わせた食事が介護食の特徴ですが、調理法自体も工夫が必要で様々な種類があります。

基本的には、

  • 噛みやすさ
  • 飲み込みやす
  • 栄養バランス

の3つの要素を考える必要があります。

ここでは、この3要素を考慮した介護食の各種類について具体的に説明していきます。それぞれの種類の介護食の調理方法・レシピなど、詳細に知りたい際は、各見出しの下部に掲載している他の記事もぜひ参考にしてみてください。

刻み食

加齢による筋力低下の影響で噛む力が弱くなったり、口を大きく開けられない方の為の介護食です。口に入れやすいこと、噛みやすいことを考慮し、食品を小さく細かくきざんだ食事です。

きざみ食に関するより詳しい記事はこちら

ソフト食

消化不良を起こしやすい、噛む力が弱くなった方の為の介護食です。食品を煮込むなど、力を加えず下でつぶせるほどまで、やわらかく調理した食事です。

ソフト食に関するより詳しい記事はこちら

ミキサー食

噛む力や、飲み込む力が弱くなった方の為の介護食です。食品をミキサーで飲みやすい液体状にした食事です。とろみをつけている場合がありますが、誤嚥しないようにするためです。

ミキサー食に関するより詳しい記事はこちら

嚥下(えんげ)食

嚥下(えんげ)食は、誤嚥が気になる方に適している食事です。飲み込みやすくする為に食品をミキサーにかけ、ゼリー状、ペースト状にし調理します。

嚥下(えんげ)について詳しく知りたい方はこちら

流動食

高熱の発熱や、消化力が弱まっていたり、胃腸の不調、手術後など体調面が優れない場合や、体力が弱っている場合などに適した食事です。胃腸に優しく消化しやすいことに重点を置いて調理しスープや重湯など液体状とした食事です。

流動食に関する詳しい記事はこちら

(4)介護食を選ぶときの基準 【①ユニバーサルデザインフード(UDF)】とは

高齢者の方の体に合った介護食をどう選ぶかということが重要なポイントとなりますが、様々な種類がある介護食の中から、いったいどれが体に適しているのかお悩みになる方もいらっしゃることでしょう。そんな方の為に、介護食を選ぶ為の基準となるものがあります。

まずひとつは、『ユニバーサルデザインフード(UDF)』と呼ばれるものです。ユニバーサルデザインフード(UDF)とは日本介護食品協議会が定める基準です。

(参考:日本介護食品協議会

個人の適した介護食を知れる

フローチャートにより、高齢者の方の状況の質問に答えていくと4つの区分に分かれたどれかを導き出すことができ、その個人に対して適した介護食を知ることができます。「ユニバーサルデザインフード」の種類は実に様々でレトルト食品や冷凍食品などの「調理加工食品」、飲み物や食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがあります。

ユニバーサルデザインフードのパッケージには、必ず「UDマーク」が付いています。日本介護食品協議会が制定した規格に適合する商品のみについているマークです。このマークによって「かたさ」や「粘度」など、それぞれの状況に合わせた商品を選びやすくするというメリットがあるのです。

このマークはどのメーカーも全て共通で表示しています。

ユニバーサルデザインフードに関する、より詳しい記事はこちら

(5)介護食を選ぶときの基準 【②スマイルケア食】とは

スマイルケア食の色と種類

もうひとつの基準としては、『スマイルケア食』があります。スマイルケア食は、農林水産省が整備した新しい介護食品の枠組みです。

その枠組みは3つあり、色分けされていることにより明確化されています。これらを参考にすることで、市販の介護食品を選ぶ際にも役立つ基準となります。

それぞれの種類の食品の例などの詳細に関しては、農林水産省『スマイルケア食(新しい介護食品)』を参考にしてみてください。

1. 黄マーク

噛むことに問題がある人向けの食品

2. 赤マーク

飲み込むことに問題がある人向けの食品

3. 青マーク

噛むこと、飲み込むことに問題はないが栄養補給を必要とする人向けの食品

(6)介護食を作るときのポイント

介護食を作る時にはいくつかのポイントがあります。高齢者の方でもそれぞれ状態が異なりますから、個々にあった食事を作ることが必要です。介護食を作る時のその他の具体的なポイントは以下のようなものがあります。

