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介護施設の費用 | 費用が払えない?平均費用や介護保険制度など

施設サービス
介護施設にはさまざまな施設形態(主に13形態)があり、施設形態によってかかる費用も提供されるサービスも施設によって異なります。この記事では、そんな介護施設の費用の相場や費用を払えなくなったとき、介護保険の活用法などについて詳しく解説します。
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(1)介護施設における費用の特徴


出典:https://www.photo-ac.com/

介護施設にかかる費用は、公的施設民間施設かで大きく変わります。

公的施設では

公的施設には、社会福祉法人や自治体などが運営する「特別養護老人ホーム」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」などがあります。これらはすべて介護保険の適用となり、まとめて「介護保険施設」と呼ばれています。

ほかにも、自立した生活ができる高齢者向けに「軽費老人ホーム」や「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」などもあります。

これらの介護施設では、国が補助金を出していることもあり、民間施設にくらべて費用が半額以下になることもあります。ただし、その分だけ希望者も多く入所条件もなかなか厳しいところが多くなっています。

民間施設では

民間施設には「有料老人ホーム」や、介護保険と連携した「サービス付き高齢者向け住宅」、認知症患者のための「高齢者グループホーム」などがあります。

これらの介護施設は希望通り入居しやすく独自のサービスを用意するなど、費用が高くてもそれに見合った魅力を持っています。

(2)介護施設の平均費用〈公的・民間施設別〉

公的施設のなかでは、ケアハウスに入居一時金があります。相場はだいたい、数十万円から数百万円程度です。

民間施設の入居一時金

一方、民間施設では介護施設の種類や事業者によっても入居一時金の金額に大きな幅があります。

民間施設の入居一時金の目安
サービス付き高齢者向け住宅 数十万円程度
グループホーム 15万円前後
有料老人ホーム 数十万円~数百万円

サービス付き高齢者向け住宅では、敷金・礼金という形で居住費の数ヶ月分が目安となっています。

グループホームも安いところが多いのですが、なかには100万円を超えるところもあります。有料老人ホームにいたっては、富裕層を対象にした高級介護施設では、数千万円から数億円とケタ違いの金額になります。

民間施設の月額費用

次に、月額費用を見てみましょう。

公的施設では以下のような相場になっています。

公的施設の月額利用料の目安
特別養護老人ホーム 6~15万円
ケアハウス 8~15万円
介護老人保健施設 8~20万円

一方、民間施設では以下のような相場となっています。

民間施設の月額利用料の目安
サービス付き高齢者向け住宅 10~30万円
グループホーム 15~30万円
住宅型有料老人ホーム 15~30万円
介護付有料老人ホーム 20~30万円

こちらも、住居費や食費、地域差によって価格の幅があります。しかし、いずれにしても民間施設では、やはり半額近い費用となっていることが分かります。

(3)介護費用が払えないとどうなるの?

入居時以外の月額費用などによって、支払いが滞る可能性が

まとまったお金を入居時に払うのですが、そのお金以外にも管理費や食費などの月額利用料が発生してしまいます。お金の捻出ができずに支払いが滞るとどうなるのかみていきましょう。

老人ホームの支払いが滞る原因として考えられるのは、下記のような場合です。

  • 介護度が進行したことで、介護費用の自己負担額が予想以上に増えてしまう
  • 収入がある家族の金銭援助に頼っていたが、職を失い親を支えられなくなる

滞納しても、数カ月の猶予が認められる

もし月額利用料を滞納してしまっても、すぐに退去すぐにすることは求められません。一般的に契約書・重要事項説明書に記載されていますが、数カ月の猶予が認められます。

もし料金が支払えなくなったときには、生活相談員やケアマネジャーに相談してみる、または料金が安い施設に移動するのも一つの手です。

(4)介護施設にかかる主な費用の内訳

介護施設にかかる費用には、大きく分けて以下の2つがあります。

  • 入居一時金
  • 月額費用

入居一時金は、介護施設の入居時に一括で支払う費用です。

多くの介護施設では、この入居一時金を一定期間の家賃の前払いという形で算出しています。この一定期間というのは、居住者が何年ぐらいその介護施設に住むかという想定から導き出されます。要介護者であれば5年程度、自立した生活ができる場合は10~15年程度が目安となります。

