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徘徊対策にはGPSグッズの活用を |費用、選ぶ際のポイントなど

住宅サービス
認知症の症状の1つである「徘徊」で、出かけてしまった高齢者の早期発見に役立つGPSについて解説します。また、徘徊を未然に防ぐセンサー機器もあわせて紹介します。
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(1) 認知症による徘徊とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2239437

徘徊は認知症の症状の一つで、家の中だけでなく、外に出てあてもなく歩き回る行動のことです。認知症が悪化してくると徐々に見られるようになります。

徘徊は、目的もなくただうろつき回ることとされていますが、認知症患者本人にとっては理由や意味がある行動なので、止めることは困難です。

徘徊が始まると、介護をする家族は常に不安を感じたり、気の抜けない時間が続いたりします。さらに、近所や警察などを巻き込むことも多くなるので、ストレスを感じやすく、心身にかかる負担によって介護疲れを感じたり、介護うつを発症したりする可能性が高くなります。

徘徊には事故やケガなどさまざまな危険が伴います。実際、認知症患者が徘徊したまま家へ帰れなくなり、そのまま行方不明になってしまうという事件が近年急増しています。警察庁の統計によれば、認知症が原因で行方不明になった人の数は一年間で10,000人を超えています

徘徊は、行方不明だけでなく交通事故に巻き込まれるなど重大な事故につながるため、早期発見することが重要です。

徘徊のトラブルを防ぐためには外出させなければいいと思うかもしれませんが、外出を無理に止めると不満を感じ、家にいることが嫌になってしまい、逆に徘徊を促してしまう場合があります。

また、適度な運動は認知症の進行を遅らせることに効果的なので、本人が動き回りたがるときは、体を動かしてリフレッシュする良い機会ですので、介護者が付き添って散歩に出かけるなどすると良いでしょう。

しかし、介護者がすべて本人に合わせることは不可能ですし、徘徊では気づかないうちにいなくなっていたというケースも多いため、介護者一人だけで対応するのは困難といえます。

(2)徘徊の早期発見にGPSを活用しよう

徘徊は周囲の人たちが連携して対策するのが理想ですが、他の家族に見守りを頼めない方には、GPSの活用がおすすめです。

GPSとは位置情報システムのことで、GPS機能がついた端末を認知症患者に持ち歩いてもらうことで、今どこにいるのかをパソコンやスマートフォンから家族が簡単に検索することができます。

最新のGPSは、どれだけ離れた場所でもかなり正確な位置を把握することができます。徘徊の症状が見られる認知症患者が一人で出かけてしまった場合に、できるだけ早く発見するためのアイテムとして、さまざまなGPS機能付きの徘徊対策グッズが販売されています。

(3)さまざまな形のGPSグッズ

認知症患者向けのGPSには、さまざまなタイプのものがあります。

携帯電話のGPS機能

手軽で真っ先に思いつくのが携帯電話のGPS機能ですが、認知症患者にもともと携帯電話を持ち歩くという習慣がない場合には、家に置きっぱなしで役に立たない可能性があります。このタイプを使用する場合、持ち歩く習慣を付けるようにしましょう。

小型のGPS端末

小型のGPS端末を靴に入れて使うタイプもあります。ただ、GPSの付いていない、違う靴で外出する場合もありますし、新しく購入したGPS内蔵の靴だと認知症患者にとっては見慣れないものになるので、履いてもらえない可能性もあります。外出時に必ず着用してもらえるような工夫をしましょう。

このタイプに入る商品を紹介します。

Advanced Mobile Telecom「小型GPS」

これはドコモユーザーが対象となる商品になります。この商品と、位置情報サービスを含む「かんたんパック」を利用することで、携帯で第三者による位置情報の検索、メールへの通知、履歴の検索機能が利用可能になります。

「かんたんパック」に関してより詳しく知りたい方はこちら→かんたん位置情報サービス

モバイルアクション「i-gotU GT-600」

超小型で軽量なので、ズボンや胸ポケットに入れても違和感なく持ち歩くことができます。

この商品は場所だけではなく時間や速度も記録することができます。

リストバンド型

腕時計のように携帯性に優れたリストバンド型のタイプもあります。このタイプは本人が身に付けるのを嫌がらないように、外出しない時も付けて慣らしておくなど前もって準備しておきましょう。

GPS端末は専用アプリや専用サイトなどから地図で現在地を確認することができます。自宅などを設定したエリアから一定の距離を離れたらメールで家族に通知するなど、細かな設定ができる便利なタイプもあります。

(4) GPS端末を使う際の注意点

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/232833

GPS端末のようにバッテリーを使うタイプの徘徊対策グッズは、バッテリーの持ち時間があるため、肝心なときに充電が切れてしまって居場所を特定できないという可能性があります。

認知症患者本人は自分でバッテリーを充電するのを忘れてしまうので、介護をする家族がすることになるため、充電回数が少ないタイプを選ぶといいでしょう。バッテリー切れになる前にメールで通知する機能があるGPS端末もあります。