  • 栄養バランスを考える
  • 噛みやすくする
  • 飲み込みやすくする
  • 塩分を控えめにする
  • 不足しがちな栄養素を多く使う

不足しがちな栄養素とは

不足しがちな栄養素となるタンパク質・カルシウム・食物繊維・ビタミンなどを多く含む食品は次のものがあります。

タンパク質

卵・肉・魚・豆類

カルシウム

牛乳、チーズなどの乳製品・豆腐・しらす

食物繊維

海藻類・ごぼう・いも類

ビタミン

レバー・魚・緑黄色野菜・しじみ

(7)介護職を作るときに便利な調理器具

介護食を作るにあたり、あると便利な調理器具があるので、いくつかご紹介します。食材や料理を刻む、ペースト状にする、スープやジュースを作る、すりおろすなど様々な調理に便利にアイテムばかりです。

  • フードプロセッサー
  • ミキサー
  • ミルサー
  • コーヒーミル
  • おろし器
  • すり鉢・すりこぎ
  • 蒸し器
  • 裏ごし器、ザル
  • マッシャー
  • ディッシャー

(8)おすすめの介護食のレシピ・販売サイト

介護食のレシピは食品会社のホームページなどで多数掲載されています。ここでは、一部のおすすめのレシピサイトを紹介します。

介護食の製品販売をしているところもあるので、チェックしてみてください。

(9)介護食の宅配サービス

近年では、介護食の宅配サービスも広がってきています。一人暮らしの高齢者の方にも便利なサービスです。

宅配サービスを行っている会社をいくつか紹介します。

(10)迷ったら専門家に相談

介護食を始めるタイミングや個人に適した食事の形態など、いろいろと気の使うことがある介護食のことでお悩みの方は、多くいらっしゃるかと思います。

そんな時は、専門家に相談するというのもひとつの手段です。介護食の専門家として、介護食コンサルタントがいます。

介護食コンサルタントとは

介護食コンサルタントとは、健康を食事面から支える為、個々の状況に合わせた介護食の調理、食べ方、介護方法などあらゆる面を学んできたプロフェッショナルです。迷った時は、プロに相談するのが最も効果的です。

また専門家に相談できる介護食コンセプトカフェなども存在します。介護食に関してお悩みの方、もっと学びたいという方にはおすすめです。

(11)介護食は見た目にも気を使おう

介護食の重要なポイントとなるのが「見た目の美味しさ」となります。

これは、少しでも食欲を増進させる為に必要なことです。なぜなら、今まで説明してきた、栄養素や食事のバランスなどの話は、被介護者の方からすると「食べる」という行為をするかしないかを決める際にはあまり重要とは見られないからです。「食事の見た目」というのは、食事という行為と機能を保ちつつ、質的に向上させる為にも大切なことであり、食欲の増進につながります。

食欲の大切さ

なぜこんなに食欲が大事なのかというと、食欲が出ないからと一度でも食事をスキップしてしまうと、食欲がさらに低下してしまうからです。人間の食欲とは、食事をしないことで咀嚼力や飲み込む力が弱まってしまうと、低下してしまうものなのです。

介護食として食事を作る際、介護者が被介護者の食欲を刺激する方法は色々あります。たとえば、彩りを加える鮮やかな食器を使用したり、盛り付けを工夫したりすることなどです。こういった小さなことで、食欲というのは大きく変化するのです。

(12)美味しい介護食で充実した毎日を

当然のことではありますが、人間にとって、食事は生きる上で必要不可欠のもので命の源です。若い方はもちろん、高齢者の方・被介護者の方々にとっても食事は美味しく食べたいものです。

「食」は人の心を豊かにし、活力を与えてくれます。高齢者の方に美味しく安全に食べ続けられるような介護食を提供し、充実した毎日を送るお手伝いをしましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!