一方、月額費用は一ヶ月ごとに介護施設に支払う金額です。通常のマンションや借家のように居住費だけではなく、施設のサービスや食事、日用品の費用なども計算に入っています。

(5)介護施設にかかる主な費用① 入居一時金

入居一時金の有無は施設によって違う

介護保険3施設(特別養護老人ホーム・老人保健施設老人保健施設・介護療養型医療施設)については、入居一時金の制度はありません

同じ介護施設でも、公的施設と民間施設で費用面に大きな差が出るのは、この入居一時金の有無が大きく影響しているといえるでしょう。

ただし、民間施設にはすべて入居一時金が必要というわけではありません。

入居金ゼロの施設の増加

特に最近では、民間施設のなかにも「入居金ゼロ」という宣伝文句の介護施設が増えてきました。公益社団法人全国有料老ホーム協会の調査によれば、2014年度で入居一時金を設定していない老人ホームは全体の1割以上とされています。

ただし、これで費用が安くなるかというと、そういうわけでもありません。じつは、入居金ゼロというのは、居住費の前払いを請求しない代わりに、その分が月額料金に上乗せされていることがほとんどだからです。

とはいえ、初期費用がいっさいかからないというのはやはり魅力のひとつです。今すぐにでも入居したいという人や、短期間のみの利用を考えている人にとっては、よい選択となるでしょう。

(6)介護施設にかかる主な費用② 月額費用

介護施設の月額費用には、さまざまな経費がふくまれています。費用内容を下記で紹介します。

居住費

月額費用の土台となるのが居住費です。

介護保険施設では、多床室や個室、ユニット型といった部屋のタイプと、介護の度合いによって一定の金額が定められています。

一方、民間施設では立地や居室のグレードによって大きな差があります。

食費

介護保険施設の食費には、介護保険が適用されます。所得や資産に応じて、自己負担限度額が300円から1,380円まで段階的に決められています。

民間施設では、定額のところもあれば、食材や調理費によって毎回変わる場合もあります。

施設介護サービス費

介護施設で、入浴や排泄、食事といった介助を受けるために必要な費用です。

介護保険施設では、居住費と同じように、部屋の形式と要介護度によって金額が変わります。

一方、民間施設では事業者ごとにサービス内容が大きく異なるため、その金額にも大きな幅があります。

管理費

管理費は、おもに民間施設で請求される費用です。その内訳は事業者によってさまざまで、設備費や光熱費などがふくまれます。

その他

ほかにも、石鹸や歯ブラシなどの日用品、本や菓子などの嗜好品の購入にかかる「日常生活費」、嘱託医やほかの医療機関を受診したさいの「医療費」、などの雑費も月額費用にふくまれます。