GPSはかなり精度が良いのですが多少の誤差があり、その周辺にいるとわかってもGPSが示している場所にはいないことがあります。そのため、周辺を探し回って認知症患者を見つけるまでに時間がかかる場合もありますが、探す範囲を絞り込めるのは大きなメリットです。

また、認知症患者はGPS端末を靴に入れても違和感から取り出してしまったり、ポケットに入れていても落としたりして紛失することがあります。置き忘れにより、GPS端末は見つかったけれど本人がそこにいないということもあるので、取り付ける位置には十分配慮しましょう。

(5) 普段から身に着けて置き忘れを防止しよう

GPS端末はいつも身につけてもらうのが基本なので、外出するときに必ず持ち歩くカバンなどに入れたり、服に縫いつけたり隠しポケットを作るなどして使用すると安心です。

靴に内蔵するタイプを使用する場合、玄関にはGPS搭載の靴以外の靴は置かないようにするなど、認知症患者が靴を履き間違えないような状況にして外出時に必ず着用させる工夫も必要です。

(6) GPS利用の際はセキュリティに注意しよう

GPS端末を使うと詳細な位置情報がわかるので、他人に自宅の位置などがわかってしまう可能性があります。

また、外出先でどこかへ置き忘れたりなくしたときに、GPS端末を盗まれて悪用される可能性もあります。GPS端末を使用するときには、安心できる会社のものを選んだり、セキュリティについての説明をしっかりと聞いておくようにしましょう。

(7)GPSの利用費用の目安

家族の安全にはかえられないので、徘徊対策グッズにはお金をかけたくなりますが、これから何年もそのグッズを利用することを考えると、初期費用や毎月かかる費用がいくらかなど、長期で負担できる金額であるかを確認することが大切です。

靴やカバンなどに取り付けるタイプのGPS端末では、月額の費用は500円程度と安価なのですが、初期費用が10万円を超えることもあります

自治体などで無料で貸し出しをしている場合もあるので、購入する前に確認してみましょう。

(8)その他の徘徊対策

GPSの利用はハードルが高いと感じる方には、徘徊対策の便利グッズの使用や介護サービスの利用をおすすめします。

徘徊対策の便利グッズ

徘徊を防ぐ、2種類のセンサー機器を紹介します。GPSのように高齢者に携帯してもらう必要がないことがメリットです。

離床探知センサーマット

ベッドサイドの足をつくところに置いておくことで、ベッドから降りたときにお知らせしてくれるマットです。費用は2~5万円と高額ですが、設置により安心して部屋を離れられます。

センサーチャイム

人を感知するとチャイムがなる機械です。徘徊対策だけでなく、防犯にも有効です。

マットとチャイム両方を組み合わせることで、認知症患者が玄関を出る前に家族が気付くことができます。センサーマットはレンタルできる場合があるので、ケアマネージャーや自治体に確認しましょう。

警察への届け出

徘徊の恐れがある場合、前もって警察に届け出ておくと安心です。

徘徊の症状があることの他に、本人の身長や髪形などの特徴を伝え、必要な情報を共有しておくと万が一のときに迅速に対応してもらえます。

介護サービスの利用

デイサービスやショートスティを利用もおすすめです。介護する家族にとっては気が休まる時間を作れますし、昼間にデイサービスで入浴やレクリエーションをすることで、体が疲れて夜によく眠れるようになり、夜間の徘徊を防げます。

その他にも、外出の機会を増やすという対策が挙げられます。認知症患者を買い物に一緒に連れて行くなど外出を増やし、満足してもらうことで徘徊を減らせる可能性があります。

さまざまな対策を試し、組み合わせることで、徘徊を防ぎましょう。

(9)徘徊への対応方法

徘徊しそうだと感じたり、実際に徘徊しているところに遭遇したりした場合、無理にやめさせるのではなく、他のことで気をそらしましょう。

例えば、認知症患者が「仕事に行く」と言って外に出ようとしたときは「行く前にトイレに行こう」と声をかけてトイレに誘導したり、お茶を用意して「お茶を飲んでからにしましょう」と誘ってみたりします。

他のことに気がそれているうちに、自分がどこかへ行こうとしていたことを忘れてしまうこともあるので、徘徊を防げます。

「仕事はもうやめたでしょう」などと言って叱責すると、混乱させてしまうのでやめましょう。

(10)GPSの活用で負担を減らし安心を増やそう

出典:https://www.pakutaso.com/20190304070post-19812.html

家族がずっと、認知症患者が徘徊しないように昼も夜も見守ることには限界があります。

GPS端末をうまく使うことで、万が一認知症患者の居場所がわからなくなっても、早期発見につながり重大な事故に巻き込まれることを防げます。認知症患者の徘徊への対応で心がけたいのは、徘徊する本人の気持ちを尊重することと、介護する人がすべて一人で背負おうとしないことです。

介護者以外の家族や自治体の福祉サービス、近所の人の協力も借りて、たくさんの人の見守りのある環境を整えましょう。

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