また、介護職員を多めに配置する「上乗せ介護費」や、設備増強や人員強化にともなう「サービス加算」といった費用が請求されることもあります。

(7)介護施設にかかる費用を抑える方法① 介護保険


出典:https://www.photo-ac.com/

介護施設の費用には、さまざまな場面で介護保険が適用されます。

たとえば、介護保険施設の食費に上限が決まっていたり、おむつ代が無料となるのも介護保険からの給付によるものです。

なかでももっとも重要なのが、施設介護サービス費への適用です。

その適用条件は合計所得金額によって異なり、以下のようになっています。

合計所得金額=160万円未満の場合

  • 合計所得金額+年金収入=280万円未満
  • 2人以上の世帯で合計所得金額+年金収入=346万円未満

いずれかの場合は、自己負担額が1割になります。

合計所得金額が160万円以上の場合

  • 合計所得金額+年金収入=280万円以上
  • 2人以上の世帯で合計所得金額+年金収入=346万円以上

いずれかの場合は、自己負担額が2割になります。

合計所得金額=220万円以上の場合

  • 合計所得金額+年金収入 =340万円以上
  • 年金収入のみ =344万円以上
  • 2人以上の世帯で合計所得金額+年金収入 =463万円以上

いずれかの場合は、自己負担額が3割になります。

ここでいう「合計所得金額」とは、収入から公的年金等控除額や給与所得控除額、必要経費を差し引いたあと、基礎控除額や人的控除額などを差し引く前の所得金額です。

これにより、10~20万円前後の介護施設サービス費が、1.6万円程度で済むことになります。とても大きな差となるので、介護保険の利用をお勧めします。

(8)介護施設にかかる費用を抑える方法② 医療費控除

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設の利用者は、医療費控除を受けることができます。

税金の還付を受けることができる

医療費控除によって、治療費や薬代の領収書を提出することで、税金の還付を受けることができます。ここで注意してほしいことは、民間で運営されている有料老人ホーム等では受けられないということです。

対象となる費用は、施設利用の際に支払った、

  • 居住費
  • 介護費
  • 食費

この金額が、介護老人保健施設と指定介護療養型医療施設ではそのまま、指定介護老人福祉施設と指定地域密着型介護老人福祉施設では2分の1にあたる分が、控除されます。

ただし、介護とは直接関係のないサービスの費用や、日常生活の費用については対象外なので気をつけてください。医師が必要だと判断したおむつ代もすでに介護保険の給付対象となっているので、控除となりません。

これらの費用が記された領収書を提出することで、還付金を受け取ることができます。

(9)支払方法について


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介護施設の利用料金は、通常の月払い以外にもいくつかの支払方法があります。

一時金方式

入居にかかる費用を、全額前払いする方式です。その金額は、今後どれだけ居住するかという想定居住期間から算出します。また、入居者の年齢や性別、介護の必要性といった条件も加わります。

ホームによって、どのような条件で計算するかは変わってきます。分からない点については、あらかじめ事業者に相談してみましょう。

一部前払い+一部月払い

入居時に今後かかる費用の一部を前払いし、残りを月払いで支払っていく方式です。

選択方式

上記のような複数の支払方式から、自分に合ったものを選ぶ方式です。

(10)それぞれの支払方法のメリット・デメリット

支払方式によって、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

一時金方式

最初に全額を支払うため、それ以降はいっさい費用がかかりません。想定居住期間を過ぎたとしても、超過分を支払う必要もありません。そのため、資産の目減りに悩まされず、運用がとてもしやすくなります。

一方、介護施設の利用料金が値下げされたとしても、差額が返金されることはありません。その場合、結果的に損をする可能性があります。このあたりは、不動産投資と似たような側面があります。

一部前払い+一部月払い

全額を支払うのは無理だとしても、一部を先払いしておくことで毎月の支払いが楽になります。

ただし、一時金方式にくらべて毎月の支払額自体が高めに設定されていることがあります。そのあたりも、事前に確認しておく必要があるでしょう。

月払い方式

毎月、必要な分だけを支払っていくだけなので、最終的に特になるか損になるか、といったことを考える必要はありません。もし、介護施設の利用料が値下がりした場合には、結果的に得をすることになります。

もちろん、反対に値上がりした場合には損をするという可能性もあります。

このように、それぞれの方式にメリットやデメリットがあります。自分の資産や収入、そして今後の予定などを考えたうえで、もっともよい方式を選びましょう。

(11)費用は介護施設選び時の重要なポイントになる

介護施設の居住者の多くは、年金収入を費用の支払いにあてています。

現在の厚生年金の平均月額は14万円半ばといわれています。多くの介護施設ではそれとほぼ同等の月額料金がかかるため、ほとんどが支払いでなくなってしまうことになります。

今後は超高齢化社会の訪れで、ますます年金の引き下げや介護保険料の引き上げなどが検討されていくでしょう。

このような時代において、介護施設選びでは費用が最大のポイントとなります。少なくとも、支払いのあとに3?5万円残る程度を目安にして、無理のない介護施設を選ぶようにしましょう。